釜山ホット情報| 釜山のトレッキングコース「カルメッキル」
韓国済州島の「オルレッキル」をご存知の方も多いでしょうが、釜山にも「カルメッキル」なるものがあります。
「カルメッキル」の「カルメ」とは「カモメの」、「キル」は「道」をさしていて、「カモメの道」という意味なのです。釜山はご存知の通り海に面していて、河口や海辺にはたくさんのカモメが飛んでいます。そのカモメの飛び交う姿を見ながら歩けるトレッキングコースとは素敵ではありませんか?
「カルメッキル」は全部で9つのコースがあり、合わせると263.8kmになります。各コースは無理なく歩けるように2~3つの区間に分かれ、全体では20区間になります。海辺や川、時には山の中、そして都心をつなぐコースは区間別で5.7kmから23 kmまであり、普通に歩くと短い区間は2時間、長い区間は8時間かかります。平地を歩いたり、アップダウンのあるコースもあり、体力に合わせて選べますが、どこもこの時期ヒーリングにぴったりの観光地として人気を集めています。特に2012年からは「カルメッキル」をテーマにしたウォーキングイベントがほぼ毎年開かれていて、家族単位で参加する人が増えているそうです。
たとえば、3月28日には桜をテーマにした「洛東江桜並木ウォーキング大会」、4月21日「朝鮮通信使の行程をたどる友情ウォーク」、5月10日「ダイヤモンドブリッジ(広安大橋)ウォーキング」など、簡単な申し込みで参加することができるイベントが毎月あります。みんなで歩いて、持参のお弁当を食べながら抽選イベントや公演を楽しみ、再びウォーキングを楽しむという人気を集めています。
特に「朝鮮通信使の行程をたどる友情ウォーク」、日本では「21世紀ソウル‐東京友情ウォーク」といわれています。2007年から始まって今年で5回目になり、釜山でのウォークが4月21日になります。釜山ではこのウォーク隊が到着した時は、歓迎セレモニーがされ、国交正常化50周年を迎えた日韓関係の中で意味深いものとなりそうです。
これは釜山だけで行われる行事ではなく、4月1日にはソウルを出発し、5月22日に東京にゴールするというもので、ソウルから釜山までは歩き、釜山から高速船で対馬、壱岐に寄り、 博多からは貸し切りバスで朝鮮通信使ゆかりの地、下蒲刈(広島・呉)、鞆の浦(広島・福山)、牛窓(岡山・瀬戸内)をめぐり、大阪からは再び歩いて東京に向かいます。日本側の関係者のお話ではウォーク隊の飛び入り参加は大歓迎だそうです。
さて、この「カルメッキル」、本当に「カモメ」が飛んでいるのでしょうか。9つのコースの中でも一番人気がある「2コース」の「二妓台(イギデ)」を中心にしたコースは、カモメも飛び交っています。外国人観光客にも歩きやすく、釜山のシンボル五六島(オリュクト)や、広安大橋(クァンアンデギョ)、海雲台(ヘウンデ)もよく見え、週末だけでなく平日でもたくさんの人が訪れています。
この2コースのカルメッキルにチャレンジされたい方は、南区にある二妓台公園のトンセンマルあるいは中間にあるオウルマダンという広場から五六島方向に歩いて行くといいでしょう。海辺なので波の音を聞きながら歩くのは気分爽快です。ここは海沿いにまっすぐ歩いていけばいいので分かりやすく、道もよく整備され、「カルメッキル」特有の道しるべも見かけられます。
ほかにも釜山市内の洛東江沿いを河口堰から亀浦(グッポ)駅まで歩く13.2kmの6コース、水営江の上流から河口に向かい、「映画の殿堂」など最先端の大規模な建物を横にしながら水営湾に出る7kmの8コースがウォーキングしやすく、少し遠出をして林浪(イムナン)海水浴場から機張(キジャン)郡庁までの12.2km、機張郡庁からお月見の名所「タルマジコゲ」までの21.4kmの区間を合わせた1コースも釜山らしい海岸線を歩けて楽しいです。途中で出会うのどかな漁村の風景、斬新なデザインの灯台、家の塀に描かれた地域アーティストの壁画も見どころのひとつになっています。
今年も釜山では、5月1日から3日まで「朝鮮通信使祭り」、8月1日~5日「釜山海祭り」、8月7日~8日「ロックフェスティバル」、10月1日~10日「釜山国際映画祭」、10月23日~24日「釜山花火大会」と、日本の観光客の皆さんはもちろん、海外からたくさんの方が訪れる大規模なイベントが目白押しです。ぜひ、交流の輪を広げて相互に楽しく行き来できるような年にしていきたいですね。
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