明洞聖堂の前の気楽なレストラン「BISTRO 74」

2015年02月24日

bistro74

明洞聖堂の前の気楽なレストラン

BISTRO 74

 

ソウル観光の1番地ともいえる場所、明洞。ショッピングのメッカとして、韓国を訪れる観光客ならば1度は行ったことのある場所だろう。その明洞でもう一つ有名なのが、韓国のカトリックの代表的な聖堂である明洞大聖堂だ。1898年に建てられた荘厳な聖堂だが、昨年9月、明洞聖堂前の庭園の地下に「明洞聖堂1898広場」というカルチャースペースが新しくオープンした。それに合わせて新しくオープンしたのが、レストラン「BISTRO74」だ。
文/町野山宏記者

bistro74bistro74bistro74

明洞のメインストリートを歩き、明洞芸術劇場の前で左に折れ、ゆるやかな坂を登っていくと左に見えてくるのが明洞大聖堂だ。聖堂の前には明洞の喧騒とは少し雰囲気の違った広い空間が広がっているが、その入り口にあるレンガ造りの建物がファミリアチャペルと名づけられた聖堂だ。ビストロ74はその1階にある。
店内は明るい大理石の壁と、オープンキッチンのカウンターのシンプルなつくりで、明洞の雑多な雰囲気とはまったく違った洗練された空気が漂う。中心街からは少し外れた場所にあり、静かな店内にはジャズのやわらかい旋律が流れ、心を和ませてくれる。もともとビストロ74は清潭洞に本店を持ち、15年間経営してきたが、このたび明洞に新しく店を出したものだ。明洞聖堂にオープンするために新しくつくったという、十字架をあしらったエンブレムもシンプルで美しい。もちろん、聖堂にあるからといってカトリックの信者専用というわけではないし、堅苦しい雰囲気はまったくないので安心できる。右側にはカウンター、左側にはテーブルが並んでおり、奥行きが長い構造だが、テラスがつながっているせいか、まったく狭い感じはしない。
テラスも店内とほぼ同じくらいの広さだろうか。街に面したオープンテラスの気持ちのよい空間だ。冬でなければ外のほうが気持ちよく食事が楽しめるだろう。ウッドデッキと建物の外壁のレンガ、黄色いパラソルというシンプルな空間で、聖堂の前の庭園に面しており、場所によっては聖堂も眺められる。昨年の秋にはミュージシャンを招いてジャズの演奏も行っていたという。暖かくなったらライブも再開する予定だ。
取材に行ったのが冬の期間で、テラスにテーブルは少なかったが、室内で使っている簡素なテーブルはテラスに出し、室内のものはリラックスできるテーブルと椅子に変える予定だという。軽いランチが楽しめる空間と、ゆったりとくつろぎながら食事をする空間を、使い分けられるようになるわけだ。

 

アメリカン・フレンチの気軽なメニューが魅力

料理のほうは、アメリカン・フレンチがコンセプト。いわゆる「フランス料理」という格式ばったものではなく、パスタやサンドイッチなど、ランチとして軽く味わえるメニューだ。清潭洞の本店はイタリアンだが、より多彩なスタイルを好む客層の趣向に合わせたのだという。価格帯も良心的なのもうれしい。清潭洞の本店で長く勤め、明洞店のマネージャーとなったイ・エリムさんは「来てくださる方が負担にならないように価格設定をしています」と語った。それでも素材は天然のものを厳選して使っているため、味はもちろん、健康にもよいメニューだ。
まだメニューの種類はそれほど多くはないが、いくつかの料理を味見してみた。イ・エリム・マネージャーがお勧めメニューとして選んでくれたのは、バインミー+ライスとラタトゥイユパスタ、レンズ豆とタジキソース。オープンしてまだ間もないため、メニューも試行錯誤の最中だが、清潭洞の本店から勤めてきたシェフの自信作として変わらずレパートリーに加えてきた料理だ。
バインミーはベトナムの肉と野菜のサンドイッチとして知られているが、野菜と豚肉をピリ辛のソースで炒めてライスに乗せて食べる。異国的な香辛料の味とチーズの味がよく調和している。そして上に乗せた半熟の目玉焼きが辛さを抑えてよりマイルドな食感を与えてくれる。ボリュームもたっぷりなので、パスタ一皿では物足りない男性にもぴったりだ。
ラタトゥイユのパスタは太めのショートパスタのリガトーニで、シコシコした歯ごたえ。パスタが太めなので、パスタの中にもソースが入り込んでいる。ズッキーニ、パプリカ、なす、たまねぎ、トマトにハーブを入れてとろとろに煮込んだシチューはこの店の特製のものだろう。若干辛めだが、ほどよい刺激を与えてくれる。
メインディッシュのレベルも高いが、サイドメニューもあなどれない。ギリシャ式ヨーグルトのタジキソースにほどよく湯がいたレンズ豆をたっぷりのせ、オリーブオイルをかけた一品は、さわやかな地中海の風を運んでくる。他の料理との相性もいいし、パンやチップスに乗せて食べてもおいしそうだ。
このほかのお勧めメニューを訊いてみた。サンドイッチでは、アイリッシュ・ブレックファスト・サンドイッチが人気だ。ステーキベーコンと卵、オレンジマーマレードをはさんだサンドイッチで、イカ墨を入れた黒いパンを使っているのが特徴だ。また、ひよこ豆を使ったペースト状の中東の料理であるフムスもお勧め。ここではフムスにサツマイモを入れるのが特徴で、チップスに乗せて食べる。
飲み物も充実している。コーヒーやお茶はもちろん、エードやジュースも準備している。アルコールではビールとシャンパン、ワインを各種取り揃えている。
明洞でショッピングをしながら、食事に、あるいはちょっとしたティータイムに立ち寄ってみるのはいかがだろうか。静かで高級感がありながらも、リラックスした時間が楽しめるだろう。

 

Information

bistro74BISTRO74は地下鉄4号線明洞駅、あるいは2号線乙支路入口駅から徒歩8分。明洞聖堂の前庭の右側にあるレンガ造りの建物の1階。営業時間は午前10時~午後10時。年中無休。メニューの価格帯は8千~2万ウォン程度。Tel:02-777-7401~2、住所:ソウル市中区明洞ギル74

 

 

Pocket

関連する記事はこちら

サンジュ食堂

Yuckyのうまうま大邱! ⑦ チュオタンの専門店サンジュ食堂

  「大邱の明洞」といわれる東城路(トンソンノ)は、オシャレなショップやレストランが建ち並ぶ賑やかな繁華街です。そんな東城路の一角に、大邱で最も古いチュオタン(ドジョウ汁)の専門店、サンジュ食堂があります。 初めて行った時、繁華街のビルの谷間に突然古い韓屋が現れ、本当に…続きを読む

珈琲名家

Yuckyのうまうま大邱! ⑥ 大邱のカフェとコーヒー 

大邱旅行の楽しみの一つにカフェ巡りがあります。吹き抜けのモダンなカフェ、山小屋風のカフェ、屋上カフェ、韓屋のカフェ、そして昔の日本家屋や倉庫をリノベーションしたカフェ。大邱には個性的なカフェがたくさんあります。 「カフェ通り」もあちこちにあり、スウィーツが充実した東城路(トンソン…続きを読む

noodle1

韓国グルメ探訪 IN 西村マウル

韓国グルメ探訪  IN  西村マウル   少女時代も食べた、選べて楽しいちょっと変わった!? ラーメン屋   ラーメンチョムッパン       景福宮2番出口を出てすぐの世宗マウル飲食文化通りをまっすぐ進むと、左に赤い小さな店が見えてくる。そこが今回紹介するラーメン屋「ラーメンチ…続きを読む

f744ae6824b8886ad8234ecd741d8628-150x150

待つのが苦手な韓国人たちも通ってしまう「行列のできる韓国料理店」

    韓国には「パルリパルリ(早く早く)文化」がある。急ぎ症の韓国人たちは食堂でわざわざ列に並んで食事することを嫌うが、行列に並んででもどうしても食べたい韓国料理店があると巷で話題になっている人気店2軒を取材した。 文/大成直子記者 健康料理として女性にブー…続きを読む

チャプサルスジェビ

Yuckyのうまうま大邱! ⑤ チャプサルスジェビ

最近、大邱でハマっている食べ物がありまして…もう何度食べに行ったことでしょう。それはチャプサルスジェビというお料理で、一言でいうと白玉団子の入ったワカメスープです。ソウル在住の友人に話すと「知らない」というので調べたところ、大邱、及び慶尚北道の郷土料理ということが分かりました。 …続きを読む

タロクッパ

Yuckyの大邱10味紀行 ④ タロクッパ

大邱10味紀行、今回ご紹介するのはタロクッパです。クッがお汁でパはご飯、いわゆる「おじや」。 実は、大邱10味の中で一番興味のなかったお料理です。だって、クッパは釜山で何度も食べたし、クッパの本場は釜山でしょ? と勝手に思い込んでいたのです。 ところがどっこい釜山のクッパと大邱の…続きを読む

大邱の韓定食

Yuckyのうまうま大邱! ① 安くて美味い韓定食

 コラムのタイトルが変わりました! これまで「Yuckyの大邱10味紀行」で大邱の代表的なグルメをご紹介してきました。そして、最終回の番外編として10味以外の「とっておき」を書いていたのですが、とても一度じゃ書ききれず…「じゃあもうちょっと連載続けません?」という担当者の悪魔の囁…続きを読む

%B8%C0%C1%FD1_(2)

ソウルで必ず行きたいグルメ通りは?

  ソウルで必ず行きたいグルメ通りは? 観光地を見て歩くのは楽しいけれど、食事は現地の人が普段行くお店に行きたいという方、結構いらっしゃるのでは?そんな方のために今日は、ソウルのベストグルメ通り人気のお店のいくつかをご紹介します。   まず最初に「麻浦豚カルビ…続きを読む

東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02