Yuckyの大邱10味紀行 ⑥ ムンティギ

2015年04月06日

ムンティギ 大邱10味紀行、今回は「ムンティギ(뭉티기)」をご紹介したいと思います。

ムンティギとは、一言でいうと牛のお刺身のことで、韓国らしくニンニクと粉唐辛子の入ったゴマ油をつけていただきます。「ムントンムントン(뭉텅뭉텅、日本語ではサクサク)と切った肉の塊」という意味の言葉が、慶尚道の訛りで「ムンティギ」になったそうで、その名の通り、刺身というより「ブツ切りのお肉」といった方がピッタリかもしれません。

大邱でムンティギが登場したのは1950年代のことで、大邱駅の南にある香村洞(ヒャンチョンドン)で食べられるようになりました。そして徐々に人気をよび、今では大邱のあちこちに専門店ができています。私は東城路にあるソンハックイ(송학구이)という大型店に行きましたが、知る人ぞ知るディープな専門店もあるようです。(まだ行けてないので興味津々!)  お肉を生で食べるのですから、お肉の質や鮮度の良さが重要なのはいうまでもありません。まず、使用されるお肉は「純粋な韓牛」に限られます。部位としては、後ろ足の太ももの内側部分、チョッチゲ(처지개)と呼ばれるスジ肉の一種で、一頭の牛から4キロほどしかとれません。供給量が限られるため、お店によっては、仕入れのない週末には売り切れだったり、予約しないと食べられなかったりするので、小さなお店では予約は必須のようですね。

ちなみにユッケも同じ部位になりますが、細かく刻んだユッケと違い、ムンティギは親指大、いやマッチ箱大にカットされ、血のしたたるような真っ赤な色をしています。そんな生肉をワシワシ食べるなんて、大邱の人ってなんて豪快なんでしょう!

初めて食べに行った時、牡丹の花のように真っ赤な肉片がドーンと盛られてきて「これを全部生で?」と一瞬たじろぐほどでしたが、口に入れると意外にアッサリ! 脂や筋がないのでとても柔らかく、お肉というよりマグロのお刺身のような食感でした。お肉の臭みもほとんどなく、肉本来の旨味がジワ~~っと口の中にひろがります。

お値段は大皿のムンティギにいろいろなパンチャンがついて3万ウォン前後。女性なら4~5人でも充分足りると思います。パンチャンにはレバーやセンマイ、珍しいところで脊髄(등골)なども出てきます。また、お肉と共にキャベツを出すお店があるのですが、これは生肉の特性上、消化に負担がかかるので、消化を促進させる役割を果たすのだそうです。

先日、ムンティギの美味しいお店を探すべくネット検索しているうちに、同じような写真を何枚も見かけました。それはムンティギの載ったお皿を縦にしたり、逆さにしたり。驚いたことに、ひきたてのお肉は、縦でも逆さでもお皿にビッタリはりついたまま、落ちないのです。その写真は、「こんなにもお肉が新鮮!」ってことをアピールするものであり、韓国のブロガーさんの間では、ムンティギのお決まりのショットというわけです。私も逆さまのお皿を撮ってみたいなぁ。でも、もし落ちたら食べられなくなるからなぁ。(笑)

残念ながら日本では規制が厳しくなり、生のお肉がなかなか食べられなくなってしまいました。でも、大邱なら「新鮮」な「肉厚」の韓牛を「生」で味わうことができるのです。肉好きにはたまらない一品かもしれません。大邱に行ったらぜひムンティギにチャレンジしてみてください。(ただし、「お店選びは慎重に!」と付け加えておきますネ)

 

Yuckyは…

韓国旅行を愛する福岡在住の主婦。現在、大邱市を中心に韓国旅行の魅力をブログ(yukiful.exblog.jp)を通して紹介しており、2013年5月から大邱市の名誉広報委員として活動中。

Pocket

関連する記事はこちら

おいしいものはビビンバだけじゃない! テイクアウトおやつの天国「全州」グルメ紀行

おいしいものはビビンバだけじゃない! テイクアウトおやつの天国「全州」グルメ紀行 韓国の人たちに「料理のおいしい地域は?」と聞くと、そのほとんどが「全羅道」と答えるほど、自他共に認める食の町、全羅道。日本人も韓国料理と聞くとまず思い浮かべる「ビビンバ」もここ、全羅北道にある「全州…続きを読む

d91e99359df9f3f0959fbaef83592cf0-150x150

Yuckyの大邱10味紀行 ② チムカルビ

Yuckyの大邱10味紀行 ② チムカルビ  大邱の代表的なお料理といえば、何といってもチムカルビ、大邱10味の代表格です。   チムカルビのチム(찜)とは「蒸す」の意味で、牛のカルビを柔らかく蒸して味付けしたお料理です。似たような名前で「カルビチム」がありますが、これはナツメや…続きを読む

ヌルンククス

Yuckyの大邱10味紀行 ⑤ ヌルンククス

以前ご紹介したぺちゃんこ餃子と並び、市場でよく食べられているもう一つのグルメに「うどん」があります。韓国ではうどんのことをカルグクス(カル=切る、ククス=麺)と呼ぶのが一般的ですが、大邱では「ヌルンククス」と呼ばれています。生地を押して(ヌルン)作ることからその名がついたようです…続きを読む

タロクッパ

Yuckyの大邱10味紀行 ④ タロクッパ

大邱10味紀行、今回ご紹介するのはタロクッパです。クッがお汁でパはご飯、いわゆる「おじや」。 実は、大邱10味の中で一番興味のなかったお料理です。だって、クッパは釜山で何度も食べたし、クッパの本場は釜山でしょ? と勝手に思い込んでいたのです。 ところがどっこい釜山のクッパと大邱の…続きを読む

ノンメギメウンタン

Yuckyの大邱10味紀行 ⑦ ノンメギメウンタン

今回ご紹介するのは、ノンメギメウンタンです。ノンは田んぼ、メギはナマズ、メウンタンは辛いスープのことで、「田ナマズのピリ辛鍋」といったところでしょうか。自然豊かな大邱ならではのグルメの一つです。 さて、このナマズ鍋、大邱10味に選ばれてはいるのですが、大邱に住む私の友人(20~4…続きを読む

메인01_통인시장

見て、買って、味見して、ソウル伝統市場散歩

   世界の多くの国を巡る旅行マニアが欠かさず訪問する場所のうちの一つが「伝統市場(在来市場)」だ。都心の有名百貨店やショッピングモールなどと違い、昔の雰囲気が残っていて、粗悪なものが懐かしく感じられ、その物を売り買い人の体臭に人情を感じる。その上、それぞれの物が秘めて…続きを読む

中華冷-02

Yuckyのうまうま大邱! ⑮ 中和飯店の中華式冷麺

 夏といえば冷麺! 暑さの厳しい大邱に、冷麺は欠かせません。大邱三大冷麺(大洞麺屋、釜山安麺屋、江山麺屋)をはじめ、冷麺の美味しいお店はいくつもあるのですが、その中で大邱のリピーター(私の友人、知人たち)の間で大人気の冷麺があります。今回は一度食べると病みつきになる大邱の中国式冷…続きを読む

납작만두

Yuckyのうまうま大邱! ⑰ ぺたんこ餃子の原点、ミソンダン本店

 大邱の名物といえば、ぺたんこ餃子(ナプチャッマンドゥ)。以前「大邱10味紀行」でもご紹介しましたが、春雨とニラがほんの少し入った平べったい餃子で、大邱を代表するB級グルメです。大邱ではとてもポピュラーな食べ物で、スーパーや市場で普通に売られており、粉食屋さんやトッポッキ屋さんに…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02