<ソウル特別企画>ソウルの中心で文化の香りを探す

2011年03月09日

<ソウル特別企画>

今までと少し違った韓旅行のしみ方

ソウルの中心で文化の香りを探す

 

韓国ブームもすでに定着してきた昨今、ソウルを訪れるリピータが大幅に増加している。ショッピング、食べ歩き、ロケ地めぐりなどソウルの楽しみ方は人それぞれ多種多様だが、たまには立ち止まり古(いにしえ)に思いをはせ、ソウルの街をめぐりながら韓国文化に触れてみるのも興味深いソウルの楽しみ方となる。ソウルに来ると身近に歩いている通りも、歴史が刻まれたパワースポットだったなど、知れば知るほど興味深い街、ソウル。いつもと違うソウルの顔に迫ってみる。

文/大成直子

 

朝からもっと元になる、パワスポットへと出

今日の旅のスタートは、明洞から市庁方面の地下街「小公(ソゴン)地下道商街」を通り、「円丘壇(ウォングダン)」前の地下道出口までの朝の散歩から始めてみる。「円丘壇」は、韓国観光名誉広報大使である風水師・李家幽竹さんが勧めるパワースポットの中の一つで、願い事を叶える力を授けてくれる願掛けスポットだ。

「円丘壇」は、その昔、祭司が豊作を願い天に向けて祭祀を行なっていた祭天壇であり、後世になり高宗(コジョン:朝鮮王朝第26代国王)の皇帝即位式の祭祀執行のため造成され、その後3層8閣の皇穹宇(ファングンウ)が建立された朝鮮後期の建築様式が今なお残る場所である。「円丘壇」という名前には「丸い基壇」という意味があり、古代の時代に地神(地の神)に向けて儀式を行なう時は四角の基壇を積み、天神(天の神)に向けて儀式を行なう時は丸い基壇を積んでいた事に由来される。「円丘壇」は、古代より祭祀を行っていた場所であり、現在は周りに高層ビルが立ち並ぶ中でも、静寂な空間として佇むパワースポットだ。

朝の光を浴びた「円丘壇」を目の当たりにすると、どことなく気持ちがすっきりと落ち着いてくるような感じを受ける。たくさんの良いパワーを感じ、一日をはじめるには最適の場所ではないだろうか。たくさんのパワーを享受した後、皇穹宇の周りを囲む手すりや門の前の階段上に鎮座しているユニークな顔をした獬豸(ヘテ)という想像上の動物(非・善悪をわきまえるという神獣)である「ヘチ像」の顔を見て回る。すると、それぞれ異なった表情を見つけることができ、楽しみが増す。

「円丘壇」は、地下鉄「市庁」駅を出てすぐのところにあるため、旅行者も一度はその前を通ったことがある場所かと思うが、意外に「円丘壇」の存在を知る人は少ない。ウェスティン朝鮮ホテルの敷地内にあるためだ。「円丘壇」へ向かうには、大門は閉鎖されているので脇の道を入り、ウェスティン朝鮮ホテルへの階段を上がっていく。文化財保存のため、21時から朝7時までは閉鎖されているが、「円丘壇」の周囲にはいつでも入ることができる。

 

ヘチ像を探すとソウルの文化が見えてくる  

円丘壇を後にして10分ほど歩くと、ソウルの憩いの場所である「清渓川」に到着する。清渓広場には巻き貝のような「スプリング」というモニュメント、清渓川インフォメーションがあり、中国圏の団体観光客や日本人観光客など多くの人が散策している観光名所。今の「清渓川」はたくさんの人たちが遊びに訪れ、夜はライトアップされるとてもロマンチックな場所になっているが、以前には生活排水による汚濁などの問題によって川を暗渠化し、その上に高速道路が建設されていたものを、現在の大統領である李明博氏がソウル市長だった際に、高速道路を撤去し、埋められていた川を復活させ、現在の「清渓川」へと大きく変貌を遂げたものだ。清渓川にかかる橋も復元工事の際に建設されたものなのでまだ新しく美しいが、やはりここでも「ヘチ像」が鎮座している。「清渓川」に行ったら、是非川辺まで降りて水の流れる音を聞きながら、川の両側にある石壁の様々な作品を眺めたていただきたい。

「清渓広場」とソウル最大級の本屋である「教保文庫」の間には「高宗即位40年称慶記念碑」があるが、現在は柵越しに見るだけとなっている。ここにもやはり「ヘチ像」が四方を守っている。「高宗即位40年称慶記念碑」を見終わったところで、昨年大きくリニューアルが行われた教保文庫に入り、ソウルの本屋を垣間見て、時間が許せばトイレ休憩をしてみるとちょっと面白い光景に出会えるかもしれない。

「教保文庫」から地下道を通り、光化場広場に抜けるとソウル市キャラクター「ヘチ」のキャラクターショップもあるヘチ広場へとつながる。そのまま地上に上がると、光化門広場へと出る。 夏には、噴水がとても美しく、多くのソウル市民が昼夜問わず集う広場。ハングルを作った世宗大王像が2009年に完成し、また光化門広場は大規模なロケが行われたドラマ「IRIS」のロケ地としても有名になり、多くの観光客が訪れる場所にもなっている。

光化門広場を端まで歩くと、昨年改修が完了した「光化門」へとたどり着く。「光化門」の左右にはこれまで見たものとは比べ物にならないほどの大きくて立派な「ヘチ像」が鎮座していた。

「円丘壇」からずっと様々な場所に鎮座している「ヘチ像」とは何か。「ヘチ」とは、善悪を見極める能力を持っている空想の動物であり、頭に一本の角があり、首から鈴を下げ、体全体がうろこで覆われライオンのような姿をしている。「正義を守り、火災や災難を追い払う動物」と考えられ、新羅時代には官服の模様として施され、朝鮮時代には宮廷の所々に「へチ」の彫刻像が建てられていたそうだ。昔、偉い人が正しい判断を下すことが出来ずに困っていると、神様は「ヘチ」を送り物事の善悪を判断する手助けをしたと伝えられている存在。このため、公明正大な政事を祈り、花崗岩で作られた「ヘチ像」は宮殿の様々なところに置かれるようになり、また「ヘチ」は安全を守ると言われ、景福宮を火災から守るため、光化門の前には「ヘチ像」が立てられている。広い意味では、「ヘチ」を通してソウルを守るという意味が込められているのだ。このことから、現在ソウル市のインフォメーションなどをはじめ観光施設にいるキャラクター「ヘチ」は、光化門に鎮座する「ヘチ像」をモデルにしたそうだ。

左右に「ヘチ像」を配した「光化門」では、暑い酷暑日でも、寒い極寒日でも、常に伝統衣装を身にまとった門番が光化門を警護している。個人的な見解では、ソウル随一の観光地でもあり伝統衣装を身にまとったソウルの顔となる門番たちは、背が高く強靭な選りすぐられた韓国男性が多いような気がする。門番たちは一糸乱れず一言も発することなく光化門を警護しているが、観光要素も強いことから、記念写真をお願いすると気軽に写真撮影にも応じてくれる。基本的に門番は言葉を発しないものの、衣装についての質問や文化について尋ねると応えてくれるため、明洞などでは韓国語を必要とせず残念に思っている方は是非ここで韓国語を使用し、韓国文化に触れてみるのも面白い経験になるのではないかと思う。門番が警護する光化門を通り抜けると、改修工事中は殺風景だった場所も改修が完了した現在では趣のある古の風景を見ることができる。以前に訪れたことがある「景福宮」には今回時間の都合上入場しなかったが、内部にはもっと多くの「ヘチ像」を見ることができるはず。「ヘチ像」探しは、楽しみながら韓国文化に触れるきっかけにしてみるもの楽しい。

「景福宮」に隣接している「国立古宮博物館」も見る価値が十分だ。「国立古宮博物館」というだけあり、古の韓国文化を堪能できる立派な博物館だ。時代ドラマファンなら、まるでドラマのセットのような展示物が多いため、興味深く鑑賞することができるだろう。伝統衣装はもとより玉座、王印、王の執務室、王妃の部屋、蝶番が蝶の形をしたかわいい韓国伝統家具など、ひいては宗廟の中や古墳のレプリカまで展示されている。博物館に併設したミュージアムショップには、韓国伝統工芸品や現代風にアレンジされた工芸品などステキな商品がラインナップされている。また、ミュージアムショップの横には、ミュージアムカフェ「古宮トゥラク・カフェ」が併設され、韓国の伝統茶を飲むことができる。こんな場所にこんなステキなカフェがあったのかと思える隠れ家的caféだ。季節のいい時に、テラスで伝統茶を飲み、安らぎたくなる。 現在は無料で入場することができる。

光化門広場の近くにある世宗文化会館の地下1Fには大規模レストラン街「光化門アティ」や地下2F「忠武公物語(チュンムゴンイヤギ)」なども新しくオープンしている。もっとゆっくり時間をかけて散策したい人には覚えておきたいスポットだ。

今回訪れたエリアは、近年どんどん整備が進んでいるため、古い歴史的なものが残されたエリアだが常に新しい表情を見せる場所。慌ただしいソウル旅行中の少しの時間で、また違ったソウルを感じ、韓国文化に触れることにより、歴史的な街、ソウルのまた違った表情を発見していただきたい。

 

서브01-청계광장

▲ライトアップされた清渓川広場

서브02-해치상

▲光化門に置かれている立派な「ヘチ像」

서브03-광화문위병

▲伝統衣装を身にまとった光化門の門番 記念写真にも応じてくれる

서브04-해치기념품

▲ヘチ広場ではソウル市キャラクター「ヘチ」のグッズも販売している

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