韓国旅行がもっと楽しくなる「キラリ! 名所」 ㊸ 朝鮮半島のカタチ~寧越郡~
平昌オリンピック・パラリンピックに日本代表選手を多く輩出している北の大地からアニョハセヨ! このコラムがお手元に届く頃には、朝鮮半島はオリンピックで盛り上がっていることでしょうね。
さて、山河に錦を施したように美しいという意味の「錦繍江山(クムスガンサン)」という言葉で説明される朝鮮半島は、韓国では「韓半島(ハンバンド)」と呼ばれているのですが、平昌のお隣の寧越(ヨンウォル)郡には、朝鮮半島をそのまま小さくしたような「韓半島地形」という川の流れで生まれた特徴的な地形の観光地があります。展望台から眺めると、韓半島地形をぐるりと囲むように蛇行する平昌川は海を、向かって左側は肥沃な湖南(ホナム)平野を彷彿させる、まさに朝鮮半島のミニチュア版のようで、一見の価値があります。
そんな寧越は人口約4万人の江原道の山間に位置し、ソウルからは高速バスでも鉄道でも2時間半ほどの距離で、北海道のほぼ中央部に位置する「写真の町」東川町と姉妹都市になっています。韓半島地形の他にも、朝鮮王朝6代王の端宗(タンジョン)の陵墓「荘陵(チャンヌン)」、新羅時代に建立され、仏舎利が奉安されている法興寺(ポプフンサ)、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際の戦乱から逃れるために高(コ)氏一族が隠れて生活していたと伝えられている鍾乳洞「高氏窟(コッシグル)」などの魅力的な観光地もあります。
観光地を見て回れば、お腹も減ります。寧越でのおすすめフードはまず「チッカルグクス」です。葛粉を混ぜ込んで作った麺料理で、歯触りがよく、消化にもよいです。他にも、チョウセンヤナギアザミという山菜を混ぜ、カルシウムなどの栄養が豊富なご飯「コンドゥレバプ」、東西を清流に挟まれている地形ということもあり、ますの刺身(ソンオフェ)、なまずの旨辛鍋(メギメウンタン)などのような川魚の料理も有名です。平昌のお隣ですからオリンピック観戦と絡めて、ぜひ訪問してみてください。
開催前から南北間の取り組みが注目されていた平昌オリンピック。平和の祭典と呼ばれるオリンピックを通して、近い未来に朝鮮半島が素晴らしい平和のカタチとなるよう祈りつつ、テレビの前で応援しようと思っています。仕事の関係で期間中には韓国現地に行けないことがちょっぴり残念ですが…。
文/高野康夫(通信記者)
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