韓国の伝統にまるごと触れる 国立国楽院

2010年09月20日

韓国の伝統音楽や民俗楽器演奏、パンソリや舞踊など特に関心のない人でも、直接それを聞いて見た人は思いがけない感動を覚えます。ユネスコ世界遺産に登録された宗廟の祭事の際に奏でられた音楽など、普段私たちが見ることのできない風景と演奏などを一度に体験できるのが国立国楽院です。ここに来れば韓国の伝統にまるごと触れる至極の時間を過ごすことができます。

演奏の姿

 

国立国楽院

国立国学院は韓国の伝統音楽と踊りを引き継ぎ、広報するために設立された韓国を代表する音楽機関です。新羅時代の「音声署」に始まり、高麗時代の「大楽署」、朝鮮時代の「掌楽院」、近代の「李王職雅楽部」と続けられた国立音楽機関の伝統を継承しています。悠久の時間、綿々と伝えられてきた国楽には、韓国の歴史と文化の息遣いが含まれています。1951年に開院し、瑞草洞牛眠山の麓に位置する国立国楽院は名実共に国家最高の音楽機関として発展を続けています。国楽の保存と発展のための創作、学術研究活動が活発に行われており、国楽の普及と振興のための教育、公演など多彩な事業を国内のみならず、世界を舞台に推進しています。国立国楽院は国楽を国民に普及し、世界の人々と共にする音楽となるべく努力しています。

 

国立国楽院正楽団

正楽団は開院と共に創立されて韓国固有の宮中音楽と風流音楽、正歌などを伝承しています。世界無形遺産に登録された宗廟祭礼をはじめ、宮中宴冷礼楽など、主に朝鮮時代に宮中で演奏された音楽を復元して舞台化することで、宮中文化を新しい芸術の形で表現しています。正楽団は韓国の昔の宮中音楽の伝統を継続する一方で、伝えられてきた音楽文化を継続する演奏団として、韓国の伝統音楽の美しさを世界に知らせていきます。

 

国立国楽院俗楽団

民俗楽団は1979年に創立され、民俗器楽と声楽、そしてサムルノリにいたる韓国の民俗音楽を保存、伝承しています。世界無形遺産に登録されたパンソリをはじめ、散調、民謡、併唱、サムルノリなど多様な民俗楽分野の演奏活動を広げており、音楽劇、クッ(祭祀)音楽などの作品で韓国の民俗音楽の精髄を伝えるために最善を尽くしています。国内だけでなく世界に現在と未来を貫く韓国の民俗音楽の優れた芸術性を知らせるために、努力しています。

 

国立国楽院舞踊団

舞踊団は1962年に創立され、宮中民俗創作舞踊にいたる韓国舞踊の歴史と伝統を引き継いでいます。特に2009年に世界無形遺産に登録された処容舞をはじめ、船遊楽、抛毬楽など、宮中舞踊の保存と普及に尽力し、次世代のための韓国固有の踊りの開発に力を注いでいます。

 

世界無形文化遺産処容舞

国立国楽院創作楽団

創作楽団は2004年に創立され、伝統音楽に基盤を置いた未来の伝統となる創作国楽の開発と活発な演奏活動で、現代の音楽も受け入れています。伝統音楽が持つ創作精神を継承し、1974年の韓国音楽創作発表会と最近の国立国楽院の創作音楽シリーズ発表にいたるまで、同時代に呼応しながら創作音楽の歴史を体系的に整理・開発、演奏するなど、多様な活動を展開しています。今後も創作楽団は世界を舞台に、未来指向的な韓国音楽の地位を確立することに最善を尽くしています。また国楽の歴史の流れを見ることができる国楽史室をはじめ、古文献室、名人室および楽器展示室では、音楽史的価値が高い大切な国楽資料を観覧することができ、立体映像室と国楽体験室では、実感できる国楽学習の面白さが体験できます。国楽博物館は持続的な資料収集と補完を通して、国楽に対するすべてのものを学び、体験できる貴重な空間といえます。

※     開館時間:午前9時~午後6時(月曜日休館、入場無料)

 

駐韓外国人国楽文化学校運営

韓国に居住する外国人にチャング、タンソ、カヤ琴、サムルノリなど韓国伝統楽器を体験して習うことができる機会を提供しています。韓国伝統文化を広報、多文化社会本格進入により外国人勤労者、結婚移住者など多様な階層のための文化余暇インフラを提供するために運営されたプログラムです。

期間:2010.9.4 – 11.27,毎週土曜日10:30 – 12:30開設科目:チャング、カヤ琴(初級/中級)、ヘグム、サムルノリなど国楽実技参加費:3万ウォン(12週)
問い合わせ:02-580-3054 / baewon76@gmail.com

 

土曜名品公演

国立国楽院の代表的な常設公演プログラムの土曜常設公演が<土曜名品公演>という名前で新たに観客を迎えます。国楽に初めて接する人はもちろん、外国人と国楽愛好家まで、幅広い観客層と初心者のための六個の総合プログラムと国楽界の名人たちの高品格公演を鑑賞できる愛好家のための国楽名品プログラムが準備されました。これはユネスコに登載された文化遺産で整えた世界無形遺産プログラムの三種類の形態で構成されています。密度ある構成で歌舞楽を中心とした総合プログラムとなっており毎月1,3,5週に行われます。初心者を対象に行われ、国楽となじみが無い一般の観客や外国人観客が文化芸術を多様に楽しめるように構成されています。土曜名品公演という名前だけあり、プログラムは観覧するだけで貴重な体験となるでしょう。チョン・ジェクッ(笛)、チョン・ファヨン(大琴)、イ・フング(宮中竝唱舞踊)、カン・ジョンスク(カヤ琴竝唱)などの名人が一堂に会した公演は 長時間精魂を込めて表現した名人の芸術世界に浸れる貴重な時間となります。世界無形遺産プログラムは宗廟祭礼楽、パンソリ、處容舞(チョヨンム)、カンガンスレ、江陵(カンヌン)端午祭、済州チルモリダンヨンドゥングッ、霊山(ヨンサン)祭など宮中音楽をはじめとした、民間の踊りと音楽にいたる世界的に認められた誇らしい無形遺産で構成されています。大韓航空スカイパス会員や搭乗客には20%割引となり、観覧料は全席1万ウォンです。

公演問合わせ:02-580-3300 (日本語可)

公演期間 2010年 1月2日~12月25日までの毎週土曜日

公演時間 16:00~17:20

料金 全席 10,000ウォン

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