「大加耶国の歴史と文化に出会う観光都市、高霊郡へようこそ!」

2016年03月15日

「大加耶国の歴史と文化に出会う観光都市、高霊郡へようこそ!」

 

郭龍煥・高霊郡守

 

高霊郡守 慶尚北道高霊郡(コリョングン)ほどの新しく魅力的な観光地があるだろうか。韓国古代史に花火のように強烈な「大加耶(デガヤ)」という1500年前の歴史を投影し、ユネスコ世界遺産候補として堂々と名を連ねた歴史観光地であり、静かな自然の中でヒーリングを満喫するアウトドアキャンプ&レクリエーション観光都市が、ここ慶尚北道高霊郡だ。そんな高霊郡に慶事が加わった。韓国政府が指定する「2017年度今年の観光都市」に堂々と名を連ね、韓国内の観光名所を越えて世界的な観光都市として成長する準備まで終えた。高霊郡で出会える大加耶の歴史遺産、そして高霊郡ならではのヒーリング観光地の魅力を郭龍煥・高霊郡守とのインタビューを通じて訊いてみた。

文/李相直記者
高霊郡は韓国内で最も神秘的な歴史的な感性を持つ大加耶の古都。大加耶は韓国古代史を飾る高句麗、百済、新羅の3国盟主の間に挟まれた小国だったが、独自の鉄器文化を隆盛させて、軍事的・文化的に堂々と巨大三国と肩を並べ、新羅に吸収されてその歴史は終わってしまったが、当時の文化は韓国の人たちの心に強く刻まれた歴史遺産だ。

小さいながらも強かった大加耶の歴史は、敗戦の歴史のため、勝者の立場から記述された歴史書には、十分に記録されていないが、悲しい歴史は、韓国の数多くの文学や芸術の舞台となり素材となって、ファンタジーを提供する古代国家として崇められている。まさにこの大加耶の地が、今回のインタビューの主人公である郭龍煥郡守がヒーリングの歴史観光の都市に成長させようと努力している慶尚北道高霊郡だ。

観光都市・高霊郡がどのような都市なのかという質問に、郭龍煥・高霊郡守の答えはやはり「大加耶」というキーワードに帰結した。

「高霊郡は1963年、池山洞(チサンドン)大加耶古墳群が史跡79号に指定された後、『大加耶』のコンテンツを地域の代表ブランドとして成長させている歴史的な観光都市です。池山洞大加耶古墳群は704基に及ぶ加耶地域最大規模の古墳群として形成されており、その当時の来世観、殉葬文化などの歴史的ストーリーと、韓国で最高の自然と調和した景観を保持しています。2013年にユネスコの世界遺産暫定リストに登載されて以来、2015搭載優先推進対象にも選ばれ、韓国の慶州、扶餘、公州と肩を並べる歴史観光都市です」というのが郭龍煥・高霊郡守の説明だ。

大伽耶古墳群

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このような大加耶の歴史が込められた高霊郡が、2017年今年の観光都市に選ばれ、世界的な観光都市としての飛躍を準備中である。「今年の観光都市」は、韓国政府文化体育観光部が地方観光活性化を目的として毎年3ヵ都市を選定し、重点的な支援によって、観光の育成を図る政府主導のキャンペーンだ。

郭龍煥・高霊郡守は、「今年の観光都市事業は、毎年、観光の可能性が大きい中小都市3ヵ所を選定して、観光環境の改善や観光コンテンツ開発などの支援をもとに、その都市を魅力的な観光地として育成する事業で、2年の準備期間と1年間の実行期間、合せて3年間サポートする事業です。高霊郡は昔の大加耶の都として池山洞大加耶古墳群などの文化遺産と大加耶観光インフラ施設を連携する『大加耶文化体験の都市』としての優れた発展の可能性を認められ、2017年の観光都市に選ばれました」と今年の観光都市選定の経過を説明した。

郭龍煥・高霊郡守にとって、2017年今年の観光都市選定は奇跡のような成果だった。豊かな観光インフラを誇る全国のそうそうたる自治体を抜いて「大加耶」という歴史コンテンツの可能性だけで今年の観光都市のタイトルを獲得したからである。

「実際、半信半疑でした。あまりにもそうそうたる都市が応募していたのでなおさらのことです。しかし、『大加耶』という、韓半島はもちろん、東アジアの歴史に大きな功績を残した古都としてのコンテンツの競争力には自信がありました。応募事業を進行しながら、高霊郡の首長として私自らプレゼンテーションを行いました。政府側の審査員たちは驚きました。郡守が自らプレゼンテーションをするほど意欲的であれば、十分に新しい観光都市として成長できるだろうと肯定的に見てくれた結果だと思います」と謙遜した。

高霊郡の2017年の観光都市細部事業構想も仕上げ段階に入っている。コンセプトは「持続可能な観光都市の成長とグローバル歴史文化都市への跳躍」。隠された大加耶の物語を発見し、大加耶のコンテンツの競争力向上のための▲楽しい大加耶都市づくり、観光客の立場から引き出される利便性向上のための▲滞在したい都心環境の構築、そして自生的な成長システム構築のための▲住民が参加する観光都市づくりという詳細目標を定め、事業を推進する計画である。

「先導的に世界遺産登録が有力視されている池山洞大加耶古墳群の商品展開とブランディング戦略を積極的に推進する予定です。特に、外国人観光客にはなかなか知られていない大加耶の歴史的価値が伝達されるよう努めたいと思います。現在も大加耶時代の多くの遺物と遺跡が保存されており、これまで知られていない加耶の歴史の謎が秘められた都市であるだけに、高霊郡に特化した歴史・文化体験コンテンツの確保によって、差別化された観光テーマをお届けします」と強調した。

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2017今年の観光都市の準備のための大加耶コンテンツ細部事業の強化も意欲的に準備中である。

「細部事業としては、大加耶のコアコンテンツ強化事業として池山洞大加耶古墳群の夜間ランドマーク試験事業、加耶国で誕生した韓国を代表する国楽器である伽倻琴(カヤグム)をテーマにした伽倻琴コンテンツ事業に加えて、『大加耶は生きている』というタイトルの体験型観光コンテンツ事業実施を確定しています。特に、増加する個別観光客のためのネットワーク観光強化の一環として、加耶歴史体験アプリケーションの開発と加耶の歴史名所を巡るミニバスツアー事業も確定するなど、国内外の観光客がより便利に楽しめるようなコンテンツおよびインフラを早期に整備する予定です」と力説した。

今年の観光都市に指定されただけに、外国人観光客の誘致拡大への期待も大きい。特に最大の市場である日本市場に力を注いでいる。

「今年の観光都市事業推進に加え、日本人観光客誘致のための宿泊インフラの拡充や観光客受け入れ態勢の整備に速度を上げる予定です。日本での観光博覧会に参加して、より積極的な海外マーケティングを展開していく計画です。また、集客態勢整備のために観光分野のマーケティング専門家と日本語の通訳ガイドを外部から獲得し、外国人観光客の誘致に伴う旅行会社インセンティブ制度の運営条例を制定し、今年から施行を開始しました」とし、「特に高霊郡を訪れる日本人観光客の旅行便宜拡大のために日本語を含む4ヵ国語に対応した地図、多言語観光案内パンフレット、フードメニューの外国語表記などを積極的に整備する予定です」と付け加えた。

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高霊郡を代表する観光地の魅力も欠かせない。最大の見所は、やはり高霊郡の大加耶の歴史を伝える大加耶博物館と池山洞大加耶古墳群。

大加耶博物館(www.daegaya.net)は高霊地域の歴史と文化を総合的に展示した大加耶史専門博物館だ。大加耶歴史館、大加耶王陵展示館、そして于勒(ウルク)博物館で構成されている。大加耶王陵展示館は、韓国で最初に確認された大規模な殉葬墓である池山里44号墳の内部を元の姿のままに再現して興味深く、于勒博物館は伽倻琴を創製した「楽聖」于勒に関連した資料を展示して于勒と伽倻琴の世界が理解できる。

大伽耶博物館

ユネスコ世界遺産登録を推進している池山洞大加耶古墳群は、大加耶最大の古墳群で大加耶邑を抱く主山の南東の尾根に韓国で初めて発掘された殉葬墓である44、45号墳をはじめ大小704基の古墳が分布している。大加耶様式の土器や鉄器、金冠、装身具などの遺物が出土しており、2015年韓国観光100選にも選ばれた、高霊郡旅行では欠かせない見どころだ。

それら二つの観光地も魅力的だが、郭龍煥・高霊郡守が日本人観光客に特に推薦する場所は、「大加耶歴史テーマ観光地」だ。

「大加耶歴史テーマ観光地(www.daegayapark.net)は、韓国初の土器と鉄器、伽倻琴文化を花咲かせた大加耶の歴史をテーマにつくられた観光地です。神秘的な大加耶文化体験館、映画館、ログハウスのペンション、大加耶探訪林道、キャンプ場などの施設を備えた全天候型の観光施設です。最近では、韓流スターのキム・スヒョンとIUが主演で出演したKBSドラマ『プロデューサー』の撮影地として人気が高まっています。キム・スヒョン、IU、チャ・テヒョンが実際に宿泊した王家ペンションがあり、ファンには注目に値する場所です」と紹介した。

高霊ならではの特色あるグルメも高霊観光の楽しみだ。代表メニューは「大加耶珍饌(ジンチャン)」。これは高霊郡が独自的に企画・支援している高霊郡伝統韓定食で、メイン料理のアヒルとポッサムを中心に、高霊で栽培されている農産物を利用して1人1万5千ウォンで提供しており、高霊郡を訪問する観光客の必須メニューだ。

大加耶珍饌

郭龍煥・高霊郡守は、高霊を、慶尚北道だけでなく韓国の新しい観光新名所にしたいと抱負を語った。

「今までの韓国旅行では満たすことができなかった感動を高霊郡でお届けしたいと思います。2017年今年の観光都市事業を通じて高霊観光の質的成長を先導します。ユネスコ世界遺産指定が確実視されている大加耶という価値の高い歴史遺産をもとに、最も韓国的な感性の歴史文化観光都市となることができるような観光政策の推進に努めます。大加耶の古都・高霊郡の名前をぜひ覚えていただいて、日本人観光客の皆さんの高霊郡訪問をお待ちしております」と、インタビューの最後に高霊郡を訪問して欲しいという挨拶を付け加えた。

Information

大加耶の古都・高霊郡までは、ソウル駅を起点に多数のKTX高速鉄道が運行する大邱広域市(KTX東大邱駅/約1時間50分)を拠点に旅行すると便利だ。大邱から高霊郡まで大邱広域市の西部ターミナル(大邱都市鉄道1号線聖堂モッ駅)から高霊郡まで市外バスが15分間隔で運行する。所要時間は約35分。ソウル南部バスターミナルからは、高霊市外バスターミナルまで直行高速バスも1日6回運行(約4時間30分)しており、便利に旅行することができる。

http://tour.goryeong.go.kr

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