韓国で行う山寺体験「テンプルステイ」

2011年04月06日

休息と自我を探しに出かける特別な春の小旅行

 

메인B

日常の悩みや都会の煩わしさから離れ、静かな山の中にある寺院へと向かう人々が増えている。都市の雑音は消え、神秘的な空気に体と心が自ら治癒し始め、伝統仏教の教えは今まで悟れなかった人生まで深く考える時間を与え、体とともに心まで本当の意味での余裕を感じる。

よく知らなかったことがために、より大きな楽しみとなることも旅行ならではの妙味といえる。この韓国の寺院で行われている山寺体験がそうだ。日本とはまた違った韓国の美しい寺院の姿と、仏教の香りが新しい自身との出会いをくれる特別な時間が作れる、静かな古刹へと向かってみる。

文/太涓禎記者

 

自然と調和した仏教文化の精粋「神勒寺」

서브01-신륵사

ソウルから車で90分。 京畿道(キョンギド)驪州(ヨジュ)の南漢江上流、鳳尾山(ポンミサン)の麓にある神勒寺(シルルクサ)。川と寺院の眺めはこの上なく美しく、ここを訪れる人たちから感嘆詞が溢れる。

仏教の寺院といえばそのほとんどが深い山の中にあるが、神勒寺は美しい南漢江沿いにあり、その川を眺める場所に寺院がある。

美しさは川沿いの寺院の入り口から境内へも続く。華やかな極楽殿をはじめとして、祖師堂、冥府殿、多層石塔、多層伝塔、石鐘、大蔵閣記碑など、宝物と指定された8点の文化財が神勒寺本堂の美しさを加える。

昔から伝えられる話によれば、神勒寺は新羅真平王(ジンピョンワン)の時に、元暁(ウォンヒョ)大師が創建したという。 ある日元暁大師の夢に白い服を着た老人が現れ、今の寺の跡地にあった池を示して神聖な伽藍がここに建つ所だと話した後消えたため、その話の通りに池を埋めて寺を作ろうとしたものの上手く工事が進まなかった。そこで、元暁大師が7日間祈りを捧げて精誠を尽くすと9匹の龍が池から飛び出し、空へと昇天した後寺を作ることができたと歴史書物は伝える。

風景が優れ、ソウルからも近いことからテンプルステイを楽しみに訪れるにはぴったりだ。テンプルステイは山寺で1泊2日間留まり、参禅と瞑想を通じて体と心の休息を探すメニューのことだ。 用意されたプログラムも内容が充実している。早朝4時30分から始まる早朝例仏では雑念を整理するのに良く、一日三食準備される韓国仏教伝統の精進料理体験である鉢盂(パルウ)供養は体を軽くする。

僧侶との茶談時間もある。暖かいお茶一杯とともに、僧侶からの説教で心を癒し、108拝と共にする瞑想の時間は体を平和にさせてくれ、素朴な山寺での一夜だが、体と心が受ける感動は豪華なリゾートの余裕に比べられない。

座禅ヨガも神勒寺の異彩的なテンプルステイメニューの一つ。ヨガの動作を座禅に組み合わせて体と心の緊張をとると共に、美しくなれると女性体験者から好評を得ている。

神勒寺周辺の美しい自然を楽しむコースもある。神勒寺後方の山と、本堂の前を曲がり流れている南漢江の川辺歩きは春にぴったりで、森林浴まで満喫することができることから、体の健康にも大きく役立つ。

神勒寺周辺にある歴史的な名所らもまた違った楽しみだ。ハングルを創り出した世宗大王(セジョンデワン)の墓・英陵(ヨンルン)をはじめ、朝鮮最後の王妃の明成(ミョンソン)皇后の生家など文化遺産も多くあることから、是非一緒に回られることをお勧めする。

神勒寺テンプルステイ費用は1泊2日コースで5万ウォン台。 寺院基本礼儀と遂行、蓮の花作り、風燈飛ばしなどの多様な仏教文化体験プログラムも開催される。 →www.silleuksa.org

▲川辺森林浴コースも体験できる神勒寺テンプルステイ

 

韓国仏教1600年の歴史、「直指寺」

海抜1111mに達する黄嶽山(ファンアクサン)の中腹に位置する直指寺(チクチサ)は、418年に建てられた。 北側には忠清道(チュンチョンド)、西側には全羅道(チョルラド)、東南側には慶尚道(キョンサンド)と続く3道の境界とかみ合っていることから風水説では最高の場所として選ばれ、韓国内では仏教寺院の精粋としてあげられる。

直指寺のテンプルステイプログラムは、この直指寺が有名なことと同じくらい多様な形で準備されている。軽い気持ちにてテンプルステイを楽しめる「ゆっくりと心を無にする奉仕プログラム」は、家族単位の旅行客に推薦コースだ。 5月の14日と15日の両日にかけて1泊2日日程にて開催される。費用は成人5万ウォン、小学生以下3万ウォンで参加でき、簡単な洗面道具と楽な服装さえあれば参加可能なことから、別途の準備も必要ない。

本格的な遂行としっかりとテンプルステイを楽しみたいのなら、吾唯知足(オユジチョク)プログラムがお薦めだ。吾唯知足というのは「人と比較せず、ただ自身に対して満足しなさい」という釈迦の教えから得たもので、すべにおいて満足することができない人は、自身が極楽にいってもそれが分からないまま不満と愚痴をこぼす人であり、満足することを知っている人は、たとえ地面に横になって寝るだけの状況の中でも、楽しいことを考え幸せを感じられる人だという教えにより、直指寺にて疲れた心を解き放ち、幸せな心だけを持って帰るという意味が込められている。

毎月第4週金曜日から日曜日まで2泊3日の日程で、成人ならば誰でも参加可能だ。 参加費は10万ウォン。

休息とリフレッシュのためのテンプルステイを期待するこれらならば、休息型テンプルステイプログラムがぴったりだ。1泊2日から最大3泊4日までの日程にての体験が可能で、供養、礼仏、僧侶との対話等を通して体と心を休ませることができる。 参加費用は共同部屋使用時1泊3万ウォン、1人部屋使用時には1泊5万ウォンにて各々提供される。

テンプルステイを楽しみたいものの、様々な理由から山寺での一夜が負担となるならば、野壇(ヤダン)法席プログラムも提供されている。寺院体験をしてみたいものの時間的に無理な人や、仏教文化をもう少し知りたい旅行者のために、1日短時間体験プログラムを運営、仏教茶道体験、燃燈設置体験、仏教講演などが提供される。 参加費用は4000ウォンで毎月開催日が変わることから、旅行に出る前にチェックする必要がある。 →www.jikjisa.or.kr

서브02-직지사

▲直指寺の坐禅体験本格仏教修行を加えた吾唯知足プログラムを通じて体験することができる

 

千年を受け継いできた伝統文化の香薫、華厳寺

韓民族の霊山である智異山(チリサン)の麓に位置し、世界的にも有名な千年寺院。華厳寺(ファオムサ)は544年に創建され、韓国10大寺院の一つでありとともに智異山を代表する寺院だ。 華厳寺という名前は華厳経から由来している。

寺院内には覚皇殿(カクファンジョン)をはじめと、国宝4点、宝物7点、天然記念物2点、地方文化財2点など多くの文化財と20余棟の付属建物が並び、境内の建物の中の覚皇殿は、現存する木造建物として韓国最大規模を誇り、その雄壮な外観が見る人たちを圧倒させる。

国立公園である智異山のすばらしい景観を背景に華厳寺が位置していることから、美しい智異山をもっと身近に感じたいと華厳寺テンプルステイに参加する人たちも多く、華厳寺という寺院自体が世界的にも知られていることから、米国とヨーロッパなどから韓国を訪れる外国人テンプルステイ参加者も少なくない。

テンプルステイプログラムも多様だ。休息型テンプルステイでは山寺の日常を体験するのにぴったりだ。期間は最大3泊4日。 特に定めた期間なしで参加者自身が希望する時に体験が可能なため、韓国を訪れた外国人旅行客も訪問しやすいのが特徴。費用は成人1泊2日4万ウォン、2泊3日7万ウォン、3泊4日10万ウォン台。

華厳寺ならではの季節別特化テンプルステイプログラムも準備されている。5月には華厳寺野生茶作りテンプルステイを実施する。 華厳寺周囲に自生している野生茶の木から直接葉を採取し、緑茶を作ることで仏教文化を体験するプログラムで、華厳寺創建当時、茶の木を植えたのがその起源であり、韓国の茶の歴史が始まった場所なことから、意味深い体験となる。 5月毎週金曜日から日曜日までの2泊3日コースで費用は12万ウォン台。 →www.hwaeomsa.org

서브03-화엄사

▲韓国10代名刹としてあげられる華厳寺の美しい本堂

 

<Information>韓国内テンプルステイに関する情報は韓国仏教文化事業団(www.templestay.com)を通じて各寺院別テンプルステイプログラムおよび関連事項が案内されている。英文サイトを通じては各寺院別外国人観光客対象テンプルステイの関連予約も可能で、テンプルステイに加えて韓国仏教文化に対する多様な情報も確認することができる。

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