Yuckyのうまうま大邱! ③ 大邱とチキン
今年の韓国の夏は異常な暑さでしたが、大邱は韓国の中でもひときわ暑さが厳しいといわれています。盆地という土地柄のせいか、今年(2016年)は体感温度が40度という猛暑が続いたようです。
そんな中、大邱ではチメクフェスティバルというお祭りが毎年開かれています。チキンの「チ」とメクチュ(ビール)の「メク」で「チメク」。チキンを食べながらビールを飲んで暑さを吹き飛ばそう! というお祭りです。初年度(2013年)の人出は27万人、年々集客数が伸び、4回目の今年は、目標の100万人をはるかに超える110万人が集まったそうで、今や韓国最大の夏のイベントになっています。
ところで、なぜ大邱でチキンなのでしょう?
朝鮮戦争の後、国民の食生活、特に肉食の促進をはかるため、大邱にたくさんの養鶏場や加工工場がつくられました。当時、西門市場には鶏食堂の通りがあり、その面積は市場の3割弱を占めていたといいます。1970年代になるとチキンのブランドが次々に誕生し、大邱発生のフランチャイズ店(キョチョンチキン、タンタンチキン、チキンパーティ、ビョルビョルチキンなど)が全国に名をはせるようになりました。つまり大邱は韓国内でチキン産業をリードしてきた街なのです。
チメク会場にはそういう大邱のチキン屋さんがたくさん出店しています。お祭りに行けば、大邱の美味しいチキンが一度に食べられるというのですから、チキンファンにはたまらないお祭りですネ。
さて、これまで大邱ではペクスッ(水炊き)や参鶏湯をよく食べていました。なんといっても大邱は韓方の街ですから。それぞれのお店が独自で薬材をブレンドしていて、韓方の香り豊かなホロホロの鶏がいただけるからです。
また、フライドチキンや丸焼きのお店も多く、大邱の三大(または四大)トンタクといわれる老舗の鶏屋さんもあります。(ウォンジュトンタク、ニューヨークトンタク、ドンムンチキンなど)いずれも30年以上の歴史があり、皮はパリパリ、中はふんわりジューシィなフライドチキンやピリ辛のヤンニョムチキンが人気で、どのお店も大邱っ子で賑わっています。
それから、部位別に調理するお店が多いのも大邱の特徴といえます。バラエティ番組の「イラ韓」で紹介されたこともあり、大邱といえば砂肝料理を思い浮かべる人も多いでしょう。平和市場の砂肝通りには30軒ほどの専門店が並んでおり、インフォメーションには日本語の市場の地図も置いてあります。
他にも、寿城池のタッパル(鶏の足)の専門店や七星市場の鶏のホルモン炒めなど、大邱ではさまざまな鶏料理が楽しめます。
ただ、これだけ鶏料理が充実しているのに、「大邱10味」に鶏料理が入っていないのが不思議なんですよね。でも、「大邱に行ったら一度はチキン!」。ぜひ覚えていてくださいね!
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