ノンバーバル・パフォーマンス 「ファイヤーマン」

2017年07月12日

消防士のアクションと笑いで 暑さをふきとばそう!

 

 韓国旅行で出会う代表エンターテイメントジャンルであるノンバーバル・パフォーマンス系に新たな作品が登場した。タイトルは「ファイヤーマン」。消防士を主人公にアクロバットと、道具などを使わずに都会の建物を移動するエクストリームスポーツ「パルクール(Parkour)」を結合したノンバーバル・パフォーマンスだ。消防士のキレのあるアクションとパフォーマンス、そして爆笑のエピソードは、今までの韓国のノンバーバル・パフォーマンスとはまた違った楽しみを与えてくれる。

文/李相直記者

 

공연_파이어맨_메인

 

火災などの緊急状況が発生した場合、私たちは、まず最初に思い浮かべるのが消防士。助けを求めれば、すぐに駆けつけて命を救ってくれるヒーローだ。責任感と犠牲の精神を持って、炎と戦ってくれるということに敬意を表さずにはいられないが、消防士を身近な存在として感じるのは容易ではない。ノンバーバル・パフォーマンス「ファイヤーマン」は、愉快な消防士の姿によって親近感を誘発すると同時に、大きな笑いをプレゼントする異色な作品だ。

作品は最前線で人命を救う消防士の姿をアクロバットとパルクールを通じて見せるノンバーバル・パフォーマンスミュージカルだ。消防士になるために集まった訓練生が極限の事故現場で黙々と任務を果たし、堂々とした姿に成長していく物語を盛り込んだ。道具を一切使わずに、身体一つで建物や壁、橋などの地形を通過するパルクールを利用して、消防士のパワフルで華麗なイメージを披露し、観客は至近距離から舞台上のファイヤーマンのアクションを目の当たりにして、思わず口がぽかんと開いてしまうアクション満載の舞台だ。

 

공연_파이어맨_서브01

 

腕に「警備班長」の腕章を付けた警備員が登場して、気の利いた動作を披露して公演の始まりを告げる。トランポリンをしながら舞台に現れた教官が訓練生たちの番号を呼ぶと、客席を横切って俳優たちが一人ずつ登場する。6人の訓練生は皆、強い個性の持ち主だ。行動と表情だけで特徴を伝えた後、すぐに訓練に入る。派手なパフォーマンスと共に、体力鍛錬、化生放訓練、消火装備使用訓練などを見せて視線を集める。

一通りショーが終わった後、心肺蘇生法を学ぶコーナーも異色だ。客席の照明をつけて、心肺蘇生法の重要性を説明する。外国人観光客も心肺蘇生法を正しく学ぶことができる。写真でやり方を説明した大きな紙に日本語を含む4ヵ国語で表記しており、俳優が一人ずつ実際に見せてくれるので、有用な情報まで習得していくことができるわけだ。

この時は観客も参加できる時間だ。人工呼吸をする順序になると、ファイヤーマンが観客を舞台に呼ぶ。高い競争率を勝ち抜いて舞台に上がった観客の一人が人工呼吸の実演に参加することになる。俳優がちょっと意地悪をして観客を困らせるが、「ファイヤーマン」とのより深い思い出をつくりたいなら、ちょっと恥ずかしいのを覚悟して舞台に上がってみよう。

 

공연_파이어맨_서브02

 

観客との楽しい時間もつかの間。舞台上のセットが回りながら、赤い光とけたたましいサイレンの音が劇場に鳴り響くと、訓練生は現場に出動する。バルコニーの手すりを利用して2階に昇り、孤立した市民をジャンプして脱出させ、壁を壊して人々を救出する。華麗なパルクールアクションで観覧客たちの拍手は止むことを知らない。

放火の犯人を推理する楽しみも隠されている。火が出た場所で同じ人物が繰り返して登場するが、「ファイヤーマン」ならではのどんでん返しが待っているので、劇の終盤まで舞台に上がった人物を注意して見てみよう。

ノンバーバル・パフォーマンスなだけに、公演のほとんどの場面において台詞は存在しない。若干の合いの手や答えが必要な状況を除いては、言語が一切使われない。すでに「ジャンプ」や「ナンタ」などの韓国のノンバーバル・パフォーマンスを観覧した人にはおなじみだが、初めてノンバーバル・パフォーマンスを見る人なら戸惑うかも知れない。もちろん、パフォーマンス、音楽、小道具で状況を有効に伝達し、台詞はなくともストーリーを理解するために何の問題もないため、ノンバーバル・パフォーマンス初心者でも安心できる。

消防士が主人公の作品ということで期待していた舞台で火を消す派手な特殊効果やシーンがない点は惜しい部分だ。しかし、消防士としての訓練を受ける過程、火災現場で人々を救出するアクションなどは素晴らく、その物足りなさを相殺して余りある。特に、劇終盤の5分間は、舞台から目を離すことができない劇的な舞台が待っており、期待のレベルを上げておいてもよい。

 

공연_파이어맨_서브03

 

2015年8月の初演以来、口コミで人気になった「ファイヤーマン」は、韓国内でもその作品性を高く評価されている。2016年大韓民国韓流大賞の大衆文化ミュージカル部門で大賞を受賞したのに続き、韓国観光公社で実施した公演観光新規コンテンツに選ばれるなど、韓流の代表文化コンテンツとして位置づけられており、既存の韓国型コンテンツの強みであるノンバーバルと韓国の独特の特色を組み合わせた新しい公演コンテンツとして評価されている。

공연_파이어맨_포스터 「ファイヤーマン」の製作会社シアターオーのキム・ミンソプ代表は「『ファイヤーマン』は、映画の中の想像のヒーローではなく、私たちを常に黙々と見守ってくれている実際の英雄消防の話を、言語の壁なく、誰でも簡単に理解して共感できるノンバーバル・パフォーマンスとして製作して大衆に近づこうとした作品です。今よりもっと体系的に完成度を高め、国内だけでなく海外でも活発に活動し、ドラマと大衆音楽が中心の韓流文化において、舞台芸術分野で発展させることができるよう、さらに努力したい」とさらに華やかとなるノンバーバルパフォーマンス「ファイヤーマン」を予告した。

公演は貞洞セシル劇場(地下鉄1号線市庁駅3番出口徒歩3分)にてオープンランで上演中で、入場料は全席4万ウォン。

| http://fire-man.co.kr

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