Yuckyのうまうま大邱! ⑦ チュオタンの専門店サンジュ食堂

2017年03月07日

サンジュ食堂

 

「大邱の明洞」といわれる東城路(トンソンノ)は、オシャレなショップやレストランが建ち並ぶ賑やかな繁華街です。そんな東城路の一角に、大邱で最も古いチュオタン(ドジョウ汁)の専門店、サンジュ食堂があります。

初めて行った時、繁華街のビルの谷間に突然古い韓屋が現れ、本当にビックリしました。古い瓦屋根に重厚な木の扉、白菜が積まれた通路を抜けると広い調理場になっています。屋根を張った土間は、昔は中庭だったようです。お客は大きな鍋の横を通って奥の部屋に通されます。

創業1957年、飴色の梁と柱にその歴史が感じられます。床はピカピカに磨きあげられ、部屋のところどころに小さな円卓が置いてあります。韓紙張りの壁には創業者の写真、座右の銘、創業当時使われていた調理道具など、見るべき物がたくさんあってなかなか座ることができません。ようやく腰を下ろすとすぐさま紅白の2種類のキムチと細かく刻まれた唐辛子が運ばれてきました。キムチはもちろん自家製です。メニューはチュオタン(8000ウォン)だけなので、注文せずとも出てきます。

チュオタンにはソウル式や南原(ナムォン)式、江原道(カンンウォンド)式などありますが、サンジュ食堂のチュオタンは慶尚道(キョンサンド)式。ドジョウをすり潰して作るスープは日本の味噌汁のように実にアッサリしています。

隠し味に牛の小腸や内臓も使ってあるとのことですが、あくまでも主役はドジョウ。姿が見えないので、ドジョウはいったいどこに? と思いましたが、スープの中にちゃんと活きていました。薄味に仕上げてあるので、好みで唐辛子や山椒を入れていただきます。濃厚なチュオタンが好きな人には少々物足りないかもしれませんが、この慶尚道式のチュオタンを求めて全国からファンが集まって来るのです。

そして、もう一つの主役は具材の白菜です。ドジョウの旨味をたんまり吸ってクタクタになるまで煮こんであるので、いくらでもお腹に入っていきます。

昨年うかがった時、2代目社長のチャ・サンナムさんが、水に浸かった大量の白菜と元気に泳ぐドジョウを見せながら「うちで使うドジョウは全て国産の天然ものなの。冬になるとドジョウは冬眠するし、高冷地栽培の白菜は畑で凍ってしまうから、1月と2月はお店を閉めてしまうのよ」と話してくださいました。お母様から引き継いだ店を今日まで守ってくるまでにはたいへんなご苦労もあったでしょう。社長さんの凛としたお姿に、時の重さを感じました。

それにしても、社長さんのお肌のキレイなことといったら! ドジョウはスタミナ食でもありますが、コラーゲン豊富な美容食でもあります。70歳代とお見受けしましたが、ドジョウを食べていると、こんなにも張りのある美肌になれるのでしょうか。う~ん、ドジョウ効果はあなどれません!

サンジュ食堂は、韓国農林水産食品部と韓食財団が指定した「韓国の老舗飲食店100店」にも選ばれており、忘れてはならない大邱の老舗の一つです。ビルの谷間の古い韓屋で、慶尚道式の美味しいチュオタンをぜひ味わってみてください。ただし、冬場はドジョウと一緒にサンジュ食堂も冬眠しますので、ご注意くださいネ。
サンジュ食堂
大邱広域市中区国際報償路598-1
3月1日~12月15日のみ営業

Pocket

関連する記事はこちら

f744ae6824b8886ad8234ecd741d8628-150x150

待つのが苦手な韓国人たちも通ってしまう「行列のできる韓国料理店」

    韓国には「パルリパルリ(早く早く)文化」がある。急ぎ症の韓国人たちは食堂でわざわざ列に並んで食事することを嫌うが、行列に並んででもどうしても食べたい韓国料理店があると巷で話題になっている人気店2軒を取材した。 文/大成直子記者 健康料理として女性にブー…続きを読む

홍기와집-2

学生街は食の宝庫 2 | お洒落ながらもおいしい 弘大前グルメツアー

学生街は食の宝庫 2 お洒落ながらもおいしい  弘大前グルメツアー   美術や音楽、ファッションなど、多岐に渡り個性豊かなアーティスト達が集う街、ここ弘大は、クラブやライブハウス、バー、おしゃれなカフェやレストランが立ち並ぶ若者に人気のスポットだ。芸術大学である弘益(ホ…続きを読む

d91e99359df9f3f0959fbaef83592cf0-150x150

Yuckyの大邱10味紀行 ② チムカルビ

Yuckyの大邱10味紀行 ② チムカルビ  大邱の代表的なお料理といえば、何といってもチムカルビ、大邱10味の代表格です。   チムカルビのチム(찜)とは「蒸す」の意味で、牛のカルビを柔らかく蒸して味付けしたお料理です。似たような名前で「カルビチム」がありますが、これはナツメや…続きを読む

韓定食

Yuckyの大邱10味紀行 ① 大邱の魅力

最近、私の周りで大邱に行く人が増えています。ソウルや釜山に比べるとまだまだ少数派ではありますが、大邱へ行った友人の多くが「もう一度大邱に行きたい!」と言っていて、リピーターも少なくありません。実は私もその一人、大邱にハマり、この1年半で10回も大邱を訪れてしまいました。 「大邱の…続きを読む

大邱のB級グルメ

10味では足りない! 厳選・大邱のB級グルメ

  韓国第3の都市・大邱市。たくさんの魅力が詰まった都市ということで「カラフル大邱」と呼ばれるが、大邱市の魅力に取り付かれた人に一番の魅力を尋ねると、異口同音に「食」と答える。「大邱10味」もあるほど食においてもカラフルな大邱だが、10味では足りないほどのグルメがあると…続きを読む

ムンティギ

Yuckyの大邱10味紀行 ⑥ ムンティギ

 大邱10味紀行、今回は「ムンティギ(뭉티기)」をご紹介したいと思います。 ムンティギとは、一言でいうと牛のお刺身のことで、韓国らしくニンニクと粉唐辛子の入ったゴマ油をつけていただきます。「ムントンムントン(뭉텅뭉텅、日本語ではサクサク)と切った肉の塊」という意味の言葉が、慶尚道…続きを読む

ノンメギメウンタン

Yuckyの大邱10味紀行 ⑦ ノンメギメウンタン

今回ご紹介するのは、ノンメギメウンタンです。ノンは田んぼ、メギはナマズ、メウンタンは辛いスープのことで、「田ナマズのピリ辛鍋」といったところでしょうか。自然豊かな大邱ならではのグルメの一つです。 さて、このナマズ鍋、大邱10味に選ばれてはいるのですが、大邱に住む私の友人(20~4…続きを読む

메인01_통인시장

見て、買って、味見して、ソウル伝統市場散歩

   世界の多くの国を巡る旅行マニアが欠かさず訪問する場所のうちの一つが「伝統市場(在来市場)」だ。都心の有名百貨店やショッピングモールなどと違い、昔の雰囲気が残っていて、粗悪なものが懐かしく感じられ、その物を売り買い人の体臭に人情を感じる。その上、それぞれの物が秘めて…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02