「天使大橋」の開通でより便利に「天使の島」を楽しむ ~全羅南道・新安郡

2019年07月24日

 韓半島の南西、木浦の前には「天使の島」と呼ばれる群島がある。その天使の島に「天使大橋(チョンサデギョ)」という橋が今年4月4日に開通して話題になっている。韓国で唯一、島だけで構成された郡、新安郡(シナングン)だ。美しい自然とみどころが満載の天使の島を紹介しよう。文/町野山宏記者

 

「天使の島」という別名を聞いて、韓国語が少し分かる人なら予想がつくかもしれない。「1004」という数字は韓国の読み方で「天使」と同音なのだ。それでは、何が「1004」なのかというと、島の数。なんと、有人島と無人島を合わせて1004の島があるという。韓国にある島の半分が新安郡にあるというのがだから驚きだ。

そんな天使の島にかかった天使大橋は、新安旅行に羽をつけてくれる、まさに天使の羽といえるだろう。その意義だけではなく、実際の形もMの字となっており、天使の羽をモチーフにしている。全長10・8キロの韓国で4番目に長い橋だ。新安郡の郡庁がある押海島と岩泰島までをつないでいる。橋の中央に立つ塔の上にはダイヤ(ひし形)に抜かれているが、これはひし形に並んぶ新安郡の島々を象っている。現在は岩泰島(アムテド)から慈恩島(チャウンド)、八禽島(パルグムド)、安佐島(アンジュアド)の4つの島が橋で結ばれているが、今後9つの島を橋でつないでダイヤ型を完成させる予定だという。

天使大橋から眺める島々の姿が美しい。新安郡の島々を少し高いところから眺められれる絶好のポイントだといえよう。道路の制限速度も60キロとなっているため、ゆっくりと天使の島々を堪能できる。天使大橋を渡ってから右に折れるとオド船着場があるが、天使大橋の全体をカメラに収めるには最適なスポットなので憶えておこう。

岩泰島には多くのみどころがあるが、中でも最近人気を集めているのが老夫婦の姿を描いた壁画だ。ある家の白い塀に老夫婦の顔が並んで描かれているが、老夫婦の頭は塀の中にある二本の木で、もじゃもじゃのいわゆるおばさんパーマのようなユーモラスな姿なのだ。にこやかな夫婦の絵のモデルは、この家に住むムン・ビョンイルさんとソン・ソクシムさん夫婦。いろいろな人がここで写真を撮っていくため、一躍有名になった。

 

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天使というキーワードから、キューピッド、エロスとつながったのだろうか? 岩泰島には「エロス書刻博物館」というちょっと変わった博物館もあり、新安郡の必須訪問地となっている。チョン・ベギュン作家の木彫作品を展示している博物館だが、「書刻(ソガク)」と呼ばれる木彫作品を展示している展示室と、未成年入場不可の「異色性体験部屋」という展示室がある。好奇心をくすぐる博物館だ。

 

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女人松の悲しい伝説が残る「慈恩島」

次に岩泰島から北に向かい、慈恩島を訪ねてみよう。慈恩島には美しい砂浜が9ヵ所あり、海を眺めながら散策するには最適だ。その中でも「ウィンドビーチ」という異名をとるトゥンジャン海岸は9ヵ所の砂浜のうちで最も広い。砂浜と干潟が共存しており、ムツゴロウなどの魚や貝などが豊富だ。遠浅になっているため、水が引いたときには小さな海辺の動物たちを遊ぶこともできる。ゥンジャン海岸のすぐ前には二つの島があり、歩いて渡れる橋を建設中だ。沖の小さな島々の向こうへ沈んでいく夕日を眺めるのもトゥンジャン海岸ならではの楽しみの一つだ。

 

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1479106139_3_w600h1 岩泰島のプンゲ海岸には朝鮮時代に造成された防風林があるが、そこには「女人松」の伝説が伝えられている。昔、この村に貧しいながらも仲良く暮らす夫婦がいた。ある日、ささいな口争いの後に漁に出た夫は嵐に遭い、帰らなくなった。妻は毎日海を眺めながら夫の帰りを待ったがいくら待っても帰ってこなかった。ある夜、妻は夢を見た。逆立ちをしていると夫が帰ってくる夢だった。次の日から妻は毎日大きな松に上って夫を待っていたが、ある寒い冬の日、木から落ちて凍死してしまう。その後、帰ってきた夫が妻の遺体を松の木の下に埋葬すると、その松の木は逆立ちをする女性の姿に変わったという。悲しい逸話が残る松ではあるが、夫婦の縁をより強くしてくれるという言い伝えもあり、多くの人が訪れる名所となっている。

 

 

 

パープル橋で島から島へ「安佐島」

慈恩島から岩泰島に戻り、さらに八禽島、安佐島まで行ってみよう。安佐島の楽しみの一つがパープル橋だ。周囲に紫の花がたくさん咲いているということでその名が付けられたが、もとは「天使の橋」、「希望の橋」と呼ばれていたが、天使大橋がかけられることで名が変わったという。

 

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パープル橋は安佐島と朴只島(パクジド)」を結び、さらに朴只島と半月島(パノォルド)を結んでいる。歩行者と自転車だけが渡れる橋で、安佐島から朴只島までが547m、朴只島から半月島までが915mだ。

朴只島と半月島を結ぶ区間には一つの伝説がある。僧露頭(チュンノドゥ)と呼ばれる石で作った道の話だ。昔、半月島に若くて美しい尼が住んでいた。朴只島に住む一人の僧侶が、一度も会ったことのない半月島の尼の立ち振る舞いを遠くから見て慕うようになった。ある日、朴只島の僧侶は石を運んで干潟に道をつくり始めた。間もなく半月島の尼も石を運んで対岸から道をつくるようになった。月日は流れ、二人は中年になっていたが、石を運び続け、ついに道はつながった。ついに出会って涙を流しながら抱き合う二人。しかしその時、満ち潮になって、二人はそのまま水の中へ消えていったという。その石で作った道は今も残り、引き潮の時はパープル橋から見ることができる。

 

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干潟を眺めながら歩くパープル橋も楽しいが、人口が100人ほどの半月島も、自然と共に生きる村の姿が今も残り、散策にはもってこいだ。特に、「タンスプ」と呼ばれる林は、600年前に村ができた頃に植えられたエノキ、ケヤキ、ツバキなどが生い茂り、2013年に「美しい林全国大会」で「共存賞」を受賞した。

 

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安佐島には芸術家の足跡も残っている。韓国を代表する抽象画家の金煥基(キム・ファンギ)が生まれ、幼少時代を過ごした韓屋が残っている。1920年に白頭山から運んできた立派な木材で建てられたという。この韓屋だけではなく、村のところどころに金煥基画伯の作品をモチーフにした壁画が描かれている。金煥基画伯のインスピレーションの源泉となったであろう新安の島々。美しい自然と温かい人情を堪能できる旅に出てみよう。

 

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Information

新安郡の旅行には車が必須となるが、今年4月19日から「1004島シティーツアーバス」が運行している。毎週金・土・日に1日1回ずつ運行する。朝9:30に木浦駅を出発し、天使大橋、安佐パープル橋、金煥基生家、慈恩島プンゲ海岸、女人松の林、エロス博物館or1004盆栽公園を回って17:00に木浦駅に到着する。利用料金は大人1万ウォン、小中高生5千ウォン(食費、入場料などは別途)。ツアーの問合せ・申し込みは、マンナムツアー旅行社(061-244-7703/韓国語)まで。

その他、新安郡では自転車ツアー、セイルヨットなどの体験ツアーも行われている。各体験についての詳細は、新安郡の文化観光サイト(http://tour.shinan.go.kr/)を参照。

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