東海岸圏経済自由区域(East coast Free Economic Zone)は、江原道が先端エコ素材産業や世界の観光・レジャー産業の育成、国際物流・ビジネス団地と国際都市造成を通じ、江原道東海岸地域を環日本海圏の経済中心地として建設するために開発されている経済自由区域(Free Economic Zone)の正式名称。江原道東海岸地域で外国人投資企業の経営環境と投資活動を完璧にサポートする、韓国、日本、ロシアをカバーする最高価値のビジネスコンプレックスだ。
文/李相直記者
資料提供/東海岸圏経済自由区域庁
江原道は、様々な見どころとアクティビティがある大韓民国の観光1番地である。山と海を持つ清浄な環境で、アウトドアの聖地、リゾートの聖地として早くから国内外の観光客の足が絶えないスポットとなって久しい。それだけではない。2018平昌冬季オリンピックの開催地として、世界の人々の耳目まで集中させる予定の、これ以上の説明が必要ないホットプレイスだ。
この評判の江原道に超大型の産業団地である東海岸圏経済自由区域が位置する。東海岸圏経済自由区域は、2013年2月、江原道の新成長動力事業として出発した。北東アジア市場の経済交流、経済発展を促進するために、江原道の江陵市と東海市一帯8.25㎢を対象として、2024年まで総費用1兆3075億ウォンが投資されるマンモス級プロジェクトだ。
単位地区としては、江陵市邱井グローバル定住教育文化地区、江陵市玉渓非鉄金属素材部品融合複合地区、東海市望祥フォーシーズン海洋複合名品観光地区、東海市北坪国際物流ビジネス地区の4ヵ地域として開発されている。4ヵ地域は、先端素材産業とフェロアロイ(ferroalloy)産業などを誘致し、韓国最高の海洋観光地である望祥海水浴場を拠点とする海洋観光レジャー団地造成と、背後団地としてR&Dセンター、外国教育機関や医療機関などを誘致し、産業と観光が連携した外国企業が最も起業しやすい経営環境と最適な定住環境をサポートする予定だ。
何よりも立地的メリットが格別だ。韓国政府が現在進めている8ヵ経済自由区域のうち、韓国と日本、ロシア、中国の北東アジア4ヵ国のすべてをカバーする最適の立地を誇っている。地理的立地だけではない。東海岸圏経済自由区域が位置する江原道東海岸圏は、超軽量素材産業の発展の根幹となる非鉄金属鉱物資源の宝庫だ。資源的な潜在力をもとに、2018年に開催される平昌冬季五輪のインフラ整備が急速に行われ、東海岸圏経済自由区域内外での交通物流網まで画期的に改善され、韓国内の8つの経済自由区域の中で、最も造成環境が優れているという評価を得ている。
周辺国の開発計画と一脈相通じる部分も、東海岸圏経済自由区域の価値を証明するポイントだ。中国の長吉図(長春‐吉林‐図們江)開発計画を筆頭に、ロシアの極東地域開発計画、日本の広域経済圏開発計画の中心舞台に東海岸圏経済自由区域が立地しており、北東アジア経済圏の活性化の求心点の役割を果たすものと見られる。
先端産業から観光産業をカバーする4ヵ開発区のコンセプトに注目
東海岸圏経済自由区域は、合わせて4ヵ地域、4つのコンセプトに基づいて開発される。物流と国際的なビジネスの軸となる「東海市北坪国際物流ビジネス地区」を筆頭に、レクリエーションや医療、観光タウンを組み合わせた国際的な観光地区である「東海市望祥フォーシーズン海洋複合名品観光地区」、エコ素材産業クラスターを目指す「江陵市玉渓非鉄金属素材部品融合複合地区」に加え、定住型の教育・文化地区である「江陵市邱井グローバル定住教育文化地区」まで加わり、特化した開発が行われる予定だ。
まず、「東海市北坪国際物流ビジネス地区」は、物流、国際ビジネスの中心地区として東海港を中心に造成される予定だ。地区内にフェロアロイ工業用地と流通施設用地、物流ビジネス用地、外国企業専用の賃貸団地および外国人専用住宅団地と先端素材部品産業用地として開発する計画で、特に韓国、中国、日本の3ヵ国とロシア極東地域など、北東アジア経済が成長し続け、北極航路時代が開かれれば、北東アジアの物流中心地としての成長が期待される地域だ。
東海市望祥洞に造成された「東海市望祥フォーシーズン海洋複合名品観光地区」は、国際観光、レジャーコンセプト地域である。韓国最高の海岸である望祥海水浴場など、東海岸周辺の観光地と連携した高級海上レジャー休養観光地を造成するために、まず第1段階としてテーマパーク、高級宿泊施設、スパ&セラピーセンターなどの国際休養団地を建設し、望祥海水浴場を含む2~3段階地域のゴルフ場やマリーナなどの海洋複合レジャー団地を造成する計画だ。
特に、2018平昌冬季オリンピック誘致によって、江原道東海岸への関心と観光投資需要の増加およびクルーズ運航などの相乗効果が期待されており、特化した観光コンセプトを活用して、中国とロシア地域の高級観光客がこの地域を訪問することを期待して、投資の見通しをさらに明るくしている。
東海市北坪国際物流ビジネス地区(左)と東海市望祥フォーシーズン海洋複合名品観光地区(右)
「江陵市玉渓非鉄金属素材部品融合複合地区」は、非鉄金属クラスターとして造成される。東海高速道路の玉溪ICを中心に新素材施設用地や研究施設用地が計画されており、地区の右側に、韓国最大の製鉄企業であるポスコ(POSCO)が運営しているマグネシウム製錬所がある玉溪第1産業団地と、その上、亜鉛(spelter)世界3位の企業である永豊の亜鉛製錬所の建設が進んでいる玉溪第2産業団地の2ヵ団地を軸に、マグネシウム、チタン、リチウムなどの非鉄金属製錬および自動車部品のダイカストなどの関連企業とR&Dセンターを積極的に誘致し、韓国最大の非鉄金属クラスターを夢見ている。
東海岸圏経済自由区域の中核となる定住地区である江陵「江陵市邱井グローバル定住教育文化地区」は、外国企業の自由な投資と経営活動を確保するための背後都市として、江陵市のエコモデル都市と連携して造成される。
定住環境が良好な地域の南に低層低密度の一戸建て住宅用地やタワーマンションなどの共同住宅用地を配置し、地区の中心部の近隣公園や水辺公園など緑地空間の比率を高め、入居者がより快適な生活ができるようにニュータウンを計画している。
定住を目的とした地区であるだけに、東海岸圏経済自由区域全体の教育、文化地区としての機能も担っている。外国人学校、外国人専門の病院や住宅・商業施設を重点誘致し、東海岸圏を代表する国際都市として成長する予定だ。
江陵市玉渓非鉄金属素材部品融合複合地区(左)と江陵市邱井グローバル定住教育文化地区(右)
税の減免、外国為替取引、基盤施設の支援など、幅広いインセンティブ
韓国政府が積極的に外国人投資及び企業誘致を進めている経済自由区域であるだけに、様々なインセンティブも提供される。外国人投資企業に対する関税、法人税など、国税と地方税の免除を含め、投資相談から事業施行までの全過程に加え、プロジェクトマネージャーのワンストップサービスまで幅広いインセンティブが待っている。
まず、租税減免の恩恵が大きい。法人税と所得税はそれぞれ3年間で100%、2年間では50%が免除される。輸入資本財に限っては、関税も5年間100%免除される。取得税と固定資産税も、15年間100%免除される租税特別法を施行している。
企業の新設や移転時の立地もサポートする。東海岸圏経済自由区域内の土地購入時に、土地造成原価で購入することができるように特恵を提供し、土地の賃貸の場合も、50年間のリースを確保し、家賃も敷地価額の10/1000レベルで提供する。また、基盤施設が必要な場合には、国費や道・市費を使って100%国庫によって支援される。
加えて、韓国内の過度の労働規制を緩和することはもちろん、1万ドルの範囲内で無申告外国為替取引まで許容され、会社新設などの中規模以上の企業の投資の場合、最高100億ウォンの特別支援と、最高60億ウォンの創業企業支援金の恩恵も受けられる。
経済自由区域(Free Economic Zone)とは?
外国人投資企業の経営環境と生活条件を改善し、各種規制緩和を通じた企業の経済活動の自律性と投資誘因を最大限に保障し、外国人投資を積極的に誘致するための特別経済特区を意味する。また、様々な税制上の優遇、自由な経済活動のための規制緩和、快適な生活環境と便利な行政サービス提供により、自由で幅広い企業活動を保証する。
Information
東海岸圏経済自由区域は、外国人及び外国人投資企業などに投資資格が与えられる。投資の方法は、外国人投資促進法と経済自由区域の指定及び運営に関する法律によって、工場新設などの直接投資および開発事業の施行等の株式投資、資本財の導入など、さまざまな形で投資することができる。東海岸圏経済自由区域のプロジェクトマネージャーを通じて投資に関連する全過程を無料でサポートするワンストップサービスが提供されている。東海岸圏経済自由区域のより詳細な投資情報は、公式ホームページ(http://efez.go.kr)で、多国語(日本語を含む)で確認することができる。
東海岸圏経済自由区域事業の概要
指定日 |
2013年2月4日(知識経済部告示第2013-35号に基づく) |
総事業費 |
1兆3,075億ウォン |
事業期間 |
2013年から2024年(12年間) |
事業面積 |
8.25㎢ |
開発ビジョン |
先端エコ素材産業の育成による環日本海圏の経済中心地の建設 |
開発地域 |
極東アジア環日本海圏大韓民国
江原道東海岸(江陵、東海一円) |
空間構想 |
東海港中心の単位別地区の組成(4ヵ地区) |
地区別の場所 |
東海市北坪洞および望祥洞、江陵市玉渓面および邱井面 |
地区間の連携 |
東海市北坪中心半径29㎞以内の各地区の連携(30分内に移動可能) |
地区間の交通 |
道路(一般国道7番および東海高速道路)、鉄道 |
