釜山ホット情報| 釜山の観光名所で学ぶ「ストーリーツアー」

2015年12月03日

イバグ自転車 今回は、釜山らしい景色が楽しめる「旧都心ストーリーツアー」、「イバグ自転車」についてご紹介します。

釜山の北港に新国際旅客ターミナルが今年9月オープンし、少し前までコンテナヤードであったり、埋立地であった所が、どんどん開発が進んでいます。ターミナルを背にすると、左の方は南浦などの中区、正面には高速鉄道の終着駅である釜山駅、右側は観光地としてはあまり知られていなかった東区があります。実はここ一帯は旧都心と呼ばれ、高齢者の雇用創出、新しい観光資源発掘と、とても注目を集めている場所なのです。60歳以上の文化財解説士が直接電動自転車を運転し、今まで地域住民しか知らなかったような隠されたストーリーを話してくれるという、「イバグ自転車」が運営されています。まだ始まったばかりで、平日の利用者は10人そこそこ、週末になると20~30人ぐらい利用しているそうです。

釜山駅の向かい側は韓国動乱当時、山の斜面にたくさんの避難民が住むようになった場所で、たくさんのストーリーが隠されています。当時、すべての物資が不足する中で、米軍基地から廃棄されるダンボールなどを利用して、ようやく雨をしのぐような家を建てて住んだという話が残り、水も井戸には長いバケツを持った行列ができたというほど、その生活は貧しかったといいます。ここは現在、チャイナタウンや華僑の学校があるなど、特化通りとしても知られ、賑やかになりました。ところどころにある昔ながらの建物や、釜山港大橋の展望などが楽しめるなど、人気の観光名所になっています。100段以上続く階段や坂道を、原付自転車で上りながら、釜山の近代史をたどれるのが魅力的です。現在は8台の電動自転車で運営していて、釜山駅広場の広報ブースを出発し、約1時間で戻ってきます。料金は1万ウォン(約千円)。

もう一つ、お勧めなのが「旧都心ストーリーツアー」。60代以上のシニアボランティアによるストーリーテラーが、地元の人しか知らないような名所やお店、歴史を紹介しながら一緒に歩いてくれるツアーです。昨年6月から始まったこのツアーの利用者は既に1万人を目前にしているそうです。釜山の中区や東区、西区のあたりは昔、日本人専管居住地があったり、その後は市役所ができ、釜山で一番にぎやかな繁華街でした。それだけに興味深い話が山のようにあります。

コースは「影島橋を渡ってカンカンイを歩く」、「龍頭山に上り、釜山浦を望む」、「イバグキルを歩く」、「国際市場をのぞく」、「ヒンヨウル村に出会う」の5つで、外国人の場合は、今年までなら1人でも、希望の言語でツアーをしてくれるそうです。料金は無料。ただし、釜山観光公社への事前の予約が必要です。

日本人に人気なのは国際市場のツアー。映画「国際市場で逢いましょう」でも有名になった場所で、市場が形成されていった過程や、市場ならではの手ごろな値段での買い物を助けてくれたりと、ストーリーテラーは大人気だそうです。

私が最近行ってきたのは、「ヒンヨウル村」。実は当日決めたので、話は聞けなかったのですが、とってもきれいな影島の海岸線に続く3㎞ほどの道を歩いてきました。山の南端にある影島という島は、沖には大きな外国籍の船がたくさん碇泊し、足元の岩場まで波が打ち寄せる散策路を歩いていきます。運営センターの1階には、海を眺められるおしゃれなカフェがあり、値段も割安でした。影島は最近、対馬から初めてサツマイモを持って来て栽培が始まった所として観光開発がされていて、このサツマイモのラテを購入し、ウォーキングに出発しました。

以前から運営されているおもな観光名所で利用できる文化解説士による解説も勉強になります。梵魚寺(ポモサ)、忠烈祠(チュンヨルサ)、釜山シティツアーなど約20ヵ所の主な観光名所で専門的な解説を聞くことができます。ガイドブックにも載っていない内容を流暢な日本語で聞くことができ、知的にも満足されたい方にお勧めです。(予約問い合わせ:釜山観光公社)
紅葉の季節、釜山の街を一緒に歩いてみませんか?

木内徳子

Pocket

関連する記事はこちら

1741199_image2_1

瀧口恵子の珍島物語 | 珍島アリラン

アリランは韓半島に伝わる民謡です。韓国はもちろん北朝鮮や中国、そしてサハリンまで、韓国民族の住むところには必ずアリランが歌われています。 ではどうしてこんなにも多くのアリランが各地に伝わっているのでしょうか? そしてアリランの語源はなんでしょうか? 珍島アリラン保存会の資料による…続きを読む

12

釜山ホット情報 「海雲台ブルーラインパーク」オープン!

読者の皆様、ご無沙汰しております。 コロナは相変わらずですが、釜山は進化してます。 今回ご紹介するのは今年2020年9月にオープン予定の釜山の新たな名所、「海雲台ブルーラインパーク」です。 「ブルーラインパーク」とは、旧東海南武線の海雲台尾浦(ミッポ)から松亭(ソンジョン)に至る…続きを読む

2018-조선통신사축제-포스터s

釜山ホット情報 | 春!春!春のお祭り大集合

今年のゴールデンウェークのご予定はお決まりでしょうか? 5月は本当にたくさんのイベントがあるのですが、特に注目すべき話題に絞ってご紹介いたします。 4月28日~5月13日 春の旅行週間 特別なプログラムが盛りだくさん まずは、全国各地でこの期間を「春の旅行週間」として地域ごとに特…続きを読む

ショッピング王ルイ

釜山ホット情報 | 「ショッピング王ルイ」ロケ地を巡ろう

 今月のホットな話題は、釜山を舞台にして撮影された「ショッピング王ルイ」! 韓国ではMBCで9月から11月にかけて放送され、日本ではKNTVで年末から2月にかけて水木、2話連続で土曜日に放送されていました。このドラマ、アンコール放送が今年の5月に予定されているので注目です! ドラ…続きを読む

家族チョッパル

Yuckyのうまうま大邱! ⑫ 行列のできる人気店「家族チョッパル」

 最近発行された大邱の冊子に「肉食大邱」という言葉を見つけました。確かに大邱はチムカルビやマクチャン焼き、ムンティギなど、美味しい肉料理がたくさんあります。そして今回の題材もやっぱり肉です。いつ行っても行列の絶えない豚足の専門店をご紹介します。 そのお店は、防川市場(パンチョンシ…続きを読む

2018-가작-최남순-해운대-북극곰-수영축제s

釜山ホット情報 | 知っておくと便利! 釜山のお役立ち情報

日本から一番近い外国。福岡からは日帰りでも充分に遊べるのが釜山の魅力の一つです。 最近は特に韓流ブームの影響も受けてか、昨年よりずっと、日本人観光客の方を見かけるぐらいです。皆さん、スマートフォンを片手に楽しそうに街めぐり。ソウルに比べて情報がまだまだ少ないですが、フェイスブック…続きを読む

nothumbnail

韓国旅行がもっと楽しくなる 「キラリ! 名所」 ㊴ すいかの名産地・咸安

初夏の雰囲気を感じる北の大地より、アニョハセヨ! 夏が近づくと共に、小学校の音楽の授業で歌った童謡「すいかの名産地」が思い出されます。ということで今回はすいかのお話です。 歴史を紐解くと、朝鮮時代の1611年に書かれた今でいうグルメ本「屠門大嚼(トムンデジャク)」に、高麗時代に開…続きを読む

オルチェンイククス

韓国旅行がもっと楽しくなる「キラリ! 名所」㊾ A級グルメもB級グルメも楽しめる!~江原道・横城郡~

 北の大地よりアニョハセヨ! 今年もよろしくお願いいたします。今年最初のコラムは、A級グルメとB級グルメが楽しめる江原道(カンウォンド)・横城(フェンソン)郡をご紹介いたします。 横城は江原道の南西部に位置し、高速鉄道ならソウル駅から横城駅まで約1時間15分。東ソウルターミナルか…続きを読む


東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02

  • travel agence