韓国旅行がもっと楽しくなる 「キラリ! 名所」 ㊴ すいかの名産地・咸安

2017年05月17日

初夏の雰囲気を感じる北の大地より、アニョハセヨ! 夏が近づくと共に、小学校の音楽の授業で歌った童謡「すいかの名産地」が思い出されます。ということで今回はすいかのお話です。

歴史を紐解くと、朝鮮時代の1611年に書かれた今でいうグルメ本「屠門大嚼(トムンデジャク)」に、高麗時代に開城(ケソン)で洪茶丘(ホン・タグ)という人が初めて植えたとの記述があり、これが韓国でのすいか事始めとなります。ちなみにこの本の著者である許筠(ホ・ギュン)は、その後の1618年に、かの有名な小説「洪吉童伝(ホンギルトンジョン)」を発表しています。洪茶丘と洪吉童が同じ洪氏なのは、おそらくただの偶然なのでしょうが、私の妻も洪氏で、すいかが好きなのですが、これは洪茶丘と何か関係あるのかも…。

韓国でのすいかの名産地は慶尚南道のほぼ中央部に位置する咸安(ハマン)郡で、1800年代に栽培が始まったとの記録があり、ハウス栽培される冬のすいかの約80%がここで生産されています。4月末頃にはすいか祭りが開催され、種無しすいかや黄色すいかの韓国初の商品化、すいか表面の色が濃く、糖度が高い黒すいかの生産など、韓国内でも注目を浴びるすいかの産地で、昨年にはすいか産業特区に指定されました。

そんな咸安は高句麗・百済・新羅の三国時代には、6つの王国の緩やかな連合体だったとされる「伽倻(カヤ)国」の一つ「阿羅(アラ)伽倻」の本拠地だったとされていて、咸安博物館では出土品などの展示物から伽倻文化を垣間見ることができます。

その他、池と緑の調和が美しい無盡亭(ムジンジョン)と舞沂蓮塘(ムギヨンダン)、田園風景と稜線に沈む夕日が美しい岳陽楼(アギャンル)など素敵な癒しスポットもあります。7月初旬から8月初旬にかけては、江洲(カンジュ)ひまわり祭りが開催されます。

最初に触れた童謡の歌詞はその後「素敵な所よ」と続きます。日本のすいかの名産地である熊本もそうですし、すいかの名産地はきっとどこも素敵な所なのです。ぜひ一度ご訪問を!

文/高野康夫(通信記者)

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