仁川国際空港から一足、都心で満喫する一風変わった逸脱

2017年09月25日

송도리포트_메인

 

夕日が沈む頃。仁川松島国際都市を散歩するにはいい時間だ。セントラルパークに灯りが一つ二つ灯り始めると、都市は幻想的なムードを醸し出す。そびえたつ摩天楼とビル群は大都心ソウルを思わせるが、海と湖と森が都心を囲み、穏やかな海風と悠々自適なボートに水路に似合うカフェ通りが巨大なリゾートを連想させる。都心を歩くだけでも、松島国際都市では旅となり、ストーリーとなる。

文/李相直記者

 

松島(ソンド)国際都市は、仁川国際空港が位置する仁川広域市延寿(ヨンジュ)区海岸に砂を運んで固めてつくった干拓地だ。規模は韓国の国会議事堂や金融機関が密集する汝矣島(ヨイド)の広さの約17倍という巨大さを誇る。干拓地のランドマークビルの林が立ち、ソウルよりも都心のような雰囲気をかもし出す。

都市の肺であり、旅行のランドマークでもあるのが、セントラルパークだ。数年前まで荒涼とした干拓地だったが、セントラルパークが活気を帯びてにぎやかになった。公園の散歩や水上レジャースポーツを楽しむためにここを訪れる人々が大幅に増えた。セントラルパークを縫う水路は長さ1・8㎞、最大幅が110mに達する。公園の周りをビルの林が取り囲み、一方では、近代的な造形物や韓屋ホテルなどきれいな建築物が立ち並んで異国の中の異国を演出する。

セントラルパークは、韓国で初めて海水を活用して水路を作った海水公園だ。週末には水路いっぱいにアマチュア船頭たちがつめかける。ビルの森を背景に、ボートに乗り、あるいはカヌーを漕いで、避暑を楽しむ都市の異彩な風景が繰り広げられる。

セントラルパークを訪れた家族や恋人にとって水上レジャースポーツは常連コースだ。イーストボートハウス(東船着場)では、ミニボートとカヤックが浮かび、ウェストボートハウス(西船着場)では、遊覧船と水上タクシーが出発する。ミニボートやカヤックに乗るとウサギを飼っているトキソム(ウサギの島)や、恋人同士の誓いを記念する恋人島に立ち寄れる。水路の周辺でジョギングする人、自転車に乗る子供たちの姿がゆっくり流れていく。カヤック、ボートは30〜40分で2万5千〜3万5千ウォン。イーストボートハウスの前には無料の海水足湯がある。

セントラルパークの周辺には芝生や林を通る遊歩道がある。水上レジャースポーツをしなくても、散歩コースを一周する遊歩道も楽しい。鹿農場などのちょっとした見所もある。人影がまばらなウェストボートハウス方面がより親密な散歩ができる。あちこちに立っている彫刻が公園の散歩の品格を高めている。遊歩道を歩いてみると、地球村の顔、管楽器、小便小僧、クジラなどをテーマにしたパブリックアート作品と出会う。

 

송도리포트_서브01(트라이볼)

 

「トライボウル」は松島国際都市で最も特色のある現代建築だ。ボウルが三つつながった形の複合展示館の建物が池の上に位置し、大きな器が水の上に浮かんでいるようだ。トライボールの隣のコンパクトスマートシティは、仁川の歴史と未来像を一目で見ることができる展示空間だ。トライボウルの近くのアーチ型の橋を背景に広がる松島国際都市の夜景は異国情緒が漂う。曲線美が強調された建物や橋が、昼間に見たよりも美しく投影される。

 

송도리포트_서브03(한옥호텔_경원재)

 

現代建築と調和した韓屋は松島国際都市の姿をより豊かにするオブジェだ。韓屋ホテル慶源齎(キョンウォンジェ)は「韓国観光の星」に選ばれた古風な宿。職人の技が感じられる塀や門、庭を見物するだけで心が豊かになる。慶源齎の隣には各種飲食店が入店した松島韓屋村が造成されている。

 

송도리포트_서브04(커넬워크)

 

セントラルパークの近くに位置する休憩スペースは松島国際都市へ出かけようと誘う。仁川経済自由区域庁庁舎であるGタワーの後ろにつながるキャナルウォークは、中央水路やカフェ、ショッピングスペースが建ちならぶストリートモールだ。四季をテーマにした西欧風の通りに噴水があり、カフェや可愛らしい店が入店している。本格的なショッピングをしたいなら、テクノパーク駅に連結した近代的なプレミアムアウトレット松島店がおすすめ。仁川最初のプレミアムアウトレットに、多彩な店舗と空の公園など子供たちが遊べる空間が準備されている。

 

都心で楽しむ海の眺めが格別

 

松島国際都市では海の眺めは見逃せない。仁川大橋展望台のオーシャンスコープは、三つのコンテナでつくられた建築物が印象的だ。コンテナはそれぞれ、西海と仁川大橋、西の空を象徴する。展望台の階段に登ると干拓地の向こうに遠く仁川の海が見える。

もう少し静かでのんびり海の散歩をするためにソルチャン公園に向かう。仁川大学の後ろにあるソルチャン公園は、浜に沿ってウッドデッキの散策路が設けられている。風車形の建物と浜辺のブランコも趣を加える。仁川大学のキャンパスは、キム・スヒョンとチョン・ジヒョンが主演したドラマ「星から来たあなた」を撮影してから韓流観光客に人気となった。ソルチャン公園は、キャンパスと海の間の隠れ家のような場所だといえる。

都市の未来的な風景から抜け出し、仁川の昔の姿に出会うのも楽しい。干拓地の橋を渡ってもともとの松島に建てられた仁川市立博物館は、1946年に国内で初めてオープンした公立博物館。仁川一帯で出土した土器や遺跡、仁川開港と生活など近代史に関連する遺物を展示している。

松島国際都市から仁川の近代史が詰まった開港場通りまでシティツアーバスが運行している。開港場通りの開港当時の建物を利用した博物館や古い和風の家屋が足を留めさせるところだ。1880年代に建てられた銀行は、仁川開港博物館として残り、芸術創作空間であり新概念のストリート美術館である仁川アートプラットフォームは、日本統治時代に建てられた建物と倉庫を展示スペースとして使用している。おしゃれなカフェが並ぶ日本風の通りからチャイナタウンまで歩く道は時空を越えるとっておきな休息の時間を与えてくれる。

最後に付け加えておくと、松島国際都市は新都市であるだけに、観光地としてわざわざ訪ねるにはコンテンツが多くはない。しかし、仁川駅付近の開港場などの仁川観光のおまけコースとして、またはソウル旅行を終えて出国する前日に仁川空港に向かう前の格別な一晩コースとして、あるいは様々なショッピングができるコースとしては充分に楽しめる。さらに、松島国際都市の主要なホテルから仁川空港まで頻繁に空港リムジンバスが運行しており、松島都心からわずか30分で仁川空港に到着できるため、韓国旅行のゆったりとしたラストを飾るに最適だ。

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