美しい大自然の中でヒーリング旅行「江原道」

2015年02月23日

江原道

美しい大自然の中でヒーリング旅行

私がリフレッシュされる、ここが江原道

 

心を休ませ自分自身を顧みる日常とは違った時間を過ごしたい。これが人々が旅行に出かける素朴な動機ではないだろうか。この要求に本当に相応しい土地はここ、江原道(カンウォンド)だ。自然の美しさにかけては韓国一といえ、清浄さにおいても一番。高い山と青い海が目を楽しませ、その楽しみから体と心は自然に癒されるので、リフレッシュの場所、江原道の魔法に人々は喜びを隠せない。
文/李相直記者

ソウルから東に90分余り、仁川(インチョン)空港から出発すれば3時間あれば到着できる。江原道は秀麗な国立公園と青い海で囲まれた天恵の地。数百年前、朝鮮時代から絶景の地として認められてきたこの魅力は、長い歳月が流れた今もなお変わりなく旅行客を誘惑する名所だ。
韓国人にとっても江原道は格別だ。豊かな山と海があり、その自然が本当に美しいことから、一番旅行したいところ、また、最も身近な旅行地として迷うことなく江原道の名が挙げられる。騒がしい都市と違い自然がたっぷりあるため、心の休息を求める人たちには絶対的な場所だ。山の奥深くにある渓谷や寺院、閑静な東海(日本海)の海までが、一人で当てもなく出かける旅行先としても魅力的であることから江原道は、韓国人にとって安らぎを求めに行く安息の土地と言える。
このような江原道の大地が伝える感動を早く味わいたい旅行者ならば、牧歌的な風景があふれる大関嶺(テグァンリョン)の羊牧場から訪問してみよう。大関嶺の羊牧場は韓国でたった一つの羊牧場だ。江原道でも最も稜線が美しいことで有名な大関嶺の裾、海抜980mに位置した韓国のアルプスと歌われる土地にある。
牧場の入り口に入ったばかりなのに、巨大な6万2千坪余の羊牧場の全景が視野に入ってくる。広大な草原。足元に広がる抄録の丘が波を成し、のんびりと草を食べる羊の群れの間に江原道の香りを含んだ風まで吹きながら、理想的な牧歌的な風景が江原道に入ってすぐ広がり、心の中の重い荷物が一つ、二つ飛んでいくかのように感じる。
牧場を眺めていると時間の過ぎるのも忘れてしまう。青々とした草原と空との境界が消え、すべてが緑の夢幻的な世界を演出するため、自分が今、空を眺めるのか草原を見ているのかわからなくなる、楽しい錯覚に陥る。
歩く楽しみも格別だ。美しく続く約1.2㎞の木の垣根が散歩道の左右を飾り、その垣根の向こう側では熱心に草を食べる300匹あまりの羊の群れを眺めながら歩くと、40分もの散歩道もあっという間に終わってしまう。
羊たちは従順で人々を恐れるどころか、最初から無視して草を食べることに余念がなく、乾草を差し出せばあっというまに集まり首をぬっと出す姿は、その風景と共に、愛らしい羊からも癒しを受ける。牧場の最も高い丘陵地を下に横切る散歩道に沿って歩けば、乾草の餌やり体験場も準備されているので子供たちと共にここを訪問する人たちは訪問されることを是非薦めたい。

 

韓国の伝統美に感動、烏竹軒そして船橋荘

美しい江原道の自然と調和した韓国の伝統的な美と出会えるのも江原道旅行ならではの特権だ。東洋的な江原道の自然に溶け込んだ伝統的な韓屋の風景は、1枚の東洋画のように伝統美の真髄を誇り、普段見慣れない風景に見る人々の視線を捉えて離さない。青い東海(日本海)の海が広がる江陵(カンルン)に位置した烏竹軒(オジュッコン)と船橋荘(ソンギョジャン)はその代表的な例だ。
江陵の有名な海水浴場である鏡浦台(キョンポデ)に向かう町角で、まず旅行者を喜ばせるのは烏竹軒だ。烏竹軒は朝鮮時代の大学者であり政治家であった栗谷・李珥(ウルゴク・イイ)が生まれた家であり栗谷・李珥の母、申師任堂(シンサイムダン)が住んだ家だ。
入口には烏竹軒という案内表記とともに立看板があり、「世界最初に母子が貨幣に登場した人物の出生地」と書かれた文字が目を引く。栗谷・李珥とその母である申師任堂母子が、各々韓国の5千ウォンと5万ウォン紙幣の人物であるためだ。
烏竹軒という名前は数百年になった黒い幹の竹(烏竹)がぎっしりと生えているためその名前がつけられた。当時から五百年余りが過ぎた今でも、黒い幹の竹が変わりなくまっすぐに空に向かう姿に、烏竹軒という名前の由来を即座に理解することができる。
その中に小さな3軒の韓屋があるが、この中で烏竹軒は一番小さな離れ座敷をいう。この離れ座敷に関心が集められるのは、栗谷・李珥が実際生まれたところであり、美しい韓屋の美がそのまま表現されているからだ。派手さ、大きさは感じられないが、謙虚に感じられる低い瓦屋根と、正面から3間、側面には2間の門だけが構えられた外形から、清貧で意志の強い当時の朝鮮ソンビ(儒教的思想を具現しようと学問に励んだ人たち)の姿をそのまま投影させ、雄壮な宮殿では感じられなかった、韓国らしい韓屋の粋さがより一層強烈に感じさせる。
烏竹軒の周辺には栗谷・李珥の家族らの遺品を保管している栗谷記念館に加え、立志門を越えて江陵市立博物館や郷土文化館があり、烏竹軒がある江陵市の歴史と文化も知ることができる。
烏竹軒を通じて清貧で素朴なソンビの韓屋を味わったとすれば、隣りにある船橋荘(ソンギョジャン)は、朝鮮時代の権力者の雄壮な韓屋の粋を感じさせる。
船橋荘は朝鮮末期の上流層の官吏の家で、当時の朝鮮時代には王を除き、地位が高く、金持ちだったとしても建てられる家の大きさが制限されていたが、船橋荘は当時の限界値であった99間(門が99個という意)の韓屋で建てられた、最上流層の古宅だ。船橋荘という名前は、この地域の古名が船橋里であることに由来するという。夫人が使用する母屋、夫が起居するサランチェ(居間)、使用人たちが起居するヘンランチェ、嫁が生活する別堂、茶菓を楽しむ東屋など、朝鮮時代当時の上流層が起居する典型的な韓屋様式を確認することができる。
この建物は巨大な一つの家のように見えるが、実際には小さい門と壁で全て分かれており、各建物ごとに独立的に活用されるようになっている。外から見ればすべての建物が連結され一つに見えるが、実際には独立した空間にそれぞれが離れて作られている構成美にも驚かされる。
99間にも達する巨大な古宅は一度に作られたのではない。約300年の間、10代を引き継がれながらずっと建て増ししてきたものとはいえ、そのすべての建物ははじめからその場所にあったかのような完璧な統一感と構成美を伝えることから、韓屋の神秘的な魅力を感じることができる。

豪華な韓屋の精粋を見せる船橋荘邸宅

豪華な韓屋の精粋を見せる船橋荘邸宅

月精寺ではテンプルステイ、南怡島ではロマン満喫

美しい山寺での一夜を楽しむことができるのも江原道ならではの特権だ。江陵から車で約1時間の距離に、来る2018年冬季オリンピック開催地として知られる平昌(ピョンチャン)に位置した仏教古刹である月精寺(ウォルチョンサ)へと向かう。平昌にある月精寺は韓国の5大名山として挙げられる五台山(オデサン)へ行く町角に位置した韓国を代表する寺刹。今から1400年余り前の643年に創建された韓国仏教の本山の中の一つだ。
月精寺へ向かう参道も名所としてあげられる。参道の開始である一柱門から月精寺の玄関格といえる天王門までの約1㎞のもみの木の道がそれで、美しいもみの木1,700本余りがびっしりと並ぶが、その中には最高樹齢を誇る400年近くとなったもみの木もあり、釈迦の世界へ向かう道らしく神聖さまで感じる。
月精寺だけにある魅力も少なくない。天王門から始まる月精寺の本堂は、韓国仏教寺院の典型的な形と出会うことができて格別だ。本堂の前には八角九階石塔がその美しさを誇り、その向かえにある鐘鼓楼には大鼓と巨大な鐘がその偉大さを誇り、お寺の隅々まで見て回る楽しみがある。
月精寺をしっかりと楽しみたい旅行者ならば、テンプルステイがお薦めだ。お寺で1泊2日宿泊し、座禅と瞑想を通じて心身ともに休息をとるメニューだ。準備されたプログラムも内容が充実している。早朝4時30分から始まる早朝礼佛は俗世の雑念を整理するのにぴったりで、お寺で出される韓国仏教伝統の精進料理を通じて体が軽くなる。僧侶との茶談の時間もある。暖かい茶とともに僧侶の名言を通じて心を軽くし、108拝と共に行う瞑想の時間では体を軽くさせ、素朴な山寺での一夜だが、通常の高級ホテルでの一夜より安らかで貴重な思い出を作ることができる。テンプルステイの料金は1泊2日コースで5万ウォン。韓国を代表する仏教寺院での体験に、費用以上の癒しの時間を持つことができるといえる。

(左)月精寺の名物のもみの道。 (右)月精寺全景。寺院と周辺の山は1枚の東洋画を連想させる。

(左)月精寺の名物のもみの道。 (右)月精寺全景。寺院と周辺の山は1枚の東洋画を連想させる。

愛する人と共にする江原道旅行ならば、韓流の聖地として名高い南怡島(ナミソム)も外せない。南怡島は韓国の映画とTVドラマの常連舞台として登場し、常に男・女主人公が愛を育てていくロマンチックな舞台として使われる。韓流のバイブルと呼ばれる「冬のソナタ」がそうで、それ以後にも数多くのラブシーンが南怡島を背景に繰り広げられたため、ドラマのような愛に憧れる恋人たちが先を争って南怡島を訪れる理由もここにある。

南怡島メタセコイア並木道。デートスポットとして人気だ。

南怡島メタセコイア並木道。デートスポットとして人気だ。

南怡島は北漢江(プッカンガン)にある島だ。総面積は14万坪で島までは船着き場から遊覧船が案内してくれる。
閑静な島に美しい散歩道と名所らがたくさんあることから、愛する人と2人だけの時間を過ごすのにぴったりだ。空高く聳え立つメタセコイアの道を歩くと、冬のソナタの二人の主人公もうらやましくなく、自転車に乗って街路樹の道をゆっくりと通り抜けると、どこかで見た映画のワンシーンとなり、南怡島にいるだけで訪れる人々は映画の中の主人公となれる。
ドラマ「冬のソナタ」で登場した撮影地の他にも見どころが一杯だ。森の中には名前の分からないオブジェたちが視線を引く道の美術館となっていて楽しく、小さいからより一層趣を加える動物園、70年代の思い出の弁当を売る食堂もあるため、一から十までロマンチックさが溢れる。
南怡島を一人占めできる方法もある。南怡島内にある唯一のホテルである静観楼(チョングァンル)に宿泊すれば、最後の遊覧船が旅行客たちを乗せて出発した後の静かな南怡島を主人のように思う存分一人占めすることができるので、ロマンの島での特別な一夜を楽しみたい人たちはこの名前を記憶しておくのもよいだろう。

 

アルペンシアリゾート

韓国最高級プレミアムリゾート

「アルペンシアリゾート」

四季を通した総合休養地であるアルペンシアリゾートは江原道大関嶺の澄み切った美しい自然を背景とした韓国最高・最大の高級リゾート。江原道内の主要観光名所と隣接していることはもちろん、海抜700mに位置し江原道が自慢する美しい自然の絶景に加えて特別な休息を過ごしたい旅行者らに理想的な場所だ。
附帯施設もマンモス級だ。冬季オリンピック基準の巨大スキーリゾートでは江原道の天然パウダースノーを楽しめ、韓国最大規模のウォーターパークである「オーシャン700」では1年中多様なウォーターアトラクションとスパ・コースが満喫できる。ゴルフコースも27ホール規模のトロンCCと18ホールのパブリックコースのアルペンシア700GCの2ヵ所があることからゴルファーまで満足させる。
ホテルも多様なニーズに合わせて選択することができる。その中でも特1級5星級ホテルのインターコンチネンタルアルペンシアが人気だ。総238室規模で国内では初めてリゾート団地内に建った5星級ホテルとしても有名なところだ。ホテル内からアルペンシアリゾートを眺望でき、バーベキューが可能な美しいテラスを整えたイタリアンレストラン、最高級サウナやスパ、フィットネスなどのウェルネスプログラムを通じて各種テラピーと健康管理プログラムが十分に体験できる。
また、特1級5星級ホテルであるホリデーインリゾートアルペンシア平昌も魅力的だ。ホテルとスパコンセプトで構成された総2114室のホテルでは、ここでしか体験できない特別なスパ・サービスを楽しむことができる。
家族と共にする旅行ならばコンドミニアムスタイルのホリデーイン&スイートアルペンシア・平昌がお薦め。総419室規模で歩行者専用通りと広場に沿って造られた低層型の建物(5~7階建て)は大関嶺の美しい自然の中で、童話の中の1枚の絵のような雰囲気を楽しめる。
| www.alpensiaresort.co.kr

 

Information

江原道を旅行するならば観光拠点の江陵を中心としてコースを組めば便利だ。 大関嶺の羊牧場は午後6時まで(冬季5時まで)開放されていて、入場料金は成人3000ウォン。 牧場までは大衆交通便が用意されていないため、江陵市内からタクシーやレンタカーを利用しなければならない。 烏竹軒と船橋荘は江陵都心から近く、タクシーを利用すれば10分程度で到着する。 入場料は烏竹軒が1800ウォン、船橋荘が3000ウォン。 月精寺までは江陵から珍富(チンブ)市外ターミナルまでバスを利用して、ターミナルからタクシーを利用して20分ほど。 南怡島は春川駅まで移動し、京春(キョンチュン)線電車の加平(カピョン)駅からタクシー(約20分所要)に乗れば良い。 入場料は往復乗船料金を含んで1万ウォン。 江原道全般に関する詳細な観光情報は江原道観光公式サイトを通じて確認することができる。

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