ユネスコ世界遺産をめぐる 朝鮮王朝の王の墓 王陵
朝鮮王陵とは1392年から518年間続いた朝鮮王朝の時代の歴代王族が眠る墓のことです。朝鮮王陵は1408年から1966年のおよそ5世紀に渡って造られ、韓国が申請した朝鮮王陵40基がユネスコ世界遺産として登録されています。韓国の中で世界遺産として9番目に登録され、ソウル近郊を中心に、地方にも点在しています。価値ある遺跡として、また現在も祭礼が行われているという点でも優れているとされています。朝鮮王陵がソウル市とその近郊にある理由は、当時の都を中心に10里~100里(4km~40km)の間に建てるという決まりがあったことによるものです。王陵は儒教の礼法により作られることから、一定の形式を保っており、どの王陵も似たような空間構造になっています。
進入空間があり、祭祀空間、陵寝空間に別れているなか、賽室、ホンサル門、ペウィ、参道、T字閣、陵寝、文官、魂遊石があります。
朝鮮王朝展示館
27代、519年間にわたり朝鮮を統治した国王と王妃の墓、朝鮮王陵。500年の長きにわたって続いたひとつの王朝、その王陵がほぼ損傷無く残っているのは世界に類を見ないといえます。朝鮮王陵は優れた王陵として、文化的でかつ学術的価値があると世界に認めら、ユネスコ世界遺産に登録されました。康陵にある朝鮮王朝展示館では国葬の手順をはじめ朝鮮王陵に関わる歴史や文化、三陵祭礼、王陵の管理、そして泰陵、康陵にまつわる物語などをテーマごとに見て回ることができます。
韓国に点在する王陵
1長陵、2章陵、3坡州三陵、4西三陵、5西五陵、6温陵、7貞陵、8泰陵、康陵、
9ウィ陵、10、宣陵、靖陵、11ホン陵、仁陵、12東九陵、13光陵、14思陵、
15洪陵、裕陵 16隆陵、健陵 17英陵、寧陵、18荘陵
文定王后(ムンジョンファンフ)ユンシ 泰陵(テルン)
朝鮮時代の第11代国王中宗の后、文定王后(1501-65)が葬られたのが泰陵で、陵は単陵形式になっています。土の暮下には雲と十二支神を意味する防衛神が彫られており、屏風石があります。文官石像の高さは260cmあり、左側の文官石像は右手で左手を覆っていて、右側の文官石像はその反対の姿勢をとっています。泰陵は王妃の単陵とは思えないほど壮大で、当時の文定王后の勢力がどれほどのものであったかということを推測させます。文定王后は中宗大王のそばに埋められることを願っていましたが、中宗の陵がある地域は地盤が低く、洪水の被害が頻繁に起こるため陵を造ることができず、現在の場所に単陵として作られることとなりました。T字閣は韓国戦争の時に破損し石垣と礎石だけが残っており、現在あるものは1994年に復元されたものです。
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