春がこの上なく似合う場所、韓国・慶尚南道

2018年03月27日

경상남도_전체메인

山あり海ありの自然絶景に
韓国的な感性と伝統美まで、
ここが旅行理想郷!

「春がこの上なく似合う場所、韓国・慶尚南道」

韓半島の最南端。下にはコバルトブルーの南海が、上には名山・智異山が、東には韓国第2の都市であり、関門である釜山と向き合い、全部で8つの市と10の郡が位置する。海と山を網羅する巨大な大地には見どころがあふれる。南海に面した統営を中心とする南部圏は絶景の海の風景を見せてくれ、北西部圏に視線を移すと名山・智異山の気に満ちた韓国伝統の韓方体験とユネスコ世界遺産の威容まで満喫できる。個性的な自然の絶景をもとに、最も韓国的な文化と歴史を盛り込んだところが、ここ慶尚南道だ。慶尚南道の18の市郡のどこへ行っても韓国旅行の理想郷を体験できる。
文/李相直記者

 

海の絶景に全身で向かい合う・統営

慶尚南道・統営(トンヨン)は韓国を代表する美港だ。閑麗水道海上公園の東の青く澄んだ海が代表的な観光スポットで、海の上に点々と浮かぶ41の有人島と110の無人島が絶景を演出する。その中でも陸地と一体をなす弥勒島をはじめ、閑山島、小每勿島、長蛇島など美しい島が溢れている。一言で統営大橋と忠武大橋を行き来しながら目の前にする島と海だけで充分な楽しい旅行ができる場所が、ここ統営だ。

このような統営の海の絶景を楽しむなら、閑麗水道眺望ロープウェイがお勧めだ。統営ターミナルなどから市内バスが出ているため、公共交通機関の利用も便利だ。道路脇のバス停で降りてロープウェイ乗り場まで80mほど階段デッキを歩いて上がる。階段が負担になるならば、タクシーを利用してもよい。統営のいくつかの旅行地と閑麗水道眺望ロープウェイを巡る統営シティーツアーバスもよい選択肢だ。

バスやタクシーでロープウェイ乗り場に到着すると、弥勒山の8合目とを往来するロープウェイが目に入ってくる。1台の定員が8人で、合計47台が自動循環式に運行している。ロープウェイの路線だけで1975mに達する韓国で最も長いロープウェイだ。ゴンドラに乗った瞬間、統営旅行の白眉を実感することができる。窓の外に見える統営の景色には思わず感嘆の声がもれる。じょじょに高度を上げ、上部停留所に近づく頃には、閑麗水道の島々が見渡せる。統営の蛇梁島と閑山島はもちろん、巨済島まで気持ちよく見渡せる。足元には冬でも濃い緑が弥勒山を覆っている。10分がいつの間にか過ぎてしまう。

ロープウェイは、上部停留所の2階で乗客を降ろす。上部停留所は3階建てで、2階が停留所、3階が対馬展望台、1階がスナックバーと休憩デッキとなっている。各フロアはエレベーターで移動することができて便利だ。まず、晴れた日には九州の対馬まで見えるという対馬展望台に上がる。もし対馬が見えなくても物足りなく思うことはない。統営の西の海と島がその物足りなさを忘れさせくれる。広く開かれた視野が心のわだかまりさえ癒してくれる。1階のスナックバーで飲み物や軽食などを食べて休憩してもよい。室内は暖かいが、椅子が少し高いので、座って休むには外の休憩デッキがよい。向かい側には人工滝があり、そのそばに弥勒山の頂上に向かう階段がある。頂上までの短い登山が可能な区間だ。神仙台展望台、閑山大捷展望台、唐浦海戦展望台などを回って降りてくる。その中心には弥勒山の頂上に向かう道がある。階段式の登山道だが、頂上までの距離は短くても傾斜が急だ。無理するよりは5分の距離の神仙台展望台程度までの挑戦でもよいだろう。

A통영_서브01閑麗水道眺望ケーブルカーは統営を訪れる旅行者に人気が高い。人が多い時は、待機時間が長くなる。週末には、1〜2時間待たされるのもざらだ。それでも午後より午前が混雑するため、念頭においておくのがよいだろう。乗車券を買うと搭乗券の上に搭乗番号が出ており、搭乗の順序は販売所の電光掲示板に表示される。1時間あたり最大1000人を輸送するので、待ち時間を考慮して近くにある全爀林(チョン・ヒョンニム)美術館や統営国際音楽堂などに行ってきてもよい。どちらも2㎞以内にあり、比較的近い。

 

伝統韓方で心身を癒す・山清

慶尚南道・山清(サンチョン)郡は、韓国の伝統的な韓方の故郷と呼ばれる。ドラマ「許浚(ホジュン)」の主人公である韓方医学者・許浚が山清の名医・劉以泰(リュ・イテ)から医術を学び、許浚に代表される韓方の歴史が山清で始まったといっても過言ではない。山清郡にかかっている名山・智異山も韓方の生きた宝庫だ。智異山には1000種を超える薬草が自生し、韓医学関連の逸話と人物の話が無数に点在する。2013年にユネスコ世界記録遺産に登載された「東医宝鑑」の出版400周年を記念して、山清世界伝統医薬エキスポが開かれたのも、そのような背景があってのことだ。

東医宝鑑村は、山清世界伝統医薬エキスポが開かれたメイン会場であり、山清郡で韓方を五感で体験するには最高のスポットだ。王山の裾に青く広がる東医宝鑑村は、エキスポが終わってからは休養と癒しのスポットに変身した。

会場は大きく3つのセクションに分けられる。エキスポテーマ館と韓方医学博物館、薬草テーマ公園が位置するエリアはエキスポの主要な行事が行われた場所だ。体験学習を兼ねた家族単位の訪問客にお勧めだ。南は韓方気体験場と韓方自然休養林と東医本家に分けられる。韓方気体験場は亀鑑石、石鏡などがある東医宝鑑村の明堂だ。東医本家は韓方診療と長寿の秘訣体験などを兼ねる。3つの区域を行き来する道に許浚巡礼の道、鹿牧場、解剖洞窟などがあり、散策にはぴったりだ。

 

B산청_서브01

名物は、パワースポットとして人気の亀鑑石と石鏡だ。韓方気体験場のランドマークである亀鑑石は重量が127トンに達する岩で、この世の良いことがすべて書かれている。亀鑑石という名前は、岩がまるで亀の甲羅のような形をしていることから付けられた。亀鑑石に手や体を当てて気を受ける、亀鑑石の気を受けると願いが叶ったり、昇進したりする有名人が多く、出世を祈りにここを訪れる企業家や政治家が少なくないほどだ。

亀鑑石から少し上ったところには、石鏡もある。重さ60トンの石の鏡で、宇宙万物の理知を記した天符経81文字が刻まれている。石鏡は東を向いており、日の出の気をそのまま受ける。石鏡の下の部分に頭を当てると太陽の気が伝わる。亀鑑石と石鏡に体をつけていると、証明することはできないものの、バッテリーが充電されるように、体と頭が軽くなるのを感じることができるため、だまされたと思って体験してみよう。

B산청_서브02多彩な体験もある。東医宝鑑村ヒーリングアカデミーが開かれ、さまざまな体験ができる。特に東医本家の韓方体験が白眉だ。直接薬草を選んで薬草の香り袋や薬貼(ヤクチョプ)を作る体験が待っている。薬草の香り袋は熟睡や鼻炎などによい韓方薬を処方してもらい、福袋に入れる。薬貼とは、伝統的な薬草の包装方法で、十全大補湯や雙和湯などの薬剤を薬貼に包む体験ができる。すべて韓方医学専門医の専門指導をもとに構成され、安心して韓方の効力が楽しめる。

東医宝鑑村の他にも、山清の南沙イェダム村もよく知られている。南沙イェダム村は「韓国で最も美しい村連合会」が選定した「韓国で最も美しい村第1号」だ。崔氏古家、李氏古家、泗陽精舍など古風な文化財の家屋が並び、その間を古い塀の道が通り、奥ゆかしい趣を加える。李氏古家の前の石垣には、両側から2本の樹齢300年のエンジュの木がダンスをするように交差する珍しい風景が演出され、インスタ映えする記念写真を残すのにぴったりだ。

 

壮大な大河小説の舞台に立つ・河東

慶尚南道と全羅南道を横切って流れる蟾津江(ソムジンガン)。その蟾津江の右側に位置するのが、韓国国民が愛してやまない大河小説「土地」の舞台となった河東(ハドン)郡だ。河東郡では広い平野が迎える。韓国南部圏の代表的な平野で、蟾津江の流れに沿ってどこまでも広がる田畑が韓国的田園風景を見せる。

C하동_서브01このような河東の穀倉地帯を舞台にして、小説「土地」が生まれた。この小説の舞台を満喫できるのが、河東郡岳陽面にある崔参判宅(チェチャムパンテク)だ。崔参判は小説「土地」に登場する多くの土地を持つ村の富豪。河東で名の知れた金持ちで、彼が住む巨大な韓屋が崔参判宅だ。
河東に崔参判宅が建てられたのは1980年代後半のこと。大河小説「土地」をテレビドラマ化するセットが必要となり、小説の中に登場した河東岳陽面平沙里に小説の中の記述そのままのオープンセットをつくったのが始まりだ。

ドラマは1987年から3年間、KBSを通じて放送され、爆発的なヒットを記録した。崔参判宅のセットもドラマの人気に乗って、30年間、河東郡の代表的な観光名所として残っている。

崔参判宅の中に入ると、軒下にかかったトウモロコシや壁の農機具などが昔の田舎の家の雰囲気を醸し出す。庭で最初に足が行くのがサランチェだ。サランチェは主人の崔参判が生活した家屋だ。楼閣がついたL字型の構造。この家屋がよい理由は、楼閣に上がってみると分かる。村で一番高いところにある崔参判宅の中でも正面に広大な田畑がひと目で見渡せる位置にあるのだ。小説を想像してつくったセットでありながら、地主として小作農を監視するのにこれほどの場所はないと思われる絶妙な演出だ。

崔参判宅の隣にもドラマ「土地」を撮影する時につくった他のオープンセットが残っている。崔参判と交わる庶民たちが集まって住んでいた草家がそのまま残っている。草家ごとに劇中の人物の写真と名前が掛けられ、劇中のセリフまで書かれていて、ドラマのワンシーンを見るようだ。

崔参判宅の裏に続く観覧コースに沿って行くと、小さな博物館の平沙里文学館が現れる。小説「土地」に関する詳細な説明と共に、原作者である朴景利(パク・キョンニ)の作品集が展示されている。

 

C하동_서브02

河東郡旅行にはグルメも欠かせない。特に蟾津江で獲れたシジミが韓国第一の名産地として挙げられる。シジミでつくる代表的な河東の料理はシジミ汁。シジミを殻ごと入れてじっくり煮込んだスープは、真っ白な色を帯びているが、特別な調味料なしでみじん切りにしたニラを入れ、塩で味付けして食べる。刺激的ではないシンプルで深い味わいで、食べた後、また思い出して食べたくなる中毒性がある。シジミ汁がついた定食は、河東郡蟾津江の川辺の食堂で食べられる。一人7千ウォンほどなので、お財布の心配もいらない。

 

古風な韓屋古宅が伝える韓国美・咸陽

韓国で両班の故郷を挙げる時によくいわれるのが、「左安東、右咸陽」という言葉。咸陽も安東に劣らない両班の故郷というわけだ。特に朝鮮性理学の大家である一蠹(イルドゥ)・鄭汝昌(チョン・ヨチャン)の故郷であり、500年をはるかに超える歴史を誇る開平(ケピョン)村が咸陽(ハミャン)郡に位置し、最も韓国的な観光スポットとして国内外の観光客の注目を浴びている。

咸陽郡池谷面に位置する開平村は、朝鮮時代の性理学を代表する偉人として仰がれる一蠹・鄭汝昌が生まれ育ったところ。村には、彼の本家である一蠹古宅をはじめ、数百年の間に伝えられてきた歴史的な古宅が並んでいる。

 

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特に、一蠹古宅は開平村を代表する古宅。鄭汝昌がこの世を去ってから100年が経過した後、彼の子孫たちが再建した。古宅は、元は17棟の建物があったが、現在ではサランチェ、アンチェ、ムンガンチェ、祠堂など12棟の建物だけが残っている。サランチェとアンチェは朝鮮後期に改修されて、今に至る。

古宅の入り口の高い門の中には紅箭門と赤い木版に白い文字が書かれた5つの扁額が目を引く。この扁額は国から下賜した忠孝旌閭(忠臣・孝子・烈女が住んでいた家に赤い色を塗った正門を立てて表彰すること)で、家門の誇りであり、誇りを表現する一つのしるしだ。一蠹・鄭汝昌の祖父をはじめ、子孫が下賜された旌閭がなんと5つ。一つの家門で旌閭を5つも受けるのは非常にまれなことだ。

庭に入ると高い基壇の上に乗ったサランチェが最初に目を引く。一筆書きで書いた「忠孝節義」という文がサランチェの壁にかかっており、素朴だが威厳を示す屋根が家の中で最も上の人が生活する空間であることを物語る。

サランチェは男性の空間であり、女性はアンチェという空間で生活する。男女有別という儒教の教えに従い、朝鮮時代には男女の空間がはっきりと分けられていた。アンチェに入るには、一脚門と中門を通過しなければならない。至るのは容易ではないが、中に入ると広々とした明るい空間にきれいな芝生が敷かれており、朝鮮時代の閉鎖的な女性の空間とは思えないのが不思議だ。

一蠹古宅の入り口には、一蠹広報館が新設した。一蠹・鄭汝昌の生涯と業績を知ることができる。一蠹広報館には、文化観光解説士が常駐し、事前予約(+ 82-55-960-5555/韓国語対応)すれば、一蠹古宅についての詳細な説明を聞くことができる。

D함양_서브02咸陽郡を旅行するなら千年の森と呼ばれる「上林」も覚えておこう。統一新羅末期に造成された韓国初の人工林で、天然記念物であり、咸陽8景のうち、第1景に選ばれた名所だ。真夏の猛烈な太陽も入り込めない緑豊かな森を歩きながら、全身で自然の気を感じることができる。森林の中心部に入るとケヤキ、ヒトツバタゴ、アベマキ、オーク、ハナミズキがいっぱいの巨大な森の中でヒーリングを満喫できる。軽いトレッキング気分で楽しめるポイントで、咸陽でアウトドア的感性に浸りたい人にぴったりだ。

 

近代に時間旅行し、世界遺産・大蔵経と出会う・陜川

慶尚南道・陜川(ハプチョン)は慶尚南道でも最も名がよく知られた観光地。ユネスコ世界記録遺産である大蔵経板が千年の間続いてきた陜川の海印寺(ヘインサ)に保存されており、歴史観光の名所として特に有名だが、最近では近代に時間旅行することができる新概念テーマパークが陜川にオープンし、観光客を呼んでいる。

テーマパークの名前は「陜川映像テーマパーク」。単純な観光地というより、映画やドラマの時代劇を撮影するためにつくられたセットをテーマパーク化したところだ。パークは7万5千㎡の敷地に日本統治時代の京城、韓国戦争で崩れた平壌、1970〜1980年代ソウルの主要な建物や街の風景を再現した。生まれる前の時代にタイムスリップし、しばらくその時代の人物になって、過ぎ去った時代に思いを馳せるには絶好の場所だ。

陜川映像テーマパークで撮影された作品は数えきれないほど多い。映画「ブラザーフッド」をはじめ、ドラマ「エデンの東」、「光と影」、「感激時代:闘神の誕生」、「カクシタル」、映画「マイウェイ12000キロの真実」、「モダンボーイ」、「サニー」、「暗殺」などをここで撮影した。日本統治時代や1970〜1980年代を背景にした作品は、ほとんど陜川映像テーマパークを経ているといっていいほどだ。広い敷地に約150棟の建物と通りが造成され、全体を見るには、ゆうに2〜3時間かかる。

過去への時間旅行は佳湖駅から始まる。テーマパークが位置する佳湖里からその名を取った切符売り場を駅の形にしたもの。駅舎にかかった時計は、針が逆に回る。駅を通過する瞬間、100年前への時間旅行が始まる。

最大の見所は、日本統治時代の京城を再現した1920年代のソウルの姿。鍾路警察署のセットから長く延びた通りは当時の小公洞の通りで、現在の明洞にあたる。今はロードショップや大型ホテルが立ち並ぶショッピング1番地の100年以上前の姿に出会えるため、観光客にはこの上なく新鮮だ。

 

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昔の制服を着て写真を撮る体験も人気だ。最近、全州韓屋村やソウルの故宮で韓服を着て写真を撮るのが流行しているが、ここでは思い出の制服を貸与してくれる。アンティークな通りで1970年の制服を着て、当時の人になりきることができるわけだ。制服は国都劇場の建物の中でレンタルでき、制服のほか日本統治時代を反映して着物や昔の軍服、将校の服などの特殊な服装もある。韓国の陜川に来て100年前の明洞通りで着物を着るという、少し前なら想像もできないようなことが現実になるので、ぜひ挑戦してみたい。

E합천_서브02千年古刹・海印寺も通り過ぎるには惜しいスポットだ。海印寺は華厳宗の本山で、世界記録遺産である「高麗大蔵経板および諸經板」、世界遺産である海「印寺蔵経板殿」など、国宝と宝物の両方を有する千年古刹。蔵経板殿は大蔵経板の保護のため、特別な行事を除いてはほとんど公開されていないが、海印寺から5㎞の距離に、大蔵経板の歴史を盛り込んだ「大蔵経テーマパーク」があるのがありがたい。大蔵経テーマパークは八万大蔵経の製作過程と意義を知ることができる展示館と体験場が設けられ、陜川の誇りであるユネスコ記録遺産・大蔵経に出会う最適のスポットだ。

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