私だけの秘密にしたいヒーリング聖地「江原道」 ~2 束草市 ~
海と山が作り出す美しい観光地とともに「おいしい」ものが待っている「束草市」
韓国を代表する美しい山「雪岳山(ソラクサン)」と青く輝く海「東海」、そしてここならではの特産品が楽しめる「中央市場」など、昔から避暑地として、観光地として有名な束草(ソクチョ)市は、先ほど訪問した襄陽郡から30分の距離にあります。江原道の中で一番面積が狭いのに、人口は約8万2千名と人口密度が高く、そこに国内外から多くの観光客が訪れるので活気が感じられます。
そんな束草市で最近注目されている場所が「パダヒャンギロ(海の香り路)」です。 ここは、2018年4月12日に65年ぶりに民間人の出入が可能になった場所。以前この外瓮峙(ウェオンチ)海岸は潜水艦で近づきやすく岩場となっていることから北朝鮮からの武装スパイが侵入したことがあり、海外線は鉄条網で囲まれ軍隊が見守っている場所でしたが、2年前に束草海岸から外瓮峙港へと続く1.74kmの海岸散策路として整備、パダヒャンギロと呼ばれ美しい海と安保観光ができるようになったことから多くの観光客が訪れるようになりました。昨年放送されたtvNの人気ドラマ『ボーイフレンド(남자친구)』の撮影場所となりさらに注目が集まりましたが、主人公のソン・ヘギョはこの路の上に立つホテルの代表、年下のボーイフレンドであり職員のパク・ボゴムとデートを楽しむ場面にも登場ました。
そして次の目的地「アバイマウル」へと向かいます。このアバイというのは江原道の言葉で「おじさん・おじいさん」を指す単語。朝鮮戦争の時に北朝鮮から非難してきた人たち(失郷民のおじさんたち)が暮らしはじめてできた村であり、今でもその家族たちが多く生活しています。ここを訪問する際にはケッペという渡し舟に乗って行き来しますが、韓流ドラマの中でも有名な「秋の童話」のロケ地として登場し注目を集めました。この船は乗る人が船の中央にある太いワイヤーをひっぱりながら移動させますが、5分ほどでアバイマウルへと到着します。ここでは北朝鮮由来のグルメが堪能できますが、やはり有名なのが村の名前が入った「アバイスンデ(豚の腸詰め)やオジンオスンデ(イカの腸詰め)、そしてトウモロコシのマッコリなどで、多くのお店で気軽に食べることができます。
少しお腹が膨れたなら、その近くにある「束草観光水産市場」へと歩いて移動します。ここも食べ歩きファンにはたまらない有名な料理でいっぱいの市場です。定番はなんといってもここが発祥となった「タッカンジョン」。その中でも有名なのが、1983年にこの束草市場で生まれ、全国の百貨店などにも進出した「萬石(マンソク)タッカンジョン」です。もともと「カンジョン」とは餅米を油で揚げてハチミツに浸した甘いお菓子ですが、それを鶏のから揚げで作ったこと大ヒットしました。そして、また新鮮な豚の腸やイカを使ったスンデももちろん並んでいますし季節がらなのかおいしそうなカニがたくさん並んでいます。江原道の特産品であるそばを使ったそば煎餠やあんこ入りのきび餅など、試食や買い食いを少しずつ食べてもはお腹は満足です。
そして、最近束草でインスタ栄えすると有目なカフェである「七星造船所(チルソンチョソンソ)」へ向かいます。 1952年、北朝鮮から来た船職人のチェさんが朝鮮戦争が終わると北朝鮮に戻ろうという思いから、北に近い束草に造船所を作りました。しかし、戻ることができず2017年まで3代にかけて造船所を運営しましたが、運営が厳しくなり弊店。しかし3代目のチェさんの孫が博物館兼カフェとしてリニューアルして現在にいたります。湾のような青草湖を見ながら、古い建物(造船所)とカフェ、そして庭からも湖をみながらゆったりとおいしいコーヒーが楽しめます。
そしてせっかく海辺の束草まできたのだから、おいしい海鮮物を十分楽しみたいもの。そこで刺身専門店が所狭しと並ぶ大浦(テポ)港で、刺身とカニが楽しめる「モグリ刺身店」を訪れることになりました。シーズンによって違うものの、巨大なズワイガニと紅ズワイガニの2種類の茹でかにが堪能できます。ここではカニを頼むとムルフェ(お刺身と野菜の和え物)やヒラメやタイなどの刺身、メウンタンなどたくさんの料理がサービスという値打ちのある食事が楽しめます。
▲アバイマウルへと向かうケッペ。地域住民は無料で、観光客は500ウォン
▲多くの人で賑わう束草水産市場。イカスンデ等が並ぶ
▲七星造船所。現在は博物館やカフェとして運営。
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