韓国旅行がもっと楽しくなる「キラリ! 名所」26 韓国のカニ料理

2014年09月21日

韓国のカニ料理

カニ料理

 
 北の大地からアニョハセヨ! 秋が深まると食べたくなるのが鍋ですが、今回は秋から12月ぐらいまでが旬で、おいしい出汁が取れ、実もカニミソもおいしい「コッケ」(ワタリガニ)とその特産地をご紹介します。
 日本人観光客にも人気の韓国料理「カンジャンケジャン(写真・ワタリガニの醤油漬け)」の食材としても使われるコッケ。韓国で「カニ」といえば「コッケ」です。生まれも育ちも北海道の私にとって、「カニ」といったら毛ガニ、タラバガニ、ズワイガニ、花咲ガニであり、韓国に行くまでワタリガニは全く馴染みのないカニでしたが、釜山で初めて食べた「コッケタン(ワタリガニ鍋)」の味にすっかり虜になってしまいました。
 韓国では卵もおいしく食べられるカンジャンケジャンにはメスを使い、身がおいしいオスは蒸し物や鍋にするとよいと考えられています。そんな「コッケ」の「コッ」が「花」を意味する文字と同じなので、「花蟹」と勘違いされている方も多いようですが、それは違います。現在、濃音になっている「コッ」の文字は元々、平音で表記し、「先の鋭い突き出たもの(=串)」を意味し、甲羅の両端の飛び出た突起が「串」のようだったので「串蟹」の名が付いたといわれています。ちなみに、韓国語で岬を「コッ」といいますが、これも「海に向って突き出たところ」ということで語源は同じだそうです。
 そんなコッケは仁川から群山(クンサン)、木浦(モッポ)にかけての韓国西海岸が主な産地ですが、その中で忠清南道(チュンチョンナムド)南西部に位置する舒川(ソチョン)郡は、秋に「コノシロ・ワタリガニ祭り」が開催されるほどの特産地です。
 ソウルから列車で3時間ほどの距離にある舒川は人口約6万、南は錦江(クムガン)河口、東は黄海に面し、映画「JSA」にも登場した新星里(シンソンニ)葦原や、昨年オープンした生物多様性について体験的に学べる「国立生態園」、日の出と日の入両方の景色を楽しむことができる「馬梁浦口(マリャンポグ)」など、自然の偉大さを改めて感じさせてくれる場所があります。
 秋深き隣は何をする人ぞ…深まる秋、今年は自然の大切さを感じてから、その恩恵を味わってみるのはいかがでしょうか。
文/高野康夫(通信記者)
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