「ビデオアートの父」を記念する空間 白南準記念館

2017年05月17日

백남준기념관

 

「ビデオアートの父」を記念する空間が誕生

白南準記念館

 

世界的な芸術家であり、ビデオアートの創始者であるナム・ジュン・パイク(白南準:ペク・ナムジュン/1932~2006)を記念し、その生涯や作品を紹介する「白南準記念館」が、3月10日、ソウル市鍾路区の昌信洞にオープンした。

ナム・ジュン・パイクは、ジョン・ケージやヨーゼフ・ボイスなどと共に芸術運動「フルクサス」に参加し、世界初のビデオアート作品を発表するなど、世界の美術の先頭に立った人物だ。ニューヨークとパリを結んだ衛星中継番組「グッドモーニング・ミスター・オーウェル」などのサテライトアートでもその名を知られている。

今回、記念館となったのは、パイクが1937年から1950年までの13年間、青少年期を過ごした家。鍾路区昌信洞は、都市再生の先導地域として指定されており、記念館の開館も都市再生事業の一環として地域住民が願い出て実現したものだ。

記念館の建物のリノベーションを担当したのは建築家のチェ・ウク氏。最近、ソウル市長の公館を漢陽都城博物館にリニューアルする設計を担当して好評を得ていたが、今回の白南準記念館においても、もとの韓屋の様式を最大限生かして新しい空間をつくりだしている。建築だけではなく、パイクに関する研究資料やパイクに関するオマージュ作品など、パイクを慕う人たちが彼を記念する空間をつくりあげている。

入口にはパイクの映像作品を上映するインスタレーションが設置され、「マダン」と呼ばれる中庭には、彼の代表作の一つである「多々益善」をモチーフにしたオブジェなどが展示されている。いずれもパイクの影響を受けた作家キム・サンドン氏の作品だ。

建物の中は、パイクの生涯をまとめたパネルと彼の年代別の作品などを紹介するインタラクティブなインスタレーション作品が展示されている。パネルには、パイクの作品活動とその思想がまとめられているが、韓国の文化、そして青少年時代を過ごした昌信洞から多くのインスピレーションを得ていることに驚かされる。パイクは晩年までこの家に帰りたいと話していたという。

パイク自身の作品はないが、パイクに関心を持つ人はもちろん、パイクを知らない人にも彼がどういう人でどういう業績を残したのかを知る有意義な空間といえるだろう。記念館を観覧してから京畿道果川市にある国立現代美術館や龍仁市にある白南準アートセンターを訪ねて彼の作品に触れてみるのもよいだろう。

 

Information

地下鉄1号線東大門駅3番出口から出て直進。BYCというアンダーウェアの店のある路地に入り、三叉路で右折。15mほど左前の韓屋。
観覧時間:火~日 10~18時(毎週月曜日、1月1日休館)
ドーセント(観覧案内)運営:1時、3時から(韓国語)
入場料:無料

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