おいしいものはビビンバだけじゃない! テイクアウトおやつの天国「全州」グルメ紀行

2015年09月25日

おいしいものはビビンバだけじゃない!
テイクアウトおやつの天国「全州」グルメ紀行

韓国の人たちに「料理のおいしい地域は?」と聞くと、そのほとんどが「全羅道」と答えるほど、自他共に認める食の町、全羅道。日本人も韓国料理と聞くとまず思い浮かべる「ビビンバ」もここ、全羅北道にある「全州(チョンジュ)」の名物料理として知られており、韓国グルメを代表的する地域だ。そんな全州は、最近韓国の中で一番ホットな「道端料理(キルコリウムシク)」のメッカとして人気を集めている。町を行きかう人たちは、自由気ままに「テイクアウト」した料理を食べながら、伝統的な韓屋を練り歩く。目も口も楽しい全州を早速歩いてみよう。
文/大成直子記者

文/大成直子記者

 

 

 

 

 

 

 

まずは名物の串焼きから

ソウルの龍山駅からKTX(高速鉄道)に乗って1時間半。全州駅から市内バスに乗り換えてから約30分で到着した全州韓屋村は、ソウルではなかなか見ることができない700棟あまりの韓屋が集まっている韓国を代表する伝統的な都市。そんな町を、どこから見て回ろうかと悩むよりも、「どうすれば有名な道端料理を効率的に制覇できるか?」と悩みつつ、人たちがたくさん歩いていく方向へと向かう。
ここ全州韓屋村の建物のほとんどが韓屋なため、おしゃれなカフェや食堂だけではなく、テイクアウト専門料理店もおしゃれで、なんともレトロな雰囲気が感じられる。
そんな中で、行列を嫌う韓国人がずらり並ぶお店を発見。「たこ串店」では、ぶつ切りのたこの足が長い串に刺してあり、注文を受けてから、一串づつ焼いてくれる店だ。たこに焼き目が付き、十分に温まった上に、かつおぶしとソースをかけて食べる。これはまさに衣がない「本当のたこ焼き」といえる。噛み応えのあり、弾力のある大ぶりなたこに、たっぷりのかつおぶしとソースの味が絡まって、後を引く味だ。1串4千ウォン。
次はたこ焼きから焼き鳥へ移動。歩行者天国となっているため、こちらも道路をふさぐほどの行列となっている。ジャンボ焼き鳥(タッコチ)とは、一口大の鶏肉を長い串でさし炭火で焼いたもので、マイルド味、スパイシー味の中から選んで食べる。そう聞くと、「日本の焼き鳥と大きさが違うだけ」と思うかもしれない。しかし、このジャンボ焼き鳥の上には、とろけるチーズがたっぷりとかけられていて、「マイルド味」を選択しても少しピリッとする刺激と共に、まろやかなチーズのせいで、中毒性のある味となっている。炭火で焼いてあり、下味がつけられた鶏肉はパサパサしておらずジューシーだ。その上にここ全州の隣町である任実(イムシル)で作られた新鮮なチーズがたっぷり乗っており、口に入れると長く伸びて、よりおいしく感じる。1串4千ウォン。
その次は、ここ全州の名物料理「トッカルビ」の串刺し版である「チーズワンジャ・コチ」。ワンジャとは、肉団子のことで、このワンジャ・コチは粗めに刻んだカルビをミンチにして一口サイズの大きさにまとめた肉団子として焼いたもの。これをまた串刺しにし、カルビの甘めのソースがかかった弾力のある肉団子の上には、また任実製チーズがたっぷり。とろりと伸びるチーズと、甘い肉団子が絶妙な味を作り出す。肉団子にチーズと聞くと少しくどくなるかもという心配はご無用。チーズの上にはぴりりと辛いみじん切りの青い唐辛子が載っているため、胸焼けなく少しパンチの効いた濃厚な味が楽しめる。辛いのが苦手な人には、もちろん唐辛子を抜くことも可能だ。1串4千ウォン。

 

チョイスできるお楽しみフルーツビール
ぴりっと辛い串焼きを食べていると、のどが渇いてくるもの当然だ。おいしい串焼きと共に楽しみたいのが「フルーツビール」。クリーミーな泡が特徴のこのビールは、グレープフルーツ、りんご、レモン、ブルーベリーなど、様々な果物味が準備されていて、串焼きの店などでセットで販売されているところが多い。テイクアウトの飲み物なため、アルコール度数は一般のビールよりも弱めだが、おつまみとなる串焼きの味と一緒に楽しめば、最高のコンビネーションとなるしかない。その他、ビールを凍らせてつくるアイススラッシュビールや、グレープフルーツ風味のビールの上に輪切りの生グレープフルーツが載った生グレープフルーツビールなど、普段では見ることができない各種カクテルビールも楽しんでみたい。1杯4千ウォン~。

 

 

チーズやチョコたっぷりの「幸せスィーツ」
全州韓屋村では先ほど紹介した串焼き料理だけでなく、多くの店で「任実チーズ使用」という看板をよく見かける。
車で30分もかからない隣町、全羅北道の任実郡は1967年にベルギー人の神父によって、韓国で初めてチーズが作られたところで、チーズのテーマパークもあるほどだ。
そんな韓国チーズの代表といえる任実チーズを、自信を持って使用しているのがここ全州韓屋村だ。その任実チーズの魅力をたっぷりと楽しめるところが「チーズ名家(チーズミョンガ)」だ。入り口ではチーズアイスクリーム、中では手作りリコタチーズなどの試食が楽しめることから、道を行きかう人たちがついつい、店の中へと足を進めてしまう。スーパーで販売されているチーズとは違った、まろやかでやさしい味のチーズが楽しめ、数種類の任実チーズのショッピングもできる。しかし、ここの一番人気は目の前で焼いて食べられる「焼きチーズ」だ。一口大にスライスしたチーズを鉄板で色よく焼き、その上に薄切りナッツ、粉チーズ、ハーブ、蜂蜜をトッピング。チーズの香ばしさにナッツの歯ざわり、そして甘い蜂蜜が、チーズ好きにはたまらない風味となる。1皿3500ウォン。
また、焼きチーズに負けない人気メニューの「チーズパン」は、店内で作られており、プレーン、マンゴー、イチゴの3つの味で楽しめる。焼きたてはもちろん、冷たくなっても、もちもちとした食感と、中にたっぷりとつめられたフルーツ味のチーズのため、チーズ嫌いな人でも負担なく食べられるおいしさだ。1つ2千ウォン。
韓屋村を歩いていると、オレンジ色の紙袋を持っている人たちが多く見られる。これは、伝統お菓子の「豊年製菓(プンニョンチェグァ)」の紙袋だ。旅行に行ったら家で待っている家族にもおいしいお土産を持って帰りたいものの、地域の特産品を探すのが難しい韓国旅行だが、全州土産といえば、「手作りチョコパイ」といわれるほど人気があるのが、この商品。
ここ豊年製菓は、1969年の開業以来、韓国製の材料を使って作り続けるお菓子の老舗だが、手作りチョコパイがその代表的な商品。少し大きめのチョコ風味のビスケットに、特性クリームとイチゴジャムがサンドされ、チョコレートで隅の部分がコーティングされている。こう聞くととても甘そうに思うかも知れないが、素材一つひとつが少しずつ甘みが抑えられているため、食後のデザートには、一つで終えるのが難しいおいしさだ。「女性消費者が選ぶ2015プレミアムブランド大賞」にも選ばれており、人気が伺える。チョコパイ以外にも、せんべいや、羊羹、そぼろクッキーなど、昔ながらの素朴な味わいが楽しめるお菓子が並ぶ。手作りチョコパイは1個1600ウォン。

 

Infomation
全州韓屋村には、龍山駅からKTXを利用し、全州駅で下車。119、535、551番など多くのバスが出ており、約35分所要。村の見学は1日あれば名所を見て回ることができるが、せっかくなので韓屋ステイをお勧めしたい。「宿泊可能」と看板が出ている韓屋で、当日申し込みでの宿泊も可能だ。ライトアップされた風景や、朝のひと気のない町の風景は、どこを見ても写真を撮りたくなる写真スポットだ。

http://tour.jeonju.go.kr/

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