Yuckyの大邱10味紀行 ⑧ マクチャン焼き

2015年08月28日

マクチャン焼き大邱10味紀行、今回ご紹介するのは、マクチャン焼き。いわゆるホルモン焼きのことで、チムカルビと並び大邱のグルメの代表格です。

大邱のホルモンはマクチャンと呼ばれ、豚の大腸の最後の(肛門に近い)部分のことで、豚1匹から約250g(約40㎝)ほどしかとれず、高タンパク、低脂肪、カルシウムが豊富で低コレステロールという優秀な食材です。

ホルモンといえばコプチャンという言葉もありますが、コプチャンはマクチャンを除いた大腸のことです。お値段的には100gにつきマクチャンは5334ウォン、コプチャンは2000ウォンと、マクチャンの方がかなり高級なんですね。高級といっても、一人1万ウォン(約千円)も払えばお腹いっぱいになる庶民の味方!もちろん食堂ではどちらも味わうことができますよ。

マクチャンは、炭火や練炭、ガス等でキツネ色になるまで焼き、タレにつけていただきます。大邱のタレは小口切りにしたネギの入りの味噌ダレが一般的です。どのお店もタレにはこだわりをもっていて、醤油ベースやコチュジャン入りのホットソースもあります。でもやはり大邱ではお味噌のタレで味わって欲しいなあと思います。また、エゴマやニンニク、青唐辛子を添えて、味のバリエーションも楽しめます。

大邱にはホルモン通りと呼ばれるところが4か所あり、東城路(繁華街)やトランギル(レストラン街)などにも専門店があります。最近はホルモン屋とは思えないほどお洒落で、まるでカフェのようなお店も増えています。

でも、大邱でマクチャン焼きを食べるなら、なんといってもホルモン通りの一つ、アンジランコプチャン通りがオススメです。今年の春開通したシティツアーバスもここに停留所を設け、観光客にも大邱の味をアピールしてます。

場所は地下鉄1号線のアンジラン駅から約200m。通りの入口にあるかわいい豚ちゃんの看板をくぐると、約500mの通りに50軒ほどの専門店が連なっています。夜になると、芳ばしい煙が漂い、マクチャンで一杯!というお客さんで賑わっています。安いうえにスタミナたっぷりなので、若いお客さんも多く、通りには活気が溢れています。

私はこの通りが大好きで、大邱に友だちや家族を連れて行くと、必ずここへ案内します。庶民的な雰囲気で楽しくお酒が飲めるうえに、大邱のバイタリティを感じてもらうには恰好の場所だからです。

アンジランコプチャン通りは元々市場だったところですが、1990年代、近くに大型スーパーができたために、シャッターを下ろすお店が増えてきました。そこで、その生き残りをかけ、市場からホルモン通りへ思い切った変貌をとげました。1979年にオープンした「忠清北道食堂」というお店をかわきりに、お店は徐々に増えていき、1998年にはホルモン通りと呼ばれるまでになりました。

この成功の裏には、商人のたゆまない努力と団結力がありました。まず、ホルモンを焼く際、匂いや煙などの問題があるため、地域住民とのコミュニケーションをはかりました。そして、豚ホルモンを共同で購入し、選定された二つの工場で、徹底した衛生管理のもとでお肉の下処理や加工をするシステムを作りました。そのため、アンジランコプチャン通りではどのお店でも価格は500gで1万2千ウォンとほぼ統一されていて、観光客がボラれたりする心配がありません。さらに客引き行為、未成年へのアルコールの販売、行商人立入なども禁止され、きっちりと守られています。

2007年には看板の補修や駐車場、手洗い場などの設備を整え、2012年には「韓国5大料理通り」に、そして2015年には韓国観光公社が選ぶ「韓国観光100選」にも選ばれました。これはすごいと思います。世界遺産や雄大な自然がラインナップされた観光名所の中に、自治体が作りあげたホルモン通りが選ばれたのですから。

最後に余談になりますが、アンジランコプチャン通りでは、運が良ければ、派手な女装をした飴売りのおじさんに出逢うことがあります。大音量の演歌にのせて踊りながら現れるのです。(週末限定かも?)行商人は出入り禁止なので、おそらくここの盛り上げ役として例外的に認められているのでしょう。この飴売りがやって来ると、笑いの渦が巻き起こり、通りはさらに賑やかさを増します。初めはびっくらたまげましたが、最近は飴売りのおじさんが来ないとなんか物足りないなぁと思うようになりました。

マクチャンを食べるならやっぱりアンジラン! マクチャンを食べて大邱の元気をもらってください!

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