韓国伝統料理研究所の外国人料理体験

2011年03月08日

食べるだけじゃ物足りない!作って味わう韓料理

 

グルメ大国、韓国。韓国には今やおいしい料理を食べるという目的で来る日本人の観光客もいるくらいだ。実際に韓国に行ってみると、私たちが知らない料理がまだまだあり、新しい味に触れるたびにそのおいしさに感動してしまう。そんな韓国料理をただ食べるだけでなく、実際に作れるところがある。韓国伝統料理研究所では韓国伝統の韓服を着て韓国料理を習い、お餅の博物館まで見学できるスペシャルな体験が楽しめる。

 

グロバルでしいクッキングタイム 

韓国料理の体験ができると聞いてやってきたのが韓国伝統料理研究所。ここでは外国人が参加できる特別な体験コースが行われている。この日はベトナム、中国、香港からの受講者が参加して行われた。まずは伝統の韓服に着替え、料理の説明を聞く。この日作ったのは外国人にも人気の伝統料理ビビンバとキムチジョン(キムチチヂミ)だ。まずは先生が作り方を説明しながら実践する。気になる言葉の心配も全て英語で説明してくれるので安心だ。日本人が体験を受けるときは日本語で説明をしてくれる。まずは材料の説明から初めていく。国によって食べたことのない材料もあったり、初めて聞く名前に皆が興味津々だ。先生は「中国ではこの材料を何と言うの?ベトナムでは食べる?」など楽しく会話をしながら進めていく。メニューの歴史や文化、料理の要点を説明しながらどんどんと手際よく料理が作られていく。先生が材料を切っている手元や調味料を合わせたり、フライパンで焼いたりしている様子は後ろの席の人にも良く見えるように、前にあるテレビ画面に写し出される。ビビンバの上にのせる材料は炒めて味付けをするのかと思いきや、全て下味をつけてから炒める。講座に参加するからこそわかる料理のポイントだ。盛りつけたときに美しく仕上がるように、材料の野菜も綺麗に手入れをして同じ大きさに切っていく。韓国の食堂などで食べるビビンバはコチュジャンをそのまま入れて食べるが、ここではコチュジャンにいろんな薬味や材料を入れて、ごま油で炒めるため手が込んでいる。キムチジョンは小麦粉に水を入れて生地を作り、そこに刻んだキムチを入れるだけ。他の調味料や材料は一切入らない。更に小麦粉の生地にキムチの汁も一緒に入れるとおいしいという。食べやすいように小さな丸の形に焼いていくが、香ばしいにおいに我慢できず、焼きあがったものをつまみ食いする人もいる。料理に慣れてない人、得意な人などお国柄も出てそれだけ見ていても楽しい。ああでもない、こうでもない、うまくできたなど会話をしながら皆で楽しく調理は進行していく。出来上がったものを美しく盛り付けて、みんなで試食タイム。まずは2グループに分かれた料理の出来を見て先生がジャッジを下す。大きさがバラバラで少しこげたキムチジョンや、見本とは違うおおざっぱな盛り付けに「オリジナルね!」とナイスな先生のほめ言葉をもらい、試食スタート。事前に準備してあった、ほうれん草の味噌汁と海苔も食卓に上がって楽しく会話しながらビビンバとキムチジョンを戴いた。ビビンバはやはり手作りのコチュジャンソースが決めてといえる。韓国の食堂では食べたことの無い味付けだ。キムチジョンはキムチだけの味付けとは思えないおいしさで、キムチの酸味のせいか、油で焼いているのにさっぱりと食べられる。自分たちで作ったからおいしさも更に増すようだ。先生から「美しい韓国料理ベスト12」という料理本をプレゼントしてもらい、最後にみんなで記念撮影。韓国で韓国料理を習うという貴重な体験は楽しくておいしい思い出が残る体験だった。 料理の講座はこの他にも餅作り、キムチ作り、宮廷料理作りなどがある。講座費用は70,000ウォン。

서브01-체험요리

▲ビビンバとキムチジョン。 出来上がったものを美しく盛り付け試食もできる。

 

文化と50種類のの展示館

韓国伝統料理研究所は10階建ての建物で1階はお餅のカフェ、2、3階はお餅の博物館となっている。韓国の餅は青銅器時代から始まったものと考えられており、三国及び統一新羅時代に入り、米以外の穀物を利用した餅も多様になった。高麗時代に入って餅が非常に発達して上流層だけでなく、一般に至るまで広く普及し、朝鮮時代には餅が日常生活だけでなく、婚礼、喪礼、祭礼などの各種儀礼行事に必須的な食べ物として定着するようになった。20分ほどの観覧コースはただ見て回るだけでなく日本語で説明をしてくれるのでわかりやすく展示物を見て回ることができる。トック博物館では全国8道の郷土トック50種類をはじめとして、調理過程に必要な調理器具などを展示している。またトックに良く合う伝統茶と伝統民族酒なども紹介している。またスプーンや箸を始めとして、20年前に使っていた台所の道具も展示している。韓国の様々な行事に登場するトック。子供の1歳の誕生日の膳や、祭事などの時にお供えされる膳の形態なども紹介されており、韓国の風習や文化なども良くわかるように展示されている。韓国のお店で売られている餅は小さなものは日本の和菓子のように装飾されていて美しい。祝いの時に作る大きな餅はまるでケーキのようで、色もとても綺麗だ。韓国の餅は日本の餅のように汁に入れて食べる甘くないものと、お菓子として食べる少し甘いものとがあるが、日本の餅に比べると甘さはかなり控えめといえる。またもち米でなくうるち米を使っているため、日本の餅のように粘りが無く弾力のある食感だ。突いて作る餅もあるが、米の粉を蒸して作る餅もあり、これは餅というよりパンやケーキのような食感で軽くてとても食べやすい。その他油で焼いた餅や、茹でて作る餅など種類も多様。最近ではイチゴが入ったものや、りんごの味のものなどフルーツを使った新しい種類も出て、更にいろんな餅を楽しめるようになった。1階のカフェで餅の販売も行っているので伝統茶と一緒に是非試してもらいたい。

서브02-떡박물관

▲2~3階にあるトック博物館。 全国の郷土トック50種類をはじめとして、調理過程に必要な

調理器具なども展示されている。

서브03-전시물

▲ 韓国の風習や文化なども良くわかるように展示されている。写真は子供の1歳の誕生日を祝う盛り付け。

 

 INFO

地下鉄1・3・5線「鍾路3街(チョンロサンガ)」駅7番出口から徒歩5分。トック博物館は平日(月~土)は10時から17時、日曜日は12時から17時まで。観覧料一般3,000ウォン。☞http://www.kfr.or.kr/(日本語)☎お問い合わせ:02-741-5411                                   

          

 

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