韓国旅行がもっと楽しくなる「キラリ! 名所」㉘ 春はチュクミで花見酒~保寧市
北の大地からアニョハセヨ! 韓国の3月は学校の入学式があり、春の気配も日を追う毎に感じられる時期です。私が住む北海道はまだ寒いですが、ここにも春の気配が早く来ることを願って、春を呼ぶタコ「チュクミ(=イイダコ)」をご紹介いたします。ちなみに、踊り食い(サンナクチ)で知られる「ナクチ」を「イイダコ」としている韓国語教材をまれに見ますが、こちらの日本名は「テナガダコ」です。チュクミよりナクチの方が大きいですし、旬も春ではなく秋です。
産卵期で卵を抱えている春がチュクミの旬で、甘辛く炒めても、煮ても、鍋やしゃぶしゃぶにしてもおいしい食材です。辛口に炒めたチュクミボックムは酒の肴に最適で、甘めの韓国焼酎とよく合います。韓国沿岸一帯に生息しているのですが、夏の「泥祭り」でも有名な韓国西部の忠清南(チュンチョンナム)道に位置する保寧(ポリョン)市の武昌浦(ムチャンポ)が産地として有名です。3月下旬から4月中旬には「神秘の海の道 イイダコ・メイタガレイ祭り」が毎年開催されています。ここ武昌浦の海水浴場は潮の満干により海割れが起こる場所でもあり、毎月2~6日・1日2回程度、神秘的な海の道を体験することができます。「海が割れるの」は珍島だけではないんです。
ソウル江南のセントラルシティバスターミナルから保寧総合バスターミナルまでは、午前6時から1時間おきにバスがあり、所要時間は2時間10分。保寧から武昌浦海水浴場まではさらに1時間半ほどなので、ソウルからの日帰り旅行もアリではないでしょうか。また4月中旬なら、武昌浦とは反対方向になりますが、保寧ダム周辺の約6km・2000本の桜並木もきっと見ごろを迎えていることでしょう。
「春はあけぼの」という言葉もあります。明け方に起きて身支度を整えて、ソウルの通勤ラッシュの雑踏を避けるように早くに出て、バスに揺られてのんびりと、海と山に囲まれた自然豊な保寧で、チュクミをつまみにお花見というのも、なかなか風流ではないでしょうか。
文/高野康夫(通信記者)
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