韓国旅行がもっと楽しくなる「キラリ! 名所」㊿ 丹陽ブルー ~忠清北道・丹陽郡
北の大地よりアニョハセヨ! 北海道は新緑の季節になり、本格的な観光シーズン到来です。「積丹ブルー」は海の青、「美瑛ブルー」は青い池と美瑛川、「摩周ブルー」は摩周湖と神の子池と、北海道には「〇〇ブルー」がありますが、忠清北道の丹陽(タニャン)郡でも「丹陽ブルー」を見つけたのでご紹介いたします。
忠清北道北東部に位置する丹陽は、江原道と慶尚北道に接し、絶景スポットが多い自然豊かな町です。ソウルからだと東ソウル総合バスターミナルから市外バスで丹陽を目指しますが、このバスの終点は、韓国一大きい寺として知られる韓国天台宗の総本山「救仁寺(クインサ)」ですので、そこから旅を始めることにしましょう。東ソウルターミナルから3時間、運賃は1万8千ウォンです(2019年5月5日現在)。小白(ソベク)山麓の谷間を利用した細長い境内の参道の突当りにそびえる「光明殿(クァンミョンジョン)の屋上へはエレベーターで上がれます。そこから眺める空は、天気が良ければまさに丹陽ブルーです。
次はバスで丹陽市外バスターミナルに向かい、バスを乗り継いで、約10分。丹陽一の風景を誇る「嶋潭三峰(トダムサムボン)」です。南漢江の青く澄んだ川面に浮かぶ3つの岩は、一幅の山水画のようにも見えます。傍らにある銅像は朝鮮王朝創成期の功臣・鄭道伝(チョン・ドジョン)で、ここからの景色を大層気に入り、自身の号として「三峰」と名乗ったほどです。朝鮮王朝の青写真を描いた忠臣だけあって、ここから見える丹陽ブルーを愛していたのでしょう。
嶋潭三峰を横目に見ながら「石門(ソンムン)」の看板に沿って、350段ほどの階段を上っていくと、自然の力でアーチ型になった石門と呼ばれる岩があり、その隙間からから見下ろせば、南漢江の青さが際立って見えます。
また市外バスターミナルに戻り、今度はターミナルに隣接する韓国内最大規模の淡水魚水族館「タヌリアクアリウム」の青い大型水槽で丹陽ブルーを楽しみ、映画のタイトルにもなったシュリ(ヤガタムギツク)など、愛くるしい韓国固有の魚たちに癒されましょう。
丹陽での食事はターミナル裏のクギョン市場内やその周辺にある飲食店で、特産品で5月から6月が旬のソガニ(コウライケツギョ)の辛い鍋や、にんにくを使った料理を食べるのがおススメです。丹陽ブルーを見て回るあまり、空腹で気分までブルーにならないようにお気をつけくださいね。
文/高野康夫(通信記者)
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