失うものはない男と女、崖っぷちで出会う「泣く男」

2014年06月16日

今月の映画

失うものはない男と女、崖っぷちで出会う

「泣く男」


영화_우는남자_누끼용.jpg

幼い頃両親に捨てられて孤児になったコン(チャン・ドンゴン)。1970年代の韓国の孤児たちの運命がそうであったように、コンもアメリカの見知らぬ町に養子に出される。養子になると同時に普通の生活が待っているかと思いきや、運命はコンにそれほど甘い幸せを与えてくれなかった。大人になったコンは、犯罪の裏舞台でフィクサーの役割をする残酷なキラーになり、何のためらいもなく、組織の命令に応じて、ピストルで名前も知らない人々の命を奪うという日々を過ごしている。そんなコンが組織から最後の任務を与えられる。目的地は自分が生まれた韓国。こうしてコンは韓国に向かう。
 ここにもう一人の人物、モギョン(キム・ミニ)がいる。夫と娘を失い、認知症にかかった母親の面倒を見ながら一日一日を絶望の中で生きている不幸の崖っぷちにいる女だ。不幸の記憶を消し去ろうとするかのごとく仕事にのめり込み、毎晩、酒と薬がなければ眠ることができなかった彼女の前に、娘の死の背後に隠された真実を教えようという一人の男が近づいてくる。他でもないキラーのコンだ。
 親に捨てられ、孤児になってキラーとして育てられた男、コン。夫と娘を失い、自分の母親まで認知症で一抹の幸せも残っていない女、モギョン。そしてモギョンを狙う組織に対抗してモギョンに真実を知らせ、モギョンを死から救おうとするキラー・コンの死闘、チャン・ドンゴン主演の新作「泣く男」のあらすじだ。
 2010年、ウォン・ビン主演の映画「アジョシ」で韓国にシンドロームを巻き起こし、大韓民国のアクション映画の新紀元を見せてくれたイ・ジョンボム監督。彼が4年ぶりに、韓国最高の俳優チャン・ドンゴンと共に、新しいアクション映画「泣く男」で帰ってきた。
 新作「泣く男」は、製作段階から話題となった。ヒット作「アジョシ」のイ・ジョンボム監督と韓流トップスターの称号が惜しくないチャン・ドンゴン、そして清楚なビジュアルと最高の演技力で映画界女優キャスティング第1位であるキム・ミニの出会いというだけで映画界では数百件のニュースとなり、話題を集めた。
 
영화_우는남자_서브02.jpg
 
 やはり話題の中心はチャン・ドンゴンだ。「マイウェイ」、「台風」、「ブラザーフッド」などの作品で強烈な男性美を現わす一方、ドラマ「紳士の品格」では穏やかな中年の魅力で女心をひきつけて不動のスターの座を守ってきたチャン・ドンゴンが、今回は冷酷なキラーとして登場したため、チャン・ドンゴンのファンなら両手を挙げて大喜びするだろう。
 
영화_우는남자_메인.jpg
 
 チャン・ドンゴンとキラーというミスマッチに心配する必要はない。イ・ジョンボム監督の前作「アジョシ」で冷静な特殊要員を演じたウォンビンも、キャスティング当時は優しい笑顔のウォンビンが荒々しい男性美を消化することができるだろうかという懸念の声が多かったが、そのような心配を見事に吹き飛ばし、韓国全体をウォンビンブームに包み込んだ。
 イ・ジョンボム監督は「泣く男」を準備しながら、最初からコン役にチャン・ドンゴンを念頭に置いていたという。イ・ジョンボム監督は、「自分の仕事に対する懐疑、崖っぷちに立たされた人の感覚をチャン・ドンゴンがうまく表現することができるだろうという確信があった」と述べた。
 キャスティングのオファーを受けたチャン・ドンゴンも同様だ。アクションと切ない感情を同時に表現しなければならないキラー、コンのキャラクターに引かれ、2年ぶりの映画復帰作として「泣く男」の脚本を受け取るや否やOKサインを監督に伝えたというからには、映画「泣く男」への期待感が一層高まる。
 

銃撃シーンと感性こもったアクションシーンが見もの

 強烈なアクションと熱いドラマが交わった感性アクションを披露してきたイ・ジョンボム監督の特技が新作「泣く男」にもそのまま盛り込まれている。「泣く男」は、既存のアクションでは使われたなかった、真昼の中のアパートや街角などのオープンスペースで銃撃戦と爆発が起る。トカレフ、ショットガン、 M4、グロック19、MP5K、38口径、P250など様々な銃で繰り広げる銃撃シーンは、既存の韓国映画では見られなかった強烈な銃のアクションシーンを見せてくれる。リアルな演出が白眉だ。誇張のないリアルな銃器アクションを披露するために、監督はアメリカと韓国の特殊部隊要員を直接取材し、銃を撃った時の動作まで直接体験して臨場感を加えた。
 
영화_우는남자_서브01.jpg
 
 単純なアクション映画として終わるのではなく、二人の主人公の内面により深く掘り下げる映画を作ろうとした感性的な部分もポイントだ。アクション映画だが、人の感情を感じることができる場面を演出するためのロケーションとミゼンセーヌも前作「アジョシ」に比べて、より一層洗練させた。6月4日公開、ランニングタイムは116分。 
| cryingman2014.co.kr
Pocket

関連する記事はこちら

nothumbnail

「オールキル」ミス・エイ、大ヒットの予感

 ガールグループ、ミス・エイ(Miss A)の新曲である「他の男じゃなくあなた」への関心が熱い。発表から2日間、ヒットチャートのトップを保ちながら、大ヒットの兆しが見られている。 ミス・エイは、先月30日に7番目のプロジェクトアルバム「カラーズ(Colors)」を発表しながら本格…続きを読む

アンジェウク

俳優アン・ジェウク結婚「6月1日、新たに生まれる日」

 俳優のアン・ジェウク(44)とミュージカル俳優チェ・ヒョンジュ(33)が6月1日、ソウル中区奨忠洞にあるバンヤンツリーにて結婚式をあげる。 アン・ジェウクは3月31日、自身の公式サイトにて「結婚します。ついに結婚式の日付が決まりました。2015年6月1日。新たに生まれ変われる日…続きを読む

兄貴

新作映画「兄貴」

  失明した柔道国家代表と前科10犯の詐欺師の「ブロコメディー」  韓国映画界で「ブロコメディー」という言葉が話題になっている。聞きなれない言葉かもしれないが、映画「兄貴」を修飾する言葉と分かればピンと来る人もいるだろう。そう、男同士の近しい関係のことをいう「ブロマンス…続きを読む

未生

韓国ミリオンセラーコミック「未生」、翻訳版を発売

 囲碁が人生の全てだったという主人公がプロ入団に失敗した後、大手商社に契約職のインターンとして入って冷酷な現実を経験し、韓国内の大規模な社会的共感とイシューを巻き起こして、ドラマも大ヒットを記録した原作漫画「未生」が講談社から「未生 – ミセン」というタイトルで正式翻…続きを読む

延平海鮮

映画「延坪海戦」

2002年6月29日、忘れてはならない6人の勇者たち   映画「延坪海戦」   実話をモチーフにした「延坪海戦」は、2002年6月29日に発生した「第2延坪(ヨンピョン)海戦」を映画化した作品だ。映画は、大韓民国を守るために命がけで戦った勇士たちとその家族の物…続きを読む

チェジウ

映画「好きになって」で帰ってきたチェ・ジウ

映画「好きになって」で帰ってきたチェ・ジウ、 「涙の演技はまだ難しいです」    一時、チェ・ジウは「涙の女王」として通じた。ドラマ「冬のソナタ」、「天国の階段」などで、純粋で善良なキャラクターを演じ、切々たる演技をしたことによる。白い肌と華奢な体つき、澄んだ瞳、少した…続きを読む

二十歳

映画「二十歳」

「一番恥ずかしい瞬間、僕らは一緒だった」 新作映画「二十歳」    映画「二十歳」(監督イ・ビョンホン、製作映画の木ピクチャーズ)は魅力あふれる二十歳の青年たちの姿を描いたコメディだ。一人はかっこいいが女好き、もう一人は生活力はあるが金は無し、そして最後の一人は勉強がで…続きを読む

今日の恋愛00

映画「今日の恋愛」

18年間進展のない二人 その関係は、恋愛? 友情? 「今日の恋愛」   相手が求めるまま、全て叶えてあげるのにもかかわらず、100日も経たないうちにいつもガールフレンドから振られてしまう、小学校教師のジュンス(イ・スンギ)。ジュンスにとって、女心は永遠に解けない宿題だ。…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02