瀧口恵子の珍島物語 | 珍島神秘の海割れ

2017年09月25日

jindo はじめまして。韓国の珍島(チンド)に住んでいる瀧口恵子と申します。現在は珍島郡庁の観光文化課に勤務しています。役所勤務ですから日本籍では採用できないとのことで帰化しました。韓国名はヨングヘジャ(瀧口恵子)です。

韓国にきて早くも30年の歳月が流れ(!)なんで山梨出身、富士山の麓で生まれた私が珍島へ島流しになったのでしょうかね? 不思議に思いつつ、第2の故郷ともいえる珍島の生活を楽しんでいます。

さて皆さん、今回は、「海が割れるのよ~、道ができるのよ~」そうです。天童よしみの「珍島物語」で知られる珍島神秘の海割れについてご紹介します。

韓国珍島神秘の海割れは「こちら珍島からあちら茅島(モド)里まで」約2・8㎞の海に道ができる不思議な現象です。平素、ここは水深が5~6mの海ですが、大潮のときにその海水が引き、海に道ができたように見えるのです。とても神秘的ですが、実は科学的な現象で、済州島側から流れる潮流と珍島大橋側から流れる潮流が互いにぶつかる地点に、約3千年の歴史をかけて砂や貝殻が積み重なって海底に砂丘ができました。海水が引くと、海底にできた山脈の尾根の部分が道のように現れる現象が「珍島神秘の海割れ」なのです。

では、海割れ現象はいつ起こるのでしょうか? 海割れはあくまでも自然現象なので、その時期を予想することができます。珍島郡庁では事前にその時期を知るために、夏になると韓国国立海洋調査院に公式依頼をして翌年1年間の干満潮のデータを送ってもらい、これを根拠に海割れ祝祭の日程を決定します。一番残念なのは、1年に1~2度しかこの現象を体験できないことです。たしかに頻繁に海割れが起ったら神秘でも何でもありませんが…。

でも、この問題を解決するため「神秘の海割れ体験館」がオープンしました。ここには映像で海割れの様子が体験できるだけでなく、「海割れ伝説」の内容を過去と現在をタイムリピットして4Dで紹介しています。

えっ? 海割れ伝説を知らない? では紹介しましょう! 朝鮮時代の初期、珍島の回洞(フェドン)村には虎が出没して家畜が食い殺され、さらには人まで襲われるようになりました。村人はいかだに乗って対岸の茅島まで避難しましたが、右往左往する中で珍島側にポンおばあさんだけが取り残されてしまいました。おばあさんは別れた家族に会いたくて、毎日、竜王様にお祈りしました。すると「明日海に虹をかけるから渡りなさい」というお告げが下りました。それで茅島の見える海岸に出てみると、驚いたことに海に道ができていたのです。茅島からは家族と村人が銅鑼と鐘を叩きながら海を渡り、珍島からはおばあさんが駆け寄って、みごと再会を果たしましたとさ。

神秘の海割れ体験館の映像は、もちろん日本語版も準備してありますので、ぜひ珍島へお出でください!

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