不思議な風貌の仏像が迎える千年古刹・灌燭寺

2019年08月29日

논산시_서브01(관촉사_은진미륵)

論山の古代史を見たいなら、般若山の山すそにある仏教寺院、灌燭寺(クァンチョクサ)が名所だ。論山駅からタクシーを利用して15分程度で行けるのでアクセスも便利だ。

灌燭寺は高麗時代の968年(光宗19)に僧侶の慧明(ヘミョン)大師が創建した寺だ。この寺が有名な理由は、境内の一角にある巨大な石の弥勒菩薩立像(石造彌勒菩薩立像:宝物第218号)、別名・恩津(ウンジン)彌勒弥勒があること。

仏像の高さは18mに達し、韓国の石仏の中で最も大きい。外観は、高麗時代の多くの地方の仏像がそうであるように、精巧さも美しさも見られない。頭が大きく、全体的な均衡美も低い。それにもかかわらず、高麗時代の仏像様式を代表する作品であり、民衆のための弥勒信仰の中心としての意味は大きく、韓国の歴史の教科書にも載るほど有名だ。

確かに美麗な石仏でないが、恩津弥勒は絶えず視線をひきつける魅力を放っている。巨大な胴体と、その胴体よりも大きな2Dキャラクターを思わせる巨大な顔に思わず笑みがこぼれ、その顔の上に帽子にあたる精巧な宝冠に目が行く。大きな顔に、比率が合わない大きな目、どう見ても慶州の石窟庵の仏像で感じるたおやかさはない。しかし、逆に親近感が感じられる。石窟庵の仏像が羨望の対象であるものの近寄りがたい芸能人のような存在ならば、恩津弥勒は困難な時に手を差し伸べてくれる友人のような存在といえば伝わるだろうか。

立てられるまで38年もかかった巨大な恩津弥勒は、仏像にまつわる伝説もとても興味深い。

高麗の光宗の時代、大きな岩が土の中から湧き上がり、赤ちゃんの泣き声が聞こえるという事件が起こる。光宗は、臣下を朝廷に呼んで議論し、やがて光宗は「これは仏像をつくって立てなさいという兆候で、天が送られたものである。慧明大師に命じて石仏を造成させよ」と名を下したという。

命を受けた慧明大師は石工数百人を連れて工事を始めたが、下半身部分の上に、別に刻んだ上半身を乗せる方法が見つからず、苦心をする。そんなある日、童子が石で仏を立てる遊びをしているのを見かけた。大きな石を立ててその周囲に土を盛った後、もう一つの石を転がして、石の上に立てる。それを繰り返して、一番上の石まで載せた後、その周りの土を取り除くと石仏だけが残った。それを見て弥勒を立てる方法を悟り、ついに巨大な仏を立てたと伝えられている。クレーンもない時代にどうやって巨大な立像を立てたのかという疑問もここで解ける。

灌燭寺の特別な伽藍(寺院の建物の配置構造)もポイントだ。灌燭寺は最初から寺院として造成されたのではなかった。恩津弥勒の仏像を通して仏の意を伝えることが目的だったため、礼拝するための弥勒菩薩が別にあるのではなく、恩津弥勒の正面にある観音殿で礼拝する。観音殿は前方が透明なガラス窓となっており、観音殿で頭を下げると、恩津弥勒と視線を合わせることになる仕組みだ。

恩津弥勒の前にある拝礼石が、このような灌燭寺の伽藍配置をよく表している。論山の先住民たちが安息と希望を求めて恩津弥勒に礼拝をささげた祭壇がこの拝礼石。拝礼石の前には石灯(宝物第232号)が一つあるが、単なる造園用の石灯ではない。農作業で忙しかった論山の先住民は、仕事を終えた夜に恩津弥勒を訪ねた。暗くなった夜も恩津弥勒を照らしたのが石灯なのだ。

「灌燭寺は単なる仏教信仰の聖地である前に、民衆仏教の始まりを告げた場所です。当時の仏教は上流階級だけのもので、一般民衆は土俗信仰が主でした。しかし、この恩津弥勒が論山の地に立てられ、高麗時代の人々は、この巨大な弥勒菩薩像の威厳に魅了されます。土俗信仰から移行した本格的な民衆仏教の出発点は、この恩津弥勒であり、この恩津弥勒がある灌燭寺が持つ真の価値」と、灌燭寺の専属文化解説者であるヨ・ヨチョルさんは語る。

参考までに、灌燭寺を訪ねるなら、昇進を狙う会社員にぴったりだ。韓国では公職や企業の昇進の機運が最も高いといわれているため、恩津弥勒がじっと見下ろしている観音殿の中に昇進を望む発願文を掛けておこう。

 

論山8景に数えられる湖・塔亭湖

灌燭寺を訪ねたら、車で5分の距離にある巨大な湖であり、論山8景に数えられる塔亭湖(タプチョンホ)にも足を伸ばしてみよう。塔亭湖は、論山を流れて西海に面する群山まで続く錦江の支流である論山川の発祥地だ。

禮唐湖(禮山所在)に続いて忠清南道で2番目に大きな湖で、公園や遊歩道が整備されており、水上レジャースポーツや釣りの名所としても脚光を浴びている。

最大の見所は、やはり風景だ。早朝であれば夜明けの霧が立ち上る神秘的な風景を、夕暮れであれば湖全体を赤く染める夕日が感動を呼ぶ。

 

논산시_서브02(탑정호_일몰)

 

見所も充実している。塔亭湖の入口にあたる塔亭橋付近には百済時代の最後の将軍である階伯将軍のオブジェが設けられ、その反対側には、階伯将軍が5千の兵を率いて新羅の5万の大軍に立ち向かい、百済の歴史と運命を共にした戦場跡である黄山伐(ファンサンボル)と階伯将軍をテーマに百済時代の軍事文化が体験できる百済軍事博物館、そして塔亭湖の新名所である水辺生態公園まで、塔亭湖畔に沿って点在する論山の絶景と歴史を同時に楽しむにはぴったりだ。

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