韓国33観音聖地をめぐる「私探しの旅」~東北圏~

2015年12月16日

韓国33観音聖地をめぐる「私探しの旅」~東北圏~

 

ありふれた韓国旅行ではない癒しの旅行を求める人たちに、お勧めしたいのが「韓国33観音聖地をめぐる旅」だ。1700年の歴史を誇る韓国の仏教文化は、同じ仏教文化圏の日本のそれとはまた赴きが違い、色鮮やかながらも、素朴なものが多い。寺院の多くが奥深い山の中にあるため、山の霊気も感じることができる。そんな古刹・名刹の中で本尊が観音菩薩である寺院の中から厳選された「韓の国33観音聖地」を一つひとつ巡回することにより、心に安らぎを感じると共に、韓国の隠された美しさも同時に発見できる旅となる。一度に巡るには広範囲にわたるため、4つのエリアに分けてその魅力を把握した後、自分探しの旅へと出かけよう。
文/大成直子

洛山寺

山と海、大自然の中で仏と出会う

 

韓半島の東北方面には、2018年冬季オリンピックが開催予定される江原道がある。スポーツの饗宴だけではなく、長い歴史を見守ってきた古刹たちを巡ることで、より韓国の大自然が実感できる。

3年後に迫る2018冬季オリンピックが開催される江原道。韓国の中でも大自然を体験し、雄大な山を楽しみたい人たちが一番多く訪れるのが江原道だといえる。韓国の人たちが紅葉狩りに出かけたい山の名を挙げると必ずその名が挙がる雪岳山(ソラクサン)の国立公園内にある新興寺(シンフンサ)は雪岳山へ登るケーブルカーの入り口近くにあり、山へと向かう人たちが気軽に境内を訪れる。

入り口に入ると、巨大な大仏の姿が目に入る。統一大仏と呼ばれるこの釈迦座像大仏は、仏像の高さ14.6メートルと座台高さが4.3メートルと巨大なもので、10年という歳月をかけ1997年に奉安されたものだ。高さはアパートの6階分にもなり、使われた青銅は108トン。これは、北朝鮮と近い距離にあることから避難民たちの悲しみを癒すことを目的に、一日も早く分断国家から民族統一できることを願い、2万名の仏教徒と韓半島の住民たちの願いをこめて作られたものだ。

大仏に祈りをささげて境内へと進む人たちが多いが、大仏の後方へと回ると座台の中へ続く入り口が出てくる。大仏の中に内院法堂があり、そこには千の手と千の目で一切衆生を済度する千手千眼観世音菩薩が安置されている。このほかにもミャンマー政府が寄贈した仏陀の身舎利3つや陀羅尼経、七宝などの服の遺物も収められているので、そのまま通り過ぎずに大仏の中まで見学することをお勧めする。

江原道のもう一つの山、五台山へと進む。韓国で智異山、雪岳山に次ぎ、広くまた深い山として名高い五台山は、その名の通り東西南北中央の峰があることから五台と呼ばれる。それぞれに菩薩が常住し、中台には五台信仰の根源地となる寂滅宝宮があるなど、昔から5万の菩薩がいると伝られる神聖な山だ。そんな五台山にある月精寺(ウォルジョンサ)は慈蔵律師によって643年創建された。慈蔵律師は中国に留学に行き、そこで祈る中で文殊菩薩に出会う。「お前の国の東北方面に一万の私がいるので、そこで再び私と出会いなさい」という啓示を受け、新羅に戻るとすぐ文殊菩薩が常駐するといわれる五台山に入り、文殊菩薩に出会うことを待ちこがれて努力した。しかし文殊菩薩に出会うという意はついに成し遂げられなかったが、このことから月精寺は五台山の深い渓谷に敷地を定めることになった。

境内には本堂となる寂光殿の前庭に石像菩薩座像(宝物第139号)があり、八角九層石塔(国宝第48号)が高く聳え立っている。高さは15.2メートルと韓国の八角石塔の中では一番大きい。その塔の上には刀が載せられているが、これは知恵を司る文殊菩薩が愚かさを知恵という刀で切ることを象徴しているという。

 

青い空と青い海の祈祷聖地

江原道には山ばかりがあるのではない。海を挟んで日本と向かい合う韓国の東端、東海(日本海)の深い青と、白い波がまぶしい襄陽郡(ヤンヤングン)の高台には洛山寺(ナクサンサ)がある。ここ襄陽郡は海が美しい観光地として、季節を問わず韓国中からたくさんの観光客が訪れる名所だ。

洛山寺は「観音聖地」と呼ばれているが、これは慈悲精神を根本とする観音が祭られ、多くの人が祈る道場であるためだ。ここで行う瞑想や祈祷の主題は、許し、和解など人に対するものだ。そんな宗教的な色彩を除いても、洛山寺は最も美しい姿をした寺院として挙げられる。1300年前にここに洛山寺を建てた義湘大師は観音菩薩に導かれてここを訪れたと伝えられる。義湘が観音菩薩に出会うために義湘台を訪れ、青い鳥の後についていったところ、鳥が洞窟の中へ入るのを不思議に思ったことから、洞窟の前で14日間昼夜を通じて祈祷を奉げた後、海の上に赤い蓮の花が現れその上に観音菩薩と出会うことができたという。そこでここに小さな寺を建て名前を紅蓮庵とした。

1300年前に創建された洛山寺が今日まで愛される寺院となったのは、義湘大師に関する言い伝えも確かに大きな役割を果たしているが、寺院の周辺、境内の美しい風景も大きい力を発揮する。広い境内を回ると、その風景に癒しを感じない人はいないだろう。
韓国の3大観音聖地とは、昔から襄陽洛山寺、江華普門寺、南海菩提庵が挙げられる。この観音聖地は「観世音菩薩が常住する聖なる場所」という意味で、ここにて切実に祈れば他のどこでする祈りよりも聞かれるといわれる場所だ。高さ16メートルの海水観音像は洛山寺のてっぺんにあるが、いつも多くの人たちが切実に願う祈祷が奉げられている。

 

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