〈インタビュー〉韓国旅行業協会会長・梁武承

2017年01月31日

KATA_회장B-日韓相互交流人口
1000万人に向けて

韓国旅行業協会会長・梁武承

 

昨年、日韓交流人口は700万人を突破した。その裏では両国政府のみならず、旅行業界の努力があったことは確かだ。そんな韓国旅行業の立役者の一人である韓国旅行業協会(KATA)の梁武承(ヤン・ムスン)会長に、これまでの事業と、2017年の旅行業界の展望、KATAとしての取り組みなどについて話を聞いた。
文/小峰明記者

 

韓国観光産業の現状と日本市場への復興支援について

昨年、韓国の旅行業界は、皆たいへんであったと思う。出国者数は昨年末までで2200万人の水準までたものと推測されており、インバウンドも約1700万人となったが、旅行業界は不況だ。テロが多く発生する中、いろいろ神経を使うことは多くなり、全体的な市場は拡大したものの、旅行業界は良い状況ではなかった。

その中でもKATAとしては、対外的に韓国の観光産業発展と国際交流増進のために多くの施策をしてきた。例えば日本では、東北地方と熊本・大分の2地域の復興のための韓国旅行関係者のファムツアーを実施した。

この応援ツアーのうちの一つは、東北地方観光促進を目的として昨年6月に宮城・秋田・山形を訪れたもの。一昨年の4月に400人の応援ツアーを行ったが、運悪くその年には韓国でMERS(中東呼吸器症候群)が発生したため、その効果を見ることができなかった。それで昨年、もう一度、約240人の訪問団が東北を訪れ、観光促進のための試みを行った。

2つ目は、昨年4月に発生した熊本地震の被害者を応援するために、8月に熊本・大分への訪問団をつくって、被災地を含めた九州観光活性化を支援した。熊本訪問では、日本側もたいへん感動したようだ。九州観光市場が早期正常化することを願っての訪問だったが、実際に現場を訪れてみると、それほど問題がないことを確認し、その様子を韓国の旅行業者に伝えることができた。

また、日本のJATAとは毎年2度の会議を行っている。特に、KATAとしてはJATAが主催している「ツーリズムエキスポジャパン」にも参加して、お互いに日韓の旅行業界の現況も把握しながら、日韓の観光産業全般の多くの懸案を協議し、解決する努力をしてきた。昨年の12月13日には日本から150人の応援団が慶州を訪れ、交流会を行った。2014年から「メガ・ファムツアー事業」として、日韓両国から約400人から3千人規模の訪問団が訪問して相互交流を行ってきた。

2017年の韓国旅行業界の見通し

 

韓国旅行業界はさらに規模が拡大するだろう。旅行業界が抱いている問題は、利用率を高めることだ。利用率を高めるためには消費者の心理を高める施策が必要だ。現在、韓国でも日本と同じように個別旅行と家族旅行が増加した。インターネットによる情報が豊富になって、消費者はさまざまなよい情報を選択できるようになった。多くの個人旅行者がそのような情報をもって、旅行社を使わなくなっていることは確かだ。

そのような実情の中でも、旅行社の利用率を高めるために多くの努力をしているが、旅行社を利用する場合、その利点が多いことを訴えている。消費者の信頼を得ることが重要であり、旅行の時の安全も個人旅行者に比べ確保できることだ。

また、旅行社の販売ツールはさらに多様化するものとみられる。たとえば、「ホームショッピング」による旅行商品の販売は、多くの旅行社が実施している。キャンセル率が高いというリスクがあることは確かだが、これもまた旅行のマーケティングの一つとして継続して行われるだろう。

来年の日本市場に対する取り組みについて

日本市場に関していえば、インバウンド市場は少しずつではあるが、持続的に日本からの訪問客はより回復していくものと予想されている。韓国のインバウンド市場は最悪の状況を脱した。2011年の350万人から、一昨年は180万名まで落ち込んだが、昨年は230万名と回復しており、日本から韓国への訪問は徐々に常用していく傾向にある。そして、アウトバウンドにおいてはいうまでもなく500万人が日本を訪れ、地方への旅行もますます増えている。特に韓国からの旅行客が日本の地方観光活性化に大きく寄与している。実質的に日本のアウトバウンドとしても、韓国市場が活性化すると旅行社が好調となり、市場が拡大して好転する。日本と韓国で訪問者数があまりにも偏ってもよくないが、日本のインバウンド市場が回復傾向にあり、アウトバウンド市場も持続的に増加しているということはよい傾向だということができる。

旅行商品の量が増える一方で、その質が低下しているのも確かだが、日本市場が旅行商品の質を向上するリード市場だと見ている。量だけでなく質も高い旅行商品を提供している。韓国商品も、今まで日本から数十年間日本の旅行客が訪れているため、品質が向上してきており、テーマがある地域などで商品開発が実質的に行われている。

また、ユネスコ世界遺産に登録された百済歴史文化遺産について関心が高い中で、商品開発も今後多くなされていくと期待している。過去のように、団体旅行で来る時代から、旅行者が自ら豊富な情報を集める時代となったため、それに対応するコンテンツを準備することも必要となり、実質的に商品価値を持たなければならない時代となった。また、忠南地域の百済文化圏でも、一地域を商品にして広報していくよりは、公州・扶余・青陽、そして論山などの地域と組んで商品化することが重要だ。

相互交流700万人から1千万人を目指して

 

今まで日韓の相互交流数を700万人にするということが目標であったが、昨年、それを達成した。2012年度に日本から韓国へは350万人、韓国から日本へは280万人が訪問して合計630万人となり、700万人はすぐに達成できると思っていたが、厳しくなった。そして昨年になって700万人を越えた。これから1千万人を目標に進んでいく。先週行われた日韓観光拡大シンポジウムでは、両国政府間で1千万人の目標を立てた。今後、1千万人の日韓間人的交流に向かって目標を明確にして努力をしていこうとしている。

それに対して、両国が努力すべき内容がある。それは旅行社が旅行商品の品質改善していくこと、そして航空会社が航空機の供給を増やすことが必要だ。旅行者が1ヵ所にだけ集中するのではなく、地方へも分散しなければならない。そのためにも、両国政府は航空路線をより拡充できるよう支援が必要であり、民間は路線が拡充された地域の旅行商品をより多様化させ、質を向上させて受け入れ態勢を充実させなければならない。

これは日韓両国の一方が努力してできることではない。今は、日韓の相互交流が不均衡だが、今後、日韓関係が正常化し、さらなる協力関係を構築していけば自動的に回復するだろう。日本側にお願いしたいことは、一つは航空会社の供給の増大だ。供給が増えれば旅行コストが低くなる。韓国で格安航空会社が増えたため、航空料が下がって旅行がしやすくなった。日本から韓国へもより安く来ることができるようになった。他国家に対する競争力を持つためには、もちろん、価格だけでなく、商品のコンテンツを旅行社が開発し、旅行者を地方に分散させることも日本側と共に努力をしていくことが必要だ。

最後に、日本の旅行者に対してお伝えしたいことがある。一つは、韓国の観光は安全だということだ。過去、日韓関係がギクシャクしている時でも日本人観光客に対して危害を加えるようなことはなかった。そのため、安心して韓国旅行に来て欲しい。もう一つは、韓国でも地方の観光コンテンツがたくさん開発されていて、インフラが整っているため、ソウルや釜山だけでなく、地方へ足を伸ばして地方にある新鮮なコンテンツに触れて欲しい。

地方観光に関して、韓国の旅行社と日本のアウトバウンド旅行社がお互いに協力して商品開発に努力を傾け、日韓相互観光客がさらなる交流ができることを望んでやまない。

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