学生街は食の宝庫 2 | お洒落ながらもおいしい 弘大前グルメツアー
学生街は食の宝庫 2
お洒落ながらもおいしい 弘大前グルメツアー
美術や音楽、ファッションなど、多岐に渡り個性豊かなアーティスト達が集う街、ここ弘大は、クラブやライブハウス、バー、おしゃれなカフェやレストランが立ち並ぶ若者に人気のスポットだ。芸術大学である弘益(ホンイク)大学、通称弘大が位置しており、他にも美術系専門学校が多数存在する。多くの卒業生がここを拠点に様々な活動を行っており、細い路地を歩くと個人経営の雑貨店やセレクトショップが多く、街の所々にはユニークな壁画があったりと、訪れる度に新しい発見がある場所だ。路地にはカフェや飲食店のチェーン店の他、経営者の個性が詰った可愛らしいお店が軒を連ねる。散策しながら隠れ家のようなお店を見つけるというのも、韓国旅行のひとつの楽しみとなるだろう。
文/櫻井真優美記者
★ ホンギワチプ (홍기와집)
たくさんの人が集まる弘大で学生や地元社会人が母の味を求め訪れるのが、ホンギワチプという韓国料理店だ。弘大入口駅8番出口から徒歩5分もかからない場所に位置しており、ホンギワチプの常連客であった弘大生がデザインしたというアートな看板、そして紅い瓦屋根が印象的な玄関が目印となっている。一般住宅を改装し作られた飲食店で、韓国の暖かな家庭の雰囲気を感じる事が出来る。床がオンドルになっており、冬はとても温かい。
主なメニューは、カムジャタンやポッサム、タットリタン、そしてチヂミなどがあるが、どれも韓国の家庭で昔から親しまれてきた伝統料理だ。食材はどれも国内産のものを使用しており、科学調味料は使わず、自然の味が生かされている。ここで1位2位を争う人気メニューはカムジャタンとタットリタンだ。甘すぎず、辛すぎないまろやかなスープが、各素材に適度に染み渡たり、甘みのあるジャガイモはほくほくで、口に入れた瞬間とろけてしまう。辛さも調節してもらえるので、辛い物が苦手な方でも美味しく頂けるだろう。
そしてなんといっても欠かせないのが、最後の締めで食べるポックンパッ(炒飯)。スープにご飯、エゴマの葉と韓国のりが入った炒飯は、口の中に入れた瞬間、韓国のりの風味とおこげの香ばしいさが口いっぱいに広がる。韓国でしか味わえない、必ず食べておきたい一品だ。 また、ホンギワチプでは料金のうちの1%を、子供たちを支援する団体や環境団体に寄付しているという。心も体も温まる韓国の母の家がここ、ホンギワチプだ。
Information
■ 住所:ソウル市 麻浦区 オウルマダン路 136-2 西橋洞 347-29
■ 電話:+82-8-324-9858
■ 営業時間:AM11:00~ PM10:00
★ 韓食ビストロ サルグァミル(쌀과밀:米と麦)

お店の名前からも分かるように、主に、ご飯類・麺類の料理を提供している素朴な韓国料理店だ。 弘大入口駅1番出口から徒歩約5分、ここサルグァミルは、若者が行きかう弘大前とは違い、閑静な場所に位置している。店内に入ると、オープンキッチンがすぐに目につき、フライパンを振る音と料理の香りが食欲を更にそそる。片側の壁は全てガラス張りになっており、天気の良い日は温かな日差しが差し込み店内を明るい雰囲気に包んでくれる。実は、サルグァミルは、個人が経営するレストランではなく、SKテレコムの「幸福を分けあう財団」が運用されているレストランだ。この財団が行っているボランティア活動、「SKッピークッキングスクール」には、料理に才能と情熱はあるが、経済的、家庭的な問題により教育を受けられない青少年達が多く在籍している。そんな青少年達の夢を叶えるため、様々なカリキュラムを通して、料理人として立派に自立出来るよう支援しているのが、教育を受けた学生達はここで更に修行を積み、社会に羽ばたいていく。サルグァミルは、単純に料理を提供する場ではなく、料理を愛する青少年達の情熱が詰った場所なのだ。
ランチメニューはどんぶり・麺料理がメインメニューとなっており、黒米サムゲタンの他、豚肉・豆腐が入ったモスムトッパッ(作男丼)、鶏肉・野菜が入ったタルボドゥレトッパッ(やや甘い丼)、シーフード・野菜が入ったヒンヨウルトッパッ(白い早瀬丼)など全6種類のどんぶり(7,000ウォン~8,500ウォン)がある。店の名前と同様、メニューのネーミングも個性が溢れる。麺料理は全4種類(7,500ウォン~9,500ウォン)、今日のサラダ(5,500ウォン)なども用意されている。全ての食材は国産のみを使用し、科学調味料は使用されておらず、塩味もちょうど良い。メニューはどれも体にやさしいものばかりだ。ここでチャトルプルコギ丼とカムチル焼きうどんの二つのメニューを紹介しよう。ブルコギ丼は麦飯に味付けされた牛肉・きのこ・半熟目玉焼き、シャキシャキとした新鮮な野菜が彩り豊かに盛り付けられ、ボリューム満点だ。味付けは日本人好みの甘口で辛いものが苦手な人にはおススメの一品だ。焼きうどんは、ムール貝・えび・渡り蟹・タコといったシーフードの他、もやし・キャベツがたっぷりと入っており、とてもヘルシーな一品だ。味付けは、ややピリ辛の甘口だ。ディナーにはステーキの他、マッコリやおつまみ料理なども楽しめる。サルグァミルではクーポンも用意されており、スタンプを5個集めると、メニューのうち一つが無料となる。フュージョン韓国料理の様々なメニューを楽しんでみてはいかがだろうか。
Information
■ 住所:ソウル市 麻浦区 東橋洞200-18
■ 電話:+82-2-322-6263
■ 営業時間:AM11:30~PM10:00 (月~土)
★ Peony (Coffee & Homemade Cake) ピオニー
食後に欠かせないのがスイーツだ。おしゃれなカフェがひしめきあう弘大では一歩、また一歩と足を進める度に、素敵な穴場カフェを発見する事が出来る。弘大に来てチェーン店に足を運ぶのはとてももったいない。友人と昼食を済まし15時頃訪ねたピオニーは、既に若い女性客でいっぱいだった。
サンサンマダンから程近い場所に位置するここピオニーは、弘大を訪れる女性やカップル達に人気のカフェだ。ここは、美味しい牛乳から抽出された100%動物性の生クリームと新鮮なイチゴを使用したイチゴの生クリームケーキ専門店として知られている。他にも、ショコラケーキ、チーズケーキ、ティラミス、タルト、バニラアイスに熱いエスプレッソをかけて食べるアフォガートなど、バラエティーに富んだスイーツが用意されており、飲み物もコーヒー類、紅茶類、フルーツジュースと各スイーツにふさわしい飲み物が揃っている。夏には限定でフルーツとアズキあんがトッピングされたパッピンス(韓国風かき氷)を味わうことが出来る。これら全て、ピオニーでの手作りだ。かぼちゃのタルトは濃いテイストと薄いテイストのムースが程好い調和をなし、サクッとしたクッキーと一緒に口に入れると濃厚なかぼちゃの風味が口いっぱいに広がる。イチゴの生クリームケーキは、甘くさっぱりとしたイチゴ、ふわっとやわらかいスポンジ、そして牛乳の旨味がぎゅっと詰った生クリームとのバランスが絶妙的だ。雪のような真っ白い生クリームにイチゴを添えた、とてもシンプルなケーキだが、ピオニーのスイーツの味に魅了されたリピーターは数多い。 ここピオニーのケーキを求め、わざわざ地方から足を運ぶお客も少なくないという。どのスイーツも程好い甘さなので飽きずに最後まで美味しく頂けるものばかりだ。36時間経過したものは店頭に出さないため、いつでもこだわりのある新鮮な素材が活かされたスイーツが楽しめる。
ケーキが4,500ウォン、タルトが3,000ウォン、ティラミスが4,500ウォン、飲み物が3,000ウォン~5,000ウォンと他のお店に比べるととても安い価格だ。
Information
■ 住所:ソウル市麻浦区 西橋洞403-15 1階
■ 電話:+82-2-333-5325
■ 営業時間: AM12:30 ~ PM10:00(金・土 PM11:00) ※月曜定休日
■ blog.naver.com/peonysdream
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