慶尚北道の冬を楽しむ5つのテーマ

2018年02月07日

경상북도_메인_주왕산

慶尚北道の冬を楽しむ5つのテーマ

「冬がいい、慶尚北道がいい、慶尚北道冬の旅」

 

 韓国東南部に位置する慶尚北道は、韓国内でも最も魅力的な観光地に数えられる。四季の美しい魅力を誇る自然をはじめ、慶州や安東に代表される歴史遺産、そして慶尚北道だからこそ味わえる珍味が満載なのだ。このような慶尚北道の魅力がより引き出される季節は他でもない冬だ。冬だからこそ出会えるスポットとグルメが待っているため、韓国的情緒を探す人にとって、慶尚北道の冬はまさに理想郷だ。
文/李相直記者
慶尚北道での冬の旅行の序幕を開くテーマは断然、自然だ。韓国を代表する名山と海の絶景の両方が一度に楽しめる自然観光の名所である慶尚北道だけあって、冬の大自然を満喫できる楽しみが満載だ。

代表格はやはり、名山の雪景色だ。冬の秘境が一望できる山の頂上に登って満喫する冬の登山が最近、韓国内で爆発的な人気を誇っており、慶尚北道を訪れた観光客にも見逃せないアクティビティだ。

様々な名山のうちでも、慶尚北道青松(チョンソン)郡に位置する周王(チュワン)山が一番に挙げられる。海抜720mの周王山は1976年に韓国で12番目の国立公園として指定された慶尚北道一の名山で、韓国3大岩山の一つだ。

何よりも景色がすばらしい。山の姿が石でつくった屏風のようで、昔は石屛山(ソクビョンサン)という別名で呼ばれることもあるほどで、巨大な岩石がそびえる峰の風景が圧倒的なビジュアルだ。大典寺の裏にそびえる旗岩(キアム)をはじめ、頂の左右に並ぶ龍湫(ヨンチュ)滝(第1の滝)、チョルグ滝(第2の滝)、龍淵(ヨニョン)滝(第3の滝)が調和して、冬登山を渇望する人々にとってこれ以上の楽しみはない。

周王山以外にも名山が列をなしている。高さ1106mで韓国を代表する山脈である小白(ソベク)山脈の中心をなす主屹(チュフル)山は、朝鮮時代にソンビ(学者)が出世のために漢陽(今のソウル)に行く道にある聞慶セジェに位置する山で、特に雪に覆われた冬の秘境として人気だ。

周辺には見所も多い。聞慶セジェの歴史を描いた「古道博物館」では、400年前、聞慶セジェを通った人たちの服飾をはじめ、16世紀の聞慶の歴史を様々な展示物で会うことができる。韓流ファンならドラマセット場も見逃せない。「根の深い木」をはじめ、「太祖王健」、「チュノ」などが撮影された場所で、朝鮮時代を背景に景福宮と朝鮮時代の市場通りなど、約130棟の大規模なセットが朝鮮時代への時間旅行へといざなう。

 

河回村・良洞村、静かな韓屋の趣があふれる

慶尚北道を訪れるなら韓国の歴史と伝統も欠かせないテーマとなる。代表格は慶州の仏国寺に代表される統一新羅時代の歴史遺産だが、最近では生きた韓国の伝統と出会える韓屋村がさらに大きな人気を誇っているため、他の人とは違う感性の慶尚北道の冬の旅行を楽しみにしている人には韓屋村がたいへんうれしいコースとなる。

最大の魅力は、生きた歴史と出会えるということ。博物館のようにその痕跡だけが残って歴史を伝えるのではなく、数百年の伝統が現在進行形で生きている韓屋村が韓国的な美を伝えている。

 

경상북도_서브01_안동하회마을

 

韓屋村の代表格は、慶尚北道安東市に位置する河回(ハフェ)マウルだ。ユネスコだけでなく、世界の人々が感嘆して賛辞を惜しまない韓屋村をはじめ、韓国の「興」の情緒を秘めた安東河回仮面など、美しい韓国的情緒を五感で満喫できるため、多くの観光客が訪れる名所だ。

安東河回マウルは、2010年8月にユネスコ世界遺産に登録された。美しい洛東江(ナクトンガン)が村を抱くように流れることから「河回マウル」と呼ばれる。簡単に河回マウルを紹介すると、豊山(プンサン)柳(リュ)氏の家門が600年間代々暮らしてきた韓国を代表する同姓村だ。朝鮮時代の儒学者である柳雲龍(リュウンリョン)と、壬辰倭乱(文禄慶長の役)の時に領議政を務めた柳成龍(リュ・ソンリョン)の兄弟が生まれた場所としても有名で、韓流スターのリュ・シウォンがこの家の子孫であることでさらに有名になった。600年前の姿をそのままに残しており、その歴史的価値を認められて2010年に世界遺産に登録され、全世界にその名をとどろかせた。

知っている人も多いだろうが、河回マウルは単なる歴史遺跡ではない。河回マウルには現在も豊山柳氏家門の子孫たちが代を継いで生活を営んでおり、村のほとんどの韓屋は実際に生活する住居の用途に活用されている。河回村で騒いだり、開放された韓屋だからといっても奥深く入っていくと、韓屋で住んでいる地元の迷惑になることもあり得るため、観覧にも配慮が必要だ。

この村で最初に建てられた豊山柳氏の本家となる「養眞堂(ヤンジンダン)」は、当時の柳家の威容を見ることができる所だ。宝物306号に指定された養眞堂は村を代表する家屋で、正面4間、側面3間の小さくない規模と立派な軒を持った八作屋根が韓屋固有の伝統美を見せている。

「忠孝堂(チュンヒョダン)」も見どころだ。韓屋自体の美しさも絶品だが、1999年4月21日、英国の女王エリザベス2世が訪問してより有名になった。現在も当時の英国女王の訪問の痕跡を残しているが、入口には、女王が植えた記念樹が、母屋には女王のために別途に設置した床もある。

 

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慶州市の良洞(ヤンドン)マウルも河回村に負けていない。慶州良洞マウルは慶州孫(ソン)氏と麗江(イェガン)李氏の両家が約500年間住み続けている、慶尚北道だけでなく韓国を代表する伝統村で、1984年12月20日、村全体が国家指定文化祭(重要民俗資料第189号)に指定されるほどで、2010年度には河回マウルに一歩先立ってユネスコ世界遺産に登録され、韓国を代表する観光名所隊列に上った名物だ。

見どころはやはり、韓屋の姿だ。韓国最大規模の代表的な朝鮮時代の同姓集落で、多くの朝鮮時代の上流住宅など、500年を超える古色蒼然した54戸の古瓦家と、これを取り囲んでいる約110軒のわらぶき屋根の家で構成されている。両班の家屋は高台に位置し、低地帯には使用人の住宅が両班家屋を取り囲む形で建っているのも興味深い。

良洞マウルならではの体験プログラムも一品だ。朝鮮時代の儒教の伝統文化や習慣などを体験できる教育プログラムがあり、慶尚北道の冬の旅行に必須コースとして訪ねる価値がある。

 

冷たい冬の風と旅行の疲れ、蔚珍の名品温泉で解こう

慶尚北道が冬の旅行の名所であるだけに、冬ならではの体験がないとさびしい。美しい冬の風景を背景に、ヒーリングと余裕が味わえる名品温泉が慶尚北道蔚珍に位置するため、旅の疲れを癒すのにぴったりだ。

慶尚北道自慢の温泉は、白岩(ペガム)温泉と徳邱(トック)温泉だ。蔚珍郡温井面蘇台里の白岩温泉は韓国唯一の硫黄温泉で、高麗時代にはすでに温泉浴場がつくられたという歴史を持ったところだ。鹿を追っていた猟師が発見したという白岩温泉の由来も興味深い。時は新羅時代、一人の猟師が弓で鹿をしとめたが、鹿がいつのまにか傷を癒して逃げていった。その場を見てみると、お湯が湧き出ていたというのだ。1610年、判中樞府事(朝鮮時代の官職)奇自獻(キ・ジャホン)が病を治療するために平海の地にある温泉で入浴することを要請し、時の王・光海君が行って治療して来るようにと休暇を与えたという記録もある。

白岩温泉は無色無臭なアルカリ性温泉で、沸いた時の温度が53度にもなるため、韓国の他の温泉のようにさらに温める必要がない。フッ素、水酸化ナトリウム、塩化カルシウムなど、体に有益な様々な要素が含まれており、慢性皮膚炎、子宮内膜炎、婦人病、中風、動脈硬化、喘息などの効果があるとされている。

女性には特に人気だ。特有の硫黄温泉成分によって保湿効果が卓越で、一度の入浴だけで肌がなめらかになるのを実感することができ、入浴後別にローションを塗らなくてもよいほどだ。白岩温泉の周辺が観光特区に指定されているだけに、天然温泉を満喫できるホテルと多彩な温泉が並んでおり、慶尚北道旅行の荷を解くにもぴったりだ。

 

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徳邱温泉も慶尚北道名品温泉に欠かせない。韓国唯一の自然湧出温泉である「徳邱温泉」は、鷹峰山(ウンボンサン)の裾に位置し、国内では珍しく地下500mから自然湧く自然湧出の水を温めずにそのまま温泉に使用する所で、1年を通して41・8度を維持する温泉だ。2003年にスパとプールを楽しむことができるレクリエーション温泉に生まれ変わり、家族や恋人同士、女性旅行客に絶対的な支持を受ける温泉リゾートだ。

徳邱温泉の中核施設は「スパワールド」と名づけられたスパ施設。既存の温泉施設に超近代的な気泡浴、ボディマッサージ、アクアポケット、子供スライダー、4つの露天風呂などを備えている。冬には雪が降ると冬の風の爽やかさと鷹峰山の風情によって、露天で楽しむ温泉は気持ちよいため、徳邱温泉を訪ねたら必須体験コースだ。

温泉水としての効果も少なくない。徳邱温泉の水は、カリウム、カルシウム、重炭酸ナトリウムなどの有益なミネラルが含まれた弱アルカリ性で、神経痛、リウマチ、筋肉痛、皮膚病、糖尿病、女性の肌の美容などに効果があることが知られており、特に運動、登山による筋肉の神経麻痺は、さらに特別な効果が期待できる。好ましくは2~3日続けて入浴するとより効果があるため、慶尚北道ヒーリング旅行を探している人には最良の選択になる。

 

慶尚北道名物・郷土料理、冬の珍味に保養食にもぴったり

韓国内でも個性的な味の名所として知られる慶尚北道を訪ねる旅なだけに、名物料理が欠かせない。冬の珍味に加え、冬の保養食にはぴったりの貴重な料理が慶尚北道全域で味わえるため、珍味を探す美食の旅のテーマだけでも、慶尚北道を訪ねる価値はあって余りある。

 

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冬の代表珍味は韓国最高の日の出の名所である虎尾岬(ホミゴッ)が位置する浦項(ポハン)のクァメギだ。クァメギを簡単に説明すると、浦項の清浄海域で獲れた新鮮なサンマをマイナス10度の冷凍状態にしてから冬季の外に干し、自然な状態で冷凍・解凍を繰り返した干し魚だ。昔、宮中の高蛋白食品として献上されたほどで、不飽和脂肪酸であるEPAとDHAの含有量が多く、最近は栄養食としても人気だ。二日酔いの解消や成人病の予防、老化抑制、成長、美容に優れた効果があり、健康食としてまで絶賛される浦項の代表グルメだ。旬は11月から3月まで。

普通の硬い干し魚とは違ってしっとりとした脂が残って柔らかい肉質が特徴のクァメギをおいしく味わうには、食べ方も知っておくのがよいだろう。食べ方は意外にシンプル。海苔一枚と白菜の一枚を敷いて、その上に酢唐辛子味噌を塗ったクァメギを載せる。続いて味噌をつけた唐辛子とネギ、ニンニクを載せ、最後にワカメを載せて食べればよい。

味は意外性がある。脂がのったクァメギを見て脂っこそうだと思うかもしれないが、舌先で香ばしさを感じ、口の中で柔らかくサンマの食感と香ばしい海苔の味とが調和して、潮の香りが感じられ、思わず箸は次のクァメギを白菜の上に載せてしまう。

 

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クァメギを味わうなら、浦項の竹島市場(チュットシジャン)を訪ねるのが一番だ。値段は、野菜や調味料をセットにして、クァメギ7匹を入れた皿が約2万ウォン。白菜と海苔、わかめ、唐辛子、ネギ、ニンニク、そしてたれの酢唐辛子味噌と唐辛子味噌がテーブルいっぱいに並べられ、酒好きならクァメギ一口に韓国焼酎一杯の誘惑を振り切るのは至難の業だ。

盈徳(ヨンドク)郡と蔚珍郡の冬の名物であるズワイガニも一品だ。いずれも韓国最大のズワイガニの生産地で、港の魚市場を中心に捕れたての新鮮な東海岸のズワイガニを様々な料理で味わうことができ、毎年冬になると美食家たちが集まってくる。

代表メニューは蒸しズワイガニだ。生きているカニに真水をかけて気絶させ、腹を上向きにして蒸すのが盈徳と蔚珍ならではの料理法だ。肉は甘みがありながらもしょっぱく、もっちりしていながらも柔らかく、口の中でとろけるようだ。硬い甲羅の中に隠された甘いかに味噌を味わうのも楽しみの一つだ。食べ方が面倒だとカニ料理を嫌う人々がいるが、要領さえ分かれば簡単だ。節の横をはさみで軽く切り、折り曲げてそおっと引っ張ると中身がするっと抜ける。かに味噌はそのまま食べてもコクが一品だが、ごま油と海苔の粉と一緒にチャーハンにすると子供たちの口によく合う。値段は時期と目方によって異なるが、基本的にな一匹あたり10万ウォンくらいと考えれば充分だ。

 

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この他にも聞慶市のナマズメウンタン、清道郡のドジョウ鍋、亀尾市の鯉の煮付けなど、淡水魚を使った珍しい特産料理もあり、美食家を自認するならクァメギとズワイガニのほかにも味わってみることをお勧めする。

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Information

慶尚北道までは、韓国の南の玄関口である釜山金海国際空港と大邱国際空港が便利だ。ソウルからは、高速鉄道KTXが慶尚北道内の交通拠点である慶州の新慶州駅までわずか2時間台で到着し、ソウルから日帰り旅行も可能だ。慶尚北道観光の詳細については、慶尚北道観光公社公式サイト(http://www.gtc.co.kr)で確認できる。

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