[特別インタビュー] 元・外交通商部長官 柳明桓 共通の歴史文化を通じた 観光交流で未来を開こう

2015年10月12日

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共通の歴史文化を通じた 観光交流で未来を開こう

柳明桓元・外交通商部長官 特別インタビュー

 

韓国の李洪九元首相や福田康夫前総理等とともに、日本と韓国の元老たちによる韓日関係改善のために作られた「韓日賢人会議」のメンバーであり、駐日本大使も歴任した元外交通商部長官(外務大臣)の柳明桓氏(70)から、韓国観光の現在および今後の韓国旅行の方向性等について話しを伺った。
文/大成直子記者

 

Q.韓国の観光素材として日本に紹介したいものは?

私が日本大使として日本にいた当時から、日本政府は訪日外国人旅行客誘致1千万という目標を持って推進してきたことを知っている。観光を通じた経済効果は非常に高いため、サービス産業の中でも観光業が重要なものだと認識している。一番近い隣国である日本の皆さんは、10数年前に「冬のソナタ」から始まった韓流ブームにより、たくさんの方々が韓国を訪問されるようになったものの、今後、もっと進化した韓流観光資源の開発が必要となってきていると思う。一度来た人たちがリピーターとして何度も訪れたくなるような、観光コンテンツの開発だ。そこで、日本に紹介したいキーワードとしては、歴史探訪を挙げたい。慶州や、今年ユネスコ世界遺産として登録された百済など、日本との関連性がある文化遺産について、ストーリーを充実させながら紹介し、韓国の地方観光により関心を持ってもらいたいと思う。

 

Q.韓国の観光素材をより興味を持ってもらえるためには、どんな努力が必要だと思うか?

実際、韓国は他国に比べて、ダイナミックな風景や特別なアイテムという面では弱いのが事実だ。韓流の発信地として、海外からもたくさんの観光客が訪れているが、一時性のコンテンツとなってしまわないよう、努力が必要だ。ショッピングも免税店だけではなく、ハワイのように伝統市場でお土産を買うことができ、おいしい料理が楽しめる伝統的なショッピングセンターも整備していかないといけない。韓流ドラマの撮影地にも、日本からたくさん訪問されたが、そこだけで終わってしまわず、周辺の見所、ショッピングなど個性があるよう演出し、連携して楽しんでもらえるようなコース作りが必要だ。
その国の文化を知るために、海外から訪れた人たちは遺跡や史跡を楽しもうと博物館を訪れる人たちが多い。韓国にある国宝の多くは、仏教関連のものが多く、それらは日本とも共通する部分が多い。そこで、ただ広いだけの博物館ではなく、テーマを絞り、コンテンツが充実した個性的な博物館を作っていく必要性があると思う。

 

한옥마을

 

Q.推薦したい韓国の地方観光地のご紹介を。

全羅北道にある全州韓屋村をお勧めしたい。韓国の伝統的な韓屋が並ぶだけでなく、それぞれの韓屋で韓国文化に触れる体験メニューが準備されていて、宿泊までも楽しむことができるからだ。スローツアーと題して、時間を気にせずゆっくりと過ごせる村は、きっと日本だけでなく海外からのお客様も楽しんでいただけると思う。
地方へと旅行する際、今までは団体旅行が主流だったことから、案内について行けばよかったが、全世界的にも個人旅行が主流となっていることから、個人の旅行客が気軽に訪問できるようなオンラインでのコンテンツを準備していかないといけないと思う。旅行に出かける人たちが、自分で航空チケットとホテルは手軽に準備できるものの、到着した後の楽しむ方法について、韓国観光公社や、KATA(韓国旅行業協会)などが、実際に利用できる便利な情報をアップデートしてほしいと思う。

 

Q.訪韓時にお勧めしたい韓国料理と、個人的に好きな食事のご紹介を。

中国からの旅行客たちの話を聞くと、韓国料理は辛くてしょっぱいという。また、料理自体がダイナミックだが、見た目が良くない料理も多いと思う。そこで、初めて韓国に来られる旅行客の皆さんには、辛さが少ないプルコギや冷麺、ビビンバをお勧めしたい。肉に味が付いているプルコギは、ご飯のおかずとしても、お酒と共に楽しんでもふさわしい料理と言える。
実は韓国料理は温度によって全く味が変わってしまうため、熱いものはぐつぐつと煮えた状態で、冷たいものは氷が浮かぶ状態で食べてもらわないと、本来の味が感じられない料理だ。
そして、韓国料理はコストに比べて手間が大変かかる料理だといえる。特急ホテルでも韓国料理専門店がないのは、洋食、和食に比べて手間がかかる割には料金を高く設定できないからだ。今後、外国人に喜んでもらえるカジュアルな韓国料理専門店も準備していくべきだ。
私が個人的に好きな料理としてはチョングッチャン(納豆チゲ)だ。どこにいっても、メニューにチョングッチャンがあるとそのチゲを注文する。とても香ばしく、伝統食事として健康に良いためお勧めしたいが、独特なにおいがあるのが難点だといえる。

 

Q.訪韓日本人が減少しているが、今後増加するようなアドバイスをお願いしたい。

政治的な部分が大きいといえる。一日も早い両国間の頂上会談が開催されることが大きな突破口になるものと思う。私も今年中の開催を希望している。両国間の政治的な葛藤は、観光業界に大きな影響を与え、いくら民間交流でがんばったとしても、敏感な問題なため困難が伴いしかないと思うからだ。

 

Q.駐日本大使時代の思い出があればご紹介を。

思い出というか、私は日本にいる時に、時間ができれば温泉を訪れていた。日本の3大温泉と呼ばれる草津、有馬、登別温泉をはじめ、多くの温泉を訪問したが、一番思い出に残っているのが長野県の上高地にある温泉で、冬には雪のため閉まってしまうため、秋に宿泊しながら温泉を楽しんだ。日本アルプスの大自然と共に温泉が楽しめるためとても魅力的だといえる。

 

Q.最後に日本の旅行業界関係者のへのメッセージをお願いします。

先ほど話したように、政治的に厳しい状況の中で韓国への旅行商品を販売されていることに感謝している。今後、韓国旅行の活性化に向けて、新しい韓国旅行コンテンツの開発をお願いし、韓国からもたくさんの旅行客が日本を訪れるように、相互協力しながら両国のコンテンツ開発に努力していただければと思っている。

 

 

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