新作映画「ルシッドドリーム」

2017年03月09日

犯人も、手がかりも、すべては夢の中にある!

 

LucidDream 「ルシッドドリーム(Lucid Dream)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。日本語では「明晰夢」、韓国語では「自覚夢」といい、夢の中でそれが夢と気づき、夢を意図的にコントロールできるようになる夢のことだ。夢の中だから、現実の世界ではできないこと、たとえば空を飛んだり、空想上のキャラクターに会ったりすることも可能だ。「そんなことができるんだったらやってみたい!」という人も多いだろう。実は誰でもできるものといわれており、明晰夢に関する科学的な研究も進められているという。

そんな明晰夢をモチーフにした映画「ルシッドドリーム」が公開された。「夢を自由にコントロールできる」という夢のような現象を、この映画では犯罪捜査のために利用する。夢の中で犯人の姿を追うのだ。

コ・ス演じるデホは、大企業の不正の告発を専門とする熱血記者だが、何者かによって計画的に息子を拉致されてしまう。3年間、誘拐された息子を探すために死力を尽くしたデホが最後にたどり着いた方法は、「ルシッドドリーム」。自分の夢の中に入って犯人の手がかりを追う方法だった。デホは人為的にルシッドドリームを見る研究を行っている精神科医のソヒョン(カン・ヘジョン扮)の助けを借りて、自分の夢の中に入っていく。息子が拉致された遊園地で、犯人に関する手がかりを見つけ、その手がかりを頼りに現実の世界で捜査を進めていく。右腕に刺青をした男、写真を撮っていた怪しい男、夢を見るたびに出てくる「ディスマン(全世界の人の夢に現れる謎の男)」…。ベテラン刑事のパンソプ(ソル・ギョング扮)に助けられながら、ついにすべての手がかりが示す一人の男を突き止める…。

 

luciddream01

 

何といっても、イケメン俳優の活躍に注目が集まる。主人公のデホを演じたコ・スは、平凡な父親の姿を演じるため、10キロ増量した。これまで「モムチャン(韓国の俗語で鍛えられた体のこと)」俳優として知られた彼が下腹部が太った姿でスクリーンに登場して減滅した女性たちもいたようだが、いなくなった息子を探す父親の悲壮な姿を演じるために、今度は18キロ減量して登場する。メディア試写会で、コ・スは映画を見ながら号泣したという。それだけ自分の演じた父親の姿に感情移入していたためだろうか。実際に二児の父であり、それが演技に深みを加えたのはいうまでもない。

 

luciddream02

 

主演俳優の父親としての演技に重点が置かれるように、この映画のポイントは父性だ。明晰夢は、映画「インセプション」ですでに扱われており、二番煎じだという指摘もあるが、「明晰夢」というモチーフに「父性」という韓国ならではのテーマを組み込んだところに大きな意味を持つといっていいだろう。

映画「ルシッドドリーム」は、助演俳優にもさまざまな変身を要求した。優秀ながら冷徹な精神科医のソヒョンを演じたカン・ヘジョンは、メディア試写会のインタビューで、「ソヒョンと自分は似ている部分があまりない」と語った。ルシッドドリームを研究し、映画の中でルシッドドリームについて解説する役割を担うため、監督が準備した多くの資料を読んで勉強したという。また、最大限理知的な雰囲気をかもし出すため、監督の提案によってショートカットにした。「それによってマインドも変わってきた」とも語っている。

 

luciddream03

 

また、映画の緊迫感と、息子を思う父性の世界を描くにあたって、助演男性俳優の力も大きかった。デホの捜査を助けるベテラン刑事のパンソプを演じたのは、数多くの映画で実力を認められたソル・ギョングだ。今まで強いキャラクターを演じることが多かったソル・ギョングだが、この映画では主人公のデホを黙々と支えるキャラクターを演じている。しかし、その中にもカリスマを感じさせる演技は、映画をより深みのあるものにつくりあげた。

 

luciddream05

 

もう一つの話題になっていたのは、不祥事の疑いが掛けられていたJYJのパク・ユチョンだ。彼もこの映画に出演して、すでに多くの場面を撮影しており、それがカットされるのではとうわさされていたが、嫌疑なしとなったことで、すべてのシーンはそのまま使われることとなった。パク・ユチョンは、明晰夢というモチーフには欠かせない謎の男「ディスマン」を演じて印象深い存在感を残した。

監督のキム・ジュンソン氏にとって、この映画は、商業映画のデビュー作だ。キム監督は、あるインタビューの席で「私も実際に明晰夢を経験しました。シナリオを書く時にも明晰夢を何度も見ました。他にも経験した人は多いですし、ネットでのカフェもたくさんあり、経験談が上がっています」と語った。実際の経験者がどのように描いたのかが注目されるところだ。

韓国で初めてのルシッドドリームを描いたSFスリラー「ルシッドドリーム」。果たしてデホは息子を助けることができるのか、そしてその過程を通してどのような人間ドラマを見せてくれるのかに期待したい。

韓国では2月22日封切り。ランニングタイムは101分。15歳以上観覧可。

Pocket

関連する記事はこちら

챔피언_스틸-(1)

新作映画「チャンピオン」

夢へと向かう腕相撲チャンピオンの大勝負 「チャンピオン」     学生時代を過ごした男性なら一度くらいは誰でも挑戦した勝負がある。それが腕相撲だ。幼年時代、教室の一角でわずか数十秒で倒す側と倒される側の決着がつくこの勝負は、月日が過ぎても変わらない男のロマンが…続きを読む

영화리뷰_포스터

新作映画「僕の中のあいつ」

 いわゆる「パンシャトル(パシリ)」となって、同じクラスの友達にいじめられているドンヒョン(ジニョン扮)。不細工で食いしん坊、その上小心者の彼は、いつもいじめっ子の友人の餌になっている。 今日もいつものように建物の屋上で同じクラスの友だちにいじめられて、屋上から墜落する事故に遭っ…続きを読む

BoA

BoA、今年5月に日コンサート開催

 歌手BoAが、3年ぶりに日本コンサートツアーを開始する。BoAの日本公式サイトによると、ボアは今年5月に東京公演を皮切りに計8回の「BoA THE LIVE in Billboard Live」ツアーを開催する。 BoAの最近の日本単独コンサートは、2014年9月に東京など4都…続きを読む

악질경철_스틸01

新作映画「悪質警察」

悪い人間の上のもっと悪い彼らに向けた豪快な反撃 犯人を捕まえるべき警察官が犯人よりひどく、悪辣だ。イ・ソンギュン主演の新作「悪質警察」の主人公であるチョ・ピルホだ。 映画「悪質警察」は、裏金と不正を容認し、犯罪をも起こさせる悪質警察「チョ・ピルホ」(イ・ソンギュン扮)が、巨大企業…続きを読む

세종학당_홍보대사

世宗学堂の広報大使に国民俳優アン・ソンギ&ガールグループ・レッドベルベット

 韓国の国民俳優アン・ソンギとSMエンターテイメント所属ガールグループのレッドベルベットが海外に対する韓国語と韓国文化の普及代表機関である「世宗学堂」の広報大使に委嘱された。 文化体育観光部と世宗学堂財団は「世宗学堂設立10周年記念行事」を10月23日、ソウル龍山区ブルースクエア…続きを読む

엑소_콘서트

EXO、11月に高尺ドームで4回目の単独コンサート開催

 EXOが11月、ソウル高尺スカイドームで待望の4回目の単独コンサートを開催する。EXOは11月24~26日の3日間、ソウル九老区に位置する高尺スカイドームで4回目の単独コンサート「EXO PLANET#4 -TheEℓyXiOn- 」を開催する。EXOは、2015年10月、韓国…続きを読む

防弾少年団

防弾少年団、日本最大の音楽フェスティバル「エイ・ネーション」初出演

 グループ防弾少年団がビッグバン、アイコンと共に日本最大の音楽フェスティバルの一つである「エイ・ネーション(a-nation)」に初出演する。防弾少年団は、8月28日、東京の味の素スタジアムで開催される「エイ・ネーション・スタジアムフェス(a-nation stadium fes…続きを読む

2e3c228ece791f860f5e8f01422153e9-150x150

失うものはない男と女、崖っぷちで出会う「泣く男」

今月の映画 失うものはない男と女、崖っぷちで出会う 「泣く男」 幼い頃両親に捨てられて孤児になったコン(チャン・ドンゴン)。1970年代の韓国の孤児たちの運命がそうであったように、コンもアメリカの見知らぬ町に養子に出される。養子になると同時に普通の生活が待っているかと思いきや、運…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02