懐かしくも新しい注目の通り「マンリダンギル」を行く

2019年02月26日

常に躍動的に開発が進むソウル。都市開発という名で訪れるたびに新しいビルが建ち、街の風景が一変してしまうことが多いのですが、昔ながらの街並みが残されるなか、そのビルや建物を生かして個性的なカフェ、小物店、バーがある場所として注目されているのが麻浦(マポ)区にある望理団(マンリダン)ギル。ソウル市民の台所として愛されている在来市場「望遠市場」の周辺を歩くと、昔ながらの商店の中におしゃれで個性的な店が入り混じっていて、SNSにアップしようと、カップルや流行に敏感な女子たちであふれています。今話題の「マンリダンギル」とはどんな所なのか、探検してみました。
文/大成直子記者

ソウルの中心部から少し西側に位置する麻浦区のマンリダンギル。どこかで聞いたような? と思わせる地名ですが、実は住所上にそんな名前はありません。~リダンギルという名前は、レトロな風景を生かして、今風の感性を満足させるカフェや、個性的なバーなどが集まった通りを表す俗語です。これは、ソウルの梨泰院(イテウォン)にある陸軍中央経理団(現在は国軍財政管理団と変更)がある通りである「経理団ギル」がおしゃれな通りとして知られるようになり、その影響から、望遠(マンウォン)洞の頭文字「望(マン)」をとった「マンリダンギル」をはじめとする新しい「~リダンギル」が続々と誕生しています。江南にある「ソンリダンギル(松波洞)」や、慶州の「ファンリダンギル(皇南洞)」、全州の「ケッリダンギル(多佳洞客舎)」など、それぞれの地域の特徴を生かし、SNSなどで注目を集めています。

今日訪問したマンリダンギルは、ソウル地下鉄6号線望遠駅の2番出口から出て、右手にある道路から中に向かう道沿いに10分ほど入っていくと、望遠市場が出てきます。威勢のいい魚屋や、八百屋さんを見ながら市場のアーケードを過ぎたあたりのその周辺が、今日の目的地であるマンリダンギルです。いろいろなお店がずらりと並んでいる華やかな通りではないものの、カメラを片手に歩く韓国のカップルたちが向かっている道沿いにきらりと光るお店が一つひとつ見えてきます。

 

お茶碗と箸韓国の家庭料理が味わえる

「福春亭」

1

マンリダンギルのおいしい店を探そうと、駅の周辺を歩いてみると、手作りバーガーや寿司屋、カレー専門店にベトナムフォーの専門店など、種類も国際色も豊富です。そんな中、隠れたグルメの店として有名な「福春亭」に向かいました。漢字で書いてある看板から、中華料理の店では? と思ったものの、季節の材料で作る韓国家庭料理のお店と表記を確認し、中へと進みます。

一般住宅の半地下空間にあるこのお店では、ランチには定食を、夜にはお酒とその日の食材でアレンジされた料理が楽しめる、マンリダンギルの一人酒愛好家たちの小さなアジトだそう。

店の中にはテーブルが5つ。その日準備された食材が終わるとランチが終わるようになっていて、この日は1時にランチが終わってしまいました。日替わりの「今日の定食(8千ウォン/約800円)」と、「季節の食材の炊き込みご飯定食(9千ウォン/約900円)」の2つがランチメニュー。この日の炊き込みご飯はコマク(灰貝)という貝入りのご飯で、ひらめの煮付けと豚肉の野菜炒めがメインのおかず。その他にはサラダやキムチ、ナムルなど、7種類の小皿に白菜のスープが出てきました。食器一つひとつも女性がうれしくなるかわいい食器で運ばれます。

全体的に味付けは辛すぎず淡白で、健康的。家でオンマ(お母さん)が作ってくれるような料理です。これは、すぐ近くにある望遠市場でその日の新鮮な旬の食材を購入して、健康的な家庭料理を作りたいというシェフの思いがこもっているため。

夜には、「誰も知らない今日のサラダ」や「一人でも楽しい今日の一人酒セット」など、何が出てくるか楽しみになるメニューも準備されているので、仲のいい友人とゆっくりと夜メニューを楽しむのもいいかもしれません。

福春亭(복춘정)
麻浦区ワールドカップ路21ギル18 TEL:02-323-4545
営業時間:ランチ11:30~15:00、ディナー18:00~01:00 毎日営業

コ-ヒ-ブレイクアイコンかわいくて飲めない! ラッテ・アート

「ビバサロン」

2

お姫様がいそうなキラキラしたカフェや、昔ながらの美容室の情緒が漂うカフェ、3階建ての建物の各階が違うコンセプトになっているカフェなど、探し出すときりがない「インスタ映えしそうなカフェ」が多いマンリダンギル。その中で、赤い外見と、かわいい小物がガラス越しに見えるインテリアがユニークなカフェ「ビバサロン」。

ここは大人向けのおもちゃ屋さんというコンセプトで、ウイットに富んだおもちゃに出会える場所。ディズニーのプリンセスからミッキーマウスなどのキャラクター、それにスヌーピーやトトロやポケモンなど、日本でもよく見かけるキャラクターのかわいいぬいぐるみをはじめ、メモやイヤリング、キーホルダーなど、店内の半分はかわいい小物やおもちゃでいっぱいです。

こんな雑貨を購入する楽しみと共に、その半分のスペースでは、モンスターやスヌーピーが描かれた(載っている?)ラッテを楽しめるカフェ空間となっています。バニララッテやグリーンティーラッテ、チョコラッテなどの上に、固めの生クリームが乗せられ、その上にスヌーピーやチャーリーブラウン、モンスターなどのキャラクターがかわいく描かれます。ラッテの種類によって描かれるキャラクターは違うものの、選んだドリンクに自分が好きなキャラクターへの変更も可能です。ラッテは6千ウォン(約600円)。

トレイの上には、かわいい飲み物と共に、小さなキャラクターのおもちゃが添えられて出てきます。記念撮影せずにはいられなくなる演出といえます。

ラッテのお味は…というと、上の生クリームが基本的に甘いので、甘いのは苦手という方は、普通のアメリカンがお薦めですが、せっかくなのでかわいい写真を残したい方はラッテを推薦します。

ビバサロン(비바쌀롱)
麻浦区圃隠路84 TEL:02-333-7575
営業時間:11:00~22:00 毎日営業

クマのぬいぐるみアイコン隠れたかわいい雑貨店

「ポロンポロン雑貨店」

3-1

お腹が満たされたら、ぶらぶらと歩いてみましょう。小さなお店が並ぶ中、それぞれの個性がしっかり感じられる小物、雑貨店が多いのもここマンリダンギルの魅力。

ラブリーな食器でいっぱいの「ポロンポロン雑貨店」は、小さなビルの2階にあり、普通の事務所ではないかと少し不安になる入り口の中を入ると、きれいな食器がところ狭しと並んでいます。ビンテージなボールやカップはもちろん、タンブラーやスプーンなど、レトロながら新しい感覚の商品は、ここマンリダンらしい雰囲気をかもし出します。暖かい家庭にありそうな素朴なキッチンを彩る、かわいいカップセットや、コースター、スプーンなどを見ているとあっという間に時間が過ぎます。

ポロンポロン雑貨店(포롱포롱 잡화점)
麻浦区喜雨亭路16ギル54, 2F
営業時間:平日14:00~19:30、週末14:00~20:00

カップケ-キアイコン1自動販売機? インスタ映え間違えなし

「ZAPANGI」

img_2422

普通のマンションの1階に、光るピンク色のクレープが並ぶ自動販売機。行きかう人たちが、そのかわいさのため写真を撮っているのが印象的です。カフェのようですが、入り口が見当たらない…と焦っていると、自動販売機が開いて、中から人が出てきました。そう、自動販売機が入り口だったんです。

中に入ると、かわいいピンク色と共に、無機質なコンクリートと、自然のグリーンが不思議な調和を演出しています。テーブルや椅子も一般的なものではなく、タイルや木材でつくられたシンプルな長いすの上に、小さなちゃぶ台とクッションが置かれています。

このカフェの代表メニューは、マーメイドのシッポが浮かぶホワイトチョコレートのカップケーキ。イチゴ、紫芋、チョコレート、コーヒーなど、カップケーキの上に載っているもので、その中身が分かるようになっているという説明を受けたものの、マーメイド? という疑問を浮かべながらイチゴのカップケーキを選択。クリームチーズ味のベースに、甘酸っぱいイチゴがたっぷりで一口食べると幸せ指数が上昇します。

ドリンクはミルクコーヒー、ミルク紅茶が人気メニューですが、甘いケーキにはアメリカンが一番。

入り口の自動販売機にも登場しているクレープもチェックしたい人気メニュー。ぶどう、イチゴ、みかんなどのフルーツがどんっ! と乗っているものや、マーメイド、ユニコーンなどの砂糖菓子がかわいいものなど、悩んでしまいますが、クレープ1つが1万3千ウォンから(約1300円)と結構高価。カップケーキとコーヒーでも(カップケーキ6500ウォン~、アメリカンなど飲み物5千ウォン~)充分かわいい写真が撮れます。

カップケーキの入れ物や、ケーキ用の木のスプーンなど、小さなところも気を抜かずかわいさをアピールしているので、満足いくまで写真を撮りながら過ごしたい空間です。

ZAPANGI
麻浦区ワールドカップ路13ギル79 TEL:02-325-8185
営業時間:10:00~23:00 毎日営業

mangridangil_map
Pocket

関連する記事はこちら

経済自由地区地図

韓・日・中・露をつなぐ最高価値のビジネスコンプレックス 東海岸圏経済自由区域

 東海岸圏経済自由区域(East coast Free Economic Zone)は、江原道が先端エコ素材産業や世界の観光・レジャー産業の育成、国際物流・ビジネス団地と国際都市造成を通じ、江原道東海岸地域を環日本海圏の経済中心地として建設するために開発されている経済自由区域(F…続きを読む

平昌郡守

「2018冬季五輪開催の地・平昌、世界的リゾート観光聖地として跳躍」

Special Interview   「2018冬季五輪開催の地・平昌、 世界的リゾート観光聖地として跳躍」   沈在國・平昌郡郡守   ソウルから東に90分余り、仁川空港から出発すると、3時間で到着する天恵の観光都市、江原道がある。江原道のいたる…続きを読む

IMG_0849

扶余・薯童蓮祭り体験記

千五百年の歴史、一千万輪の蓮の香り 扶余・薯童蓮祭り体験記 百済の最後の都であり、公州・益山と共に「百済文化遺跡地区」として世界遺産に登録された遺跡を有する街、扶余。世界遺産に登録された遺跡も興味深いが、それに劣らない魅力を持つのが宮南池。その宮南池で7月6日から15日まで「扶余…続きを読む

2017cityofyear

2017今年の観光都市

今年最も期待される地方都市の旅、2017今年の観光都市 2017年の韓国観光は 「光州南区・江陵市・高靈郡」へ! 「今年の観光都市」は、韓国政府文化体育観光部が、観光の潜在力が大きい韓国の中小都市3ヵ所を選定、体系的な地方観光産業の育成とマーケティング、そして国内外の観光客に新し…続きを読む

キムドンス庁長1

[インタビュー] キム・ドンス 東海岸圏経済自由区域庁長

Special Interview 「東北アジアをつなぐ 最高価値のビジネスコンプレックス、 東海岸圏経済自由区域です」 キム・ドンス 東海岸圏経済自由区域庁長         東海岸圏経済自由区域(East coast Free Economic Zone)…続きを読む

安東仮面劇

丸ごと楽しむ慶尚北道 ② 〈安東、聞慶、慶山〉伝統村、茶碗の故郷、韓方化粧品

 慶尚北道は韓国の精神 文化の中心地いわれる。ソンビとよばれる儒教の徳目を大成した人が多く住んでいた地域であるためだ。その中心は慶尚北道の中でも安東市にあるといって過言ではない。そして、安東の隣の聞慶にはソンビたちの出世にちなんだ歴史的遺跡があることで知られている。韓国人の間で「…続きを読む

IMG_9507

〈2019今年の観光都市〉お茶の香りと潮の香り漂う韓国の隠れた宝石…康津郡

 韓国の南端は海岸が入り組み、美しい海洋観光地として人気だ。統営、南海などは特に有名で、一度は名前を聞いたことがあるかもしれない。それでは康津(カンジン)はどうだろうか。その名前を聞いたことのある人も少ないかもしれない。しかし、2016年に「康津訪問の年」を自ら宣布し、来年201…続きを読む

閑麗水道眺望ケーブルカー

「閑麗水道の秘境を抱く韓国代表文化芸術都市、 統営市へようこそ!」

「閑麗水道の秘境を抱く韓国代表文化芸術都市、 統営市へようこそ!」   インタビュー: 金東鎭・統営市長    韓国の南端にある統営(トンヨン)は、昔からの歴史と海洋文化が息づく韓国3大美港の一つに数えられる。秀麗な海の絶景によって「韓国のナポリ」と賞賛され、…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02