Yuckyの大邱10味紀行 ⑩ ふぐプルコギ

2015年12月02日

ふぐプルコギ 大邱10味、いよいよ最後の一品になりました。トリを飾るのは、ふぐプルコギです。

海に面していない大邱で、どうしてふぐが大邱10味に選ばれたのか? 不思議な気もしますが、以前ご紹介したムチムフェ(辛い刺身の和え物)と同様、海がないからこそ、食べ方に工夫を凝らしたお料理といえるかもしれません。

大邱のふぐプルコギは、ふぐの切り身を、ピリ辛の調味料で炒めたもので、ふぐは骨をきれいに取り除いてあり、食べやすい切り身になっています。付け合わせに絶対に欠かせないのがもやしで、ふぐの旨味をたっぷり吸った赤いもやしがシャリッとした食感を残してくれます。ふぐ専用のもやしを独自で栽培するほどこだわりを持ったお店もあります。もやしの他にはニラや玉葱、セリ、キノコなども入っています。

使われるふぐの種類はトラフグ(チャムボク)、サバフグ(ミルボク)、シロサバフグ(ウンボク)、キタマク(チョンボク)、メフグ(ファンボク)など。安い価格を保つために、主に遠洋漁業で捕れた冷凍ふぐを使うお店も多いのだそうです。もちろんこだわりのあるお店では、旬の11月から4月までは生のふぐを使っており、ふぐの獲れない季節のみ養殖ふぐでまかなうそうです。

肝心なお味の方ですが、「熱い」と「辛い」で食べているうちに舌が麻痺しそうになってきます。「ふぐを食べに行かない?」というと、辛い物が苦手な人は、即座に首を振るくらい、「ふぐ」といえば「辛い」なんですね。味付けはアグチム(あんこうの煮込み料理)に似ているといえば分かりやすいでしょうか? まぁ、この辛さが大邱流の「シオナダ~」つまり、辛くてスッキリする、なのかもしれません。私的には、調味料の味よりも、もっとふぐ本来の味を味わいたい気もするのですが、夏は暑く冬の寒い大邱では、この食べ方がマッチしているのかな、とも思います。でも最近は、女性や子どもが食べやすいように、辛さを抑えてマイルドな味に仕上げるお店も出てきたようです。

ふぐプルコギは、1970年代後半に「美成(ミソン)ボゴ」というお店で生まれました。大邱の人によると、昔はふぐといえば「美成」だったそうで、昼も夜も客が絶えることがなく、美成に行けば知り合いに会える、とまでいわれていたそうです。

現在では、大邱市役所横のふぐ路地、東大邱駅周辺、トランギルなど、大邱のあちこちにふぐの専門店ができており、どのお店でもふぐプルコギを出すようになりました。単品だと約1万ウォンとお手頃です。でも、できればエイッとはりこんで、ふぐのコース(2万ウォン~)をおススメしたいと思います。ふぐ刺しはないにしろ、日本ではとてもこのお値段ではいただけませんよネ。

コースには、プルコギの他に、ふぐの天ぷらや、ふぐチリなどが出てきます。韓方の街・大邱らしく、ふぐチリには薬膳を使った独自のスープを出すお店もあります。また、特記すべきは、ふぐの皮で作ったムチムフェ。ムチムフェは本来、お刺身と生野菜をコチュジャンのタレで和えたものですが、ふぐの専門店では、刺身の代わりにふぐの皮を使います。冷蔵と冷凍を何度も繰り返し、手間のかかる行程を経て作られるそうで、クニクニとした面白い食感の和え物です。臭みもなく、なかなか味わえないお料理なので、プルコギと共にぜひ味わっていただきたい一品です。

ふぐには肌や骨によい栄養分が含まれており、肝臓の解毒作用があるといわれています。日本では高値の花ですが、大邱ではお手頃な価格でふぐがたらふくいただけます。海のない大邱で、ピリ辛のふぐ料理なぞいかがでしょう?

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