自然とアート、歴史にグルメ、楽しみ方いろいろ! 江原道・原州

2018年11月08日

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今年、平昌冬季オリンピックによって全世界にその名が知られるようになった江原道。その江原道という名称は、オリンピックの競技が行なわれた江陵の「江」と、原州の「原」をとって付けられた。江陵と原州は江原道を代表する地域だったというわけだ。そんな2都市のうち、今回は原州を訪ねてみた。

文/町野山宏記者

 

江原道というと少し遠いイメージがあるかもしれないが、意外と近いところにある。特に原州はソウルの清凉里駅と釜山を結ぶ中央線が通っており、ソウルから1時間弱で到着し、アクセスも抜群だ。この線も今年の末には移転するため、原州駅を利用できるのも今年いっぱいとなる。

IMG_9098 原州で最近人気を集めているのが、小金山(ソグムサン)のつり橋だ。艮峴(カニョン)観光地という昔からの自然観光地にあり、今年1月の開場以来、100日あまりですでに100万人の来場者を記録した。艮峴観光地は、南漢江の支流である蟾江(ソムガン)と三山川(サムサンチョン)が合流する地点にあり、川の両側に切り立った岩山が絶景をなし、川辺で水遊びも楽しめる避暑地だ。風光明媚な山河を眺めながら歩いていくと、山に登る階段が現れる。ジグザグにつくられた階段を登っていくが、けっこうな長さだ。韓国国内で最も高い釣り橋なだけに登る高さも並大抵のものではない。

やっと頂上に着くと、景色が一気に開ける。向かいに山がそびえ、眼下にはさきほど眺めた川が悠々と流れる。そして長いつり橋が姿を現す。その隣には、ガラスの床の展望台が延びており、スリルを満喫するおまけのアトラクションに、記念写真を撮ろうと列ができている。

さあ、いよいよつり橋を渡る。高さ100m、長さ200m、幅1・5mで、韓国国内最高・最長。つまり、最高のスリルを最も長い時間味わえるということだ。そして、橋の床は網状になって、下が見える。実際に渡りきれずにそのまま山を下りる人、途中で引き返してくる人も少なくないという。さらに、揺らそうとする人もいるため、スリルは倍加する。カメラもしっかり掴んでいないと飛んでいってしまうかもしれないので気をつけて。

艮峴観光地ではレールバイクも楽しめる。2011年に廃線となった中央線の線路を利用して、その上を四輪の自転車で走るレジャースポーツ。昔の艮峴駅から出発してトロッコ列車で折り返し地点の判垈(パンデ)駅まで行った後、レールバイクに乗って艮峴駅まで戻ってくる形だ。山の間を走り、川を渡る橋の上を走り、江原道の自然を満喫しながら、トンネルではレーザーショーが楽しめる。

原州の山をさらに奥へと入っていくと、リゾート地「オークバレー」があるが、そこには話題の美術館がある。「ミュージアムSAN」と名づけられた、自然と芸術と建築が調和した美術館だ。製紙で知られるハンソルグループが運営しており、韓国の伝統紙である韓紙に関する展示や韓国近代絵画、海外のアーティストによる現代美術など多様な作品が展示されている。なんといっても話題になったのは、世界的に有名な建築家の安藤忠雄が設計を担当したこと。安藤忠雄独特の建築要素が随所に見られ、建築自体の芸術的価値も高い。本館とは別途に入場料が必要だが、ジェームズ・タレル特別展示も見逃せない。光と空間のアーティストと呼ばれるタレルの展示室は、自然の風景と目の錯覚を利用した作品で、他ではできない体験をすることができるため、高い入場料を払っても見る価値はあるといえよう。

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江原道の歴史を訪ね市場グルメに舌鼓

山を後に原州の中心街を歩いてみよう。中心街には原州の歴史を物語る史跡が散在している。
まずは原州駅。1940年に開通した鉄道・中央線の駅で、蒸気機関車が走っていた頃の給水塔が残っている。蒸気機関車が走るためには石炭と共に水を定期的に補給する必要があり、各駅には給水塔が設置されていた。1950年代にディーゼル機関車の登場によってその役目を終え、今では使われていないが、2004年に登録文化財138号に指定され、60年以上前の姿を今に残す産業遺産として観光客の目を引いている。

新旧入り乱れた原州の街の中にも文化財が散在している。古いものから紹介していくと、まずは江原監営。監営とは朝鮮時代の官庁で、朝鮮八道のうち江原道の行政、司法、農政、軍事を司ったところだ。すなわち、原州はかつて江原道の中心であったわけだ。その後、朝鮮戦争などによって多くの建物が破壊されたが、2000年より補修・復元工事を開始し、8つの建物が復元された。

時代は日本統治時代に飛んで、次の古い建物は園洞(ウォンドン)聖堂。1913年に建てられたカトリックの聖堂だ。丸いドームが乗った鐘塔が美しい。残念ながら1950年に朝鮮戦争によって全焼し、1954年に再建したものではあるが、原州聖堂に対する韓国人たちの思いは深い。1970年代の民主化運動の最中、園洞聖堂の池學淳(チ・ハクスン)主教は、政府に抗議する宣言を掲げることで懲役刑に処されることとなる。しかし、それが民主化運動をさらに拡大させる契機となった。そのため、民主化運動の聖地として訪れる人も多い。

1934年に原州で最初に建てられた銀行の建物も残っており、現役でSC第一銀行の原州支店として使われている。日本による経済的侵略のための銀行として韓国では悪名高い朝鮮殖産銀行として建てられたものだが、当時の建築様式をよく残している貴重な遺産だ。

原州の市内で最近注目を浴びているのは原州中央市場だ。1960年代に始まった市場で、食料品から衣類、生活用品まで何でも揃う。韓国の田舎ならではの品揃えと安さ、そしてなんといっても人情が感じられ、見物をするだけでも楽しい。最近では老朽化し、大型の量販店などにその地位を奪われつつあるのが実情だが、この市場にも新しい風が吹いており、若者たちが集まるスポットとなっている。市場の2階を改装し、若者たちが彼らの趣向に合わせたおしゃれな店を次々にオープン。「迷路芸術市場」という名で話題を呼んでいる。カフェやアクセサリーなどの雑貨店、子供から大人まで楽しめる工芸体験の店など、一つひとつが足を留めるかわいさに満ちている。格子状になった店の並びが何通りも続き、その名のごとくまるで迷路のよう。すっかりその世界に迷い込んでみるのも楽しみの一つだ。

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そして原州中央市場を訪ねたら欠かすことができないのがグルメ。江原道のグルメといえば、名物のジャガイモを使ったオンシミや、そば粉を使ったマッククスなどがよく知られているが、牛肉も名品として知られている。その江原道産のおいしい韓牛が味わえるのが中央市場の牛肉通り。市場の狭い路地に市場の人たちが利用するようなローカルな食堂が並んでおり、入りにくいことこの上ないが、牛肉がリーズナブルに味わえるのが嬉しい。勇気を出して店のドアを開けてみよう。

もう一つ江原道で有名なグルメといえばマンドゥ(餃子)。原州でおいしいマンドゥが食べられるのが、同じく中央市場にある「原州キムチマンドゥ」。キムチの入ったマンドゥを蒸したりあげたりカルククスの中に入れたりといろいろな形で味わえる。なんといってもその場でつくったおいしいマンドゥを安く食べられるのが魅力だ。

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