平和観光+絶景の自然が待っている「江原道・鉄原」
韓国ならではの観光が楽しめる
平和観光+絶景の自然が待っている「江原道・鉄原」
ソウルから車で約2時間。江原道(カンウォンド)というと高い山や渓谷、そして真っ青な美しい海を連想するが、ここ鉄原(チョロン)郡には広大な平野が広がり、刈り入れが終わった田んぼには天然記念物のタンチョウの親子が行き交う。のどかな田園風景が広がるが、少し違うのは、ここには北朝鮮との軍事境界線により許可された人たちだけが入ることができる非武装地帯があることだ。そんな歴史的な場所とともに、手付かずの自然が残された美しい風景に人たちは魅力される。
世界ジオパークに認定「漢灘江柱状節理道」
最近、鉄原で一番人気が高い観光名所として注目されているのが「漢灘江柱状節理道(ハンタンガンジュサンリキル)」だ。この漢灘江は北朝鮮から、鉄原~抱川を経て漣川で臨津江と合流する広大な川だ。長い昔、近隣で火山が爆発し、この時流れ込んできた溶岩が冷めて玄武岩になり、水と氷が長年玄武岩の隙間を開けて削り取って今日の深い峡谷になったという。
溶岩が冷めて岩になる時、岩が縮まり柱状に固まるのが柱状節理だ。漢灘江一帯にはこのような火山地形と共に数億年にわたって変化してきた岩石と地質景観が随所に刻まれているが、そのような歴史的な地形と独特な景観を保護し、人々も十分楽しめるように作った制度がジオパークであり、漢灘江はユネスコが認証した「世界ジオパーク」として2020年8月に指定された。そして、2021年11月から漢灘江沿いにある絶壁に作られた幅1.5m、長さ3.6kmの桟道が設置され、全国から多く観光客が訪れるようになった。
入口はトゥルニと、スンダムという2カ所となっていて、右側通行で両方の入り口から来た人たちが行き交う。道はデコ平たんに続くが、渓谷に沿って階段の上り下りや鉄橋などがあるが、大自然を満喫しながら写真を撮るのに夢中となる。所要時間は1時間から2時間程度。
スタート時点に車を止めた人たちのために、シャトルバスも週末運行されている。入場料は大人10000ウォンだが、そのうち5000ウォンが地域商品券として支給されるので、お土産や食費として使えばいい。
すぐそこに見える北朝鮮「DMZ平和観光」
漢灘江からまた車で30分ほど走り、平和観光と名付けた平和展望台へと向かう。1945年.日本の敗戦によりアメリカとソビエトが北緯38度線を境界としてから、1950年に朝鮮戦争が勃発。その後1953年に休戦となった北朝鮮と韓国。遠い過去のように思うものの、今もなお軍事境界線として残っており、その境界線から双方2kmの区域が非武装地帯(DMZ)として残っている。そんな朝鮮戦争の激戦地であったここを許可を得て訪問することができる。 鉄原に訪れるタンチョウや渡り鳥がされている DMZタンチョウ平和センターがそのスタート地点として、ツアーの受付が行われる。ツアーに参加するためにはパスポートなどの確認できる書類が必要だ。出発は10時、10時半、14時、14時半だが、週末は13時半のコースも追加される。1回につき50名が参加できるが、各自乗ってきた車にの上に、サイレンのようなものを付け、先頭車に従って軍人が守る、民間人出入統制区域内へと入る。
まず向かうのは鉄原平和展望台。展望台にはモノレールに乗り5分ほどで到着する。2007年8月に竣工された。2階にある大型スクリーンにて目の前に広がる北朝鮮の紹介や、朝鮮戦争での激戦があった場所などの説明を聞いた後、双眼鏡を通じて休戦ラインの非武装地帯をはじめ、平康(ピョンガン)高原や北朝鮮の宣伝村などを見ることができる。北朝鮮と陸地でつながっており、800m先が北朝鮮の土地だという説明を聞くと、すぐ近くにあっても行くことができない分断国家の悲しみが感じられた。
そして、次に向かうのは 月井里(ウォルジョンニ)駅だ。ここは、日本が設置した京元(キョンウォン)線の仮設駅だった場所。京元線は、ソウル~北朝鮮の元山(ウォンサン)間の221.4kmを結ぶ産業鉄道で、鉄原で生産された農産物や元山の海産物を輸送する幹線鉄道だったが、朝鮮戦争の爆撃で破壊され、そのまま廃止となった。北韓軍が撤退する際、先頭の機関車のみを撤収したため、現在は残りの客車部分のみ置き去りにされており、止まったままの列車は韓国の分断の歴史を象徴しており、「鉄馬は走りたい」という看板からは切なさが感じられる。
ここを見てからは民間人出入統制区を離れ、労働党舎(ノドンタンサ)を訪れた。鉄原は第二次世界大戦後から朝鮮戦争までの間は北朝鮮の領土だった。そのため、この建物は北朝鮮が共産独裁政権の強化と住民統制を目的に建設したもので、朝鮮労働党鉄原郡党舎として使われていたものだ。無鉄筋の共産主義国特有の建築方式で、朝鮮戦争の激戦により2階と3階は内部が崩れ、無数の弾痕が残っており、今もその激しかった戦争を物語るかのように佇んでいる。現在は、近代文化遺産登録文化財第22号に指定され、管理されている。
この労働党舎の前に、今年7月から新しく鉄原歴史文化公園がオープン。公園の中には1930年台、金剛山観光の入り口だった旧鉄原駅をはじめ、劇場、教会、銀行などを実際の大きさで再現した地域近代歴史が見られる場所として人気が高まっている。
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