新作映画「僕の中のあいつ」
いわゆる「パンシャトル(パシリ)」となって、同じクラスの友達にいじめられているドンヒョン(ジニョン扮)。不細工で食いしん坊、その上小心者の彼は、いつもいじめっ子の友人の餌になっている。
今日もいつものように建物の屋上で同じクラスの友だちにいじめられて、屋上から墜落する事故に遭ってしまう。ドンヒョンが墜落した場所には、偶然その道を歩いていた、名門大出身で成功した暴力団組長であるパンス(パク・ソンウン扮)がいて、ドンヒョンとパンスは、強い衝突事故によって魂が入れ替わってしまう。
ドンヒョンの魂はパンスの体の中に、パンスの魂はドンヒョンの中に入るという信じられない現実に加え、ある日突然、10代の体を持つようになった40代の「アジェ(オジサン)」パンスは、ドンヒョンの生活を180度揺るがし始める。
当然、暴力団の組長でけんかの強いパンスは、学校に戻って不良学生たちを平定し、太った体も夏休みの間にダイエットとトレーニングを重ねた末、筋肉質のスリムな体型に変化し、女子高生たちの心までひきつける。
ただ、10代の体を持って愉快ではないが、悪くもない日常を送っていたパンスは、やがて自分と魂が入れ替わったドンヒョンだけではなく、ドンヒョンが好きだった同じクラスのヒョンジョン(イ・スミン扮)も同じく女子たちにいじめられていたことを知って衝撃を受ける。さらにヒョンジョンの母親が自分の初恋の相手だったミソン(ラ・ミラン扮)であることに驚き、ヒョンジョンもまた自分の娘であることを知って、初恋の相手と娘をいじめから救うための戦いを始める。
映画「僕の中のあいつ」は、今ではありふれた魂が入れ替わるという素材を借用した学園物だ。日本でも一般的なのが魂が入れ替わるジャンルの映画や漫画だが、あえて差別性を見出すとしたら、性別が入れ替わるのではなく、年代が入れ替わるということ。正統な学園物のプロットに、暴力団の話と、昔の初恋と偶然再会するというラブストーリー、そして父性愛の感情まで添加して、過剰な要素によってややもすると退屈で、ありがちなストーリーではないかという懸念もあったが、興行は青信号。今年1月9日現在封切り8日にして観客100万を突破して、新年のヒット作街道を走っている。
最大の魅力は、映画の中の愛らしいキャラクターだ。特にアイドルグループB1A4出身のジニョンは、アウトサイダーでデブの高校生から、ヤクザが憑依した高校生までキャラクターを自在にこなす。スクリーン初主演にもかかわらず、長い演技の実力を持つパク・ソンウン、ラ・ミラン、キム・グァンギュなど演技派先輩たちと交わって、自分のカラーを吹きだして説得力をもって魂が入れ替わったパンスを完璧に演じている。特に「アジェ」のパンスの魂が憑依して格闘アクションを繰り広げ、大先輩であるラ・ミランとのキスシーンを含むロマンスを繰り広げる姿は、この映画の白眉だ。ジニョンは自分に与えられた役割を200%にやり遂げて映画を導いていく。
予想外の可愛らしい演技をすることになったパク・ソンウンも見どころだ。映画「新世界」などを通じて暴力団の悪役キャラクターを演じた悪役専門俳優が、小心者の高校生の姿をある意味で気持ち悪い演技で表現し、映画の大きな軸を支える。
アシアナ航空のモデルとしても活動中のヒロインであるイ・スミンは、実際の女子高生の身分であるだけに、自分の服を着たように滑らかにヒョンジョンを演じる。魂が入れ替わってドンヒョンの体をしているパンスに愛の感情を感じ、パンスが自分の父親だとも知らずに好きになる姿がとても可愛らしい。
魂が入れ替わるという素材、アイドル出身の俳優主演という先入観を持って「どこかで見たようなありがちな映画」と思ったら誤算だ。
一言でいうと、「僕の中のあいつ」はおいしくつくられた「コメディ定食」だ。食べた後に食べ過ぎた感もなくすっきりしている。後腐れもない。何度反芻しても笑いは有効である。幼稚だといってばかにしたいけれど、笑わずにはいられない宿命的な映画、それが「僕の中のあいつ」だ。
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