仁川の江華島(カンファド)文化遺産踏査記
江華島(カンファド)の生き生きとした歴史を感じる

悲しい歴史の傷跡が残っている草芝鎭(チョジジン)
狭い入口を入ると、仁川の穏やかで美しい海が一目で見渡せる草芝鎭は、見た目と違って辛未洋擾(しんみようじょう)、丙寅洋擾(へいいんようじょう)、雲揚号(うんようごう)事件など、外国との激戦地で悲しい歴史を持っているところである。芝鎭を見回ってみると強力な武器を装着している外国の艦隊があるが、粗末な槍や刀で戦うしかなかった兵士の苦しみが伝わってきた。小さな穴を通して、巨大な軍艦を見ながら震えていた我々の先祖が横に立っているような気がした。


教科書で見ていた場面が目の前に現れる瞬間、子供たちは感嘆の声を上げずにはいられないだろう。


辛未洋擾の際は、強力なアメリカ艦隊の激しい艦砲射撃に対し勇敢に戦ったが、草芝鎭に上陸したアメリカ海兵隊により占領された。当時、撮られた星条旗が差し込まれている徳津鎮の色あせた写真は見る人に悲しい気持ちにさせる。





劣悪な環境で数えられないほどの砲弾を全身に浴びながら、最後まで決死抗戦した先祖の犠牲があったからこそ、今の我々が存在しているのではないだろうか。



富近里のコインドル郡は探訪路として造成しており(所要時間約20~30分)、「江華コインドルの歌」も聞くことができるため、子供と一緒に散歩しながら、コインドルについて学習できるところである。



関連する記事はこちら
大韓仏教・曹渓宗5大本山のひとつ 修徳寺(スドクサ)
修徳寺は百済威徳王(威徳王:554~597)在位の当時に高僧智明が初めて建てたと推定されています。 第30代王である武王当時、恵顕が《妙法蓮華経》を講説して広く知れられるようになりました。高麗第31代超恭愍王の時にナウン(懶翁:へグン)が寺を修造しましたが、一説には…続きを読む
忠清南道 - 韓国天主教の 故郷を訪ねて
教皇フランシスコ 訪韓特別企画 韓国天主教の 故郷を訪ねて ローマ教皇フランシスコが韓国を訪れた。8月14日に入国し、16日にソウルの光化門で行われた123人の殉教者に福者の称号を与える列福式をはじめ、数多くの日程をこなし、18日、韓国に多くの感動を残して帰国した。韓国の多…続きを読む
三十三観音聖地巡礼 6番目の地 法住寺(ポプジュサ)
法住寺 は忠清北道(チュンチョンプクド)報恩郡(ポウングン)内俗離面(ネソンニミョン)南里(ナムリ)にある法住寺は、大韓仏教・曹渓宗第5教区の本山です。新羅炤知王(ソジワン)15年(493)に心地王師(シムチワンサ)または、普照国師(ポジョククサ)が創建したとして伝えられています…続きを読む
世界遺産登録! 失われし百済の都を歩く
世界遺産登録 失われし百済の都を歩く 公州市・扶餘郡・益山市 韓国で12番目の世界文化遺産が登録された。「百済歴史遺跡地区」という名称の忠清南道の公州市、扶餘郡、全羅北道の益山市にある8つの遺跡だ。百済遺跡地区は公州の公山城(コンサンソン)、公州の宋山里(ソンサンニ…続きを読む
韓国33観音聖地をめぐる「私探しの旅」~南部圏~
韓国33観音聖地をめぐる「私探しの旅」~南部圏~ ありふれた韓国旅行ではない癒しの旅行を求める人たちに、お勧めしたいのが「韓国33観音聖地をめぐる旅」だ。1700年の歴史を誇る韓国の仏教文化は、同じ仏教文化圏の日本のそれとはまた赴きが違い、色鮮やかながらも、素朴なも…続きを読む
韓国ならではの伝統酒の魅力を体験「韓国伝統酒研究所」
韓国ならではの伝統酒の魅力を体験 韓国伝統酒研究所 韓国のお酒と聞けば、ストレートで楽しむ焼酎(ソジュ)や、若い女性にも人気の高いどぶろく(マッコリ)などを思い出す人が多いだろう。今では店で購入して飲むのが当たり前のお酒だが、昔はそれぞれの家で自家製酒を作り、その家庭ならではの味…続きを読む
光化門の街にたたずむ歴史の空間 景福宮
景福宮(キョンボックン)はにぎやかなオフィス街に位置しています。光化門の前は大きな道路があり車や人が行き交います。しかし光化門をくぐって中に入るとそこには歴史の足跡がうかがえる空間が広がります。まるで光化門は現代から過去にタイムスリップできる境界の門のようです。宮内を散策するとこ…続きを読む
素のソウル・ディープな街、「岩山の下」昌信洞を歩く
ソウルを囲む城郭の、東大門の外側にある町、鍾路区昌信洞(チャンシンドン)。ちょっとディープで、飾らないソウルの姿が見られる街だ。街の姿も、グルメも、歴史もちょっと興味をそそる昌信洞を訪ねてみよう。 文/町野山宏記者 地下鉄1・4号線東大門駅を出ると、東…続きを読む