Yuckyの大邱10味紀行 ② チムカルビ

2014年09月23日

Yuckyの大邱10味紀行 ②

チムカルビ

チムカルビ
 大邱の代表的なお料理といえば、何といってもチムカルビ、大邱10味の代表格です。 
 チムカルビのチム(찜)とは「蒸す」の意味で、牛のカルビを柔らかく蒸して味付けしたお料理です。似たような名前で「カルビチム」がありますが、これはナツメや栗などと一緒にお肉を蒸し煮したもので、スープは透明、お醤油ベースであっさりとしています。宮廷料理なので辛くなく、昔は王様が召し上がっていた上品な肉料理といえます。
   一方、大邱の「チムカルビ」はたっぷりのにんにくと粉唐辛子で味付けしてあり、とても辛いお料理です。見た目は味噌煮のように茶色っぽく、アルミの洗面器のようなお鍋に入って出てきます。使い込まれた鍋がペコペコ凹んでいることもあり、見るからに庶民的で、作法など気にせずにパクパク食べたいお料理です。
  付け合せには、水キムチや浅漬けのキムチ、それからエゴマやサンチェなど生野菜で巻いて、コッテリとしたお肉をサッパリといただけます。
  大邱市役所のMさんは「チムカルビってにんにくの量が半端じゃないし、すごく辛いんです。日本人の口に合うかなぁ?」とあまり積極的に勧められなかったんですが、心配ご無用、一口食べて「うまいっ!」と思いました。確かに味も濃いし、辛いのですが、ビールにピッタリ! 白いご飯にもバッチリ!韓国料理が好きな方ならハマる味だと思います。
  チムカルビの歴史はそう古くはありません。1960年代、東仁洞(トンインドン)に住むあるご夫婦が、夏の一番暑い時期にカルビを買ってきては食べているうちに、にんにくと唐辛子を添えて食べるようになったのが始まりのようです。大邱は盆地で暑さがかなり厳しいので、ピリッと辛いお料理に人気が集まり(夏になると辛いカレーライスが食べたくなりますものね)、徐々にチムカルビのお店が増えて、今やチムカルビ通りまでできています。
  今年の初め、そのチムカルビ通りに行って来ました。チムカルビ通りの中でも人気があるといわれるナギョンチムカルビは、ほぼ満席でとても賑わっていました。お肉はニュージーランド産と韓牛の2種類があり、お値段は韓牛が輸入肉の2倍ほど。せっかくなので、韓牛(2万5千ウォン)をオーダーしてみましたが、味付けがしっかりしているので、安いお肉でも十分だったかなぁ? と思いました。周りも輸入肉を食べている人が多かったように思います。(鍋敷きでどちらのお肉なのかが分かります)
  また、チムカルビ通りに行かずとも、美味しいチムカルビのお店は大邱のあちらこちらにあるようです。むしろ、そちらの方が大邱の人には人気がある、とブログで読んだことがあります。
  私の一押しは西門市場にあるサムミ食堂(삼미식당)。東仁洞に行って食べるつもりが市場での買い物に夢中になってしまい、時間がないので近場で…と入ったお店ですが、一度でファンになってしまいました。
  まず、お店に行く過程からワクワクするんですよね。うなぎの寝床のような細い路地をぐんぐん進んで突き当りまで行くと、こんなところに食堂が!?というエリアの一角にあります。(私のブログを読んで、ここのお店に行った友人はずいぶん迷ったそうです)感じのいい社長の奥様と美人姉妹がテキパキとお店を仕切っていて、洗面器のようなお鍋に入った熱々のチムカルビが次から次にテーブルに運ばれていきます。柔らかく蒸しあがったお肉は骨からポロリとはずれ、ピリッとした辛さが食欲を増し、大満足の美味しさです。大邱は味が濃い、とよくいわれますが、塩っ辛いわけではなく、こういう濃さは大歓迎!だと思いました。また、牛の他にお手頃な豚のチムカルビもありますし、コッチョリキムチ(겉절이 김치=浅漬けのキムチ)とチュオタン(추어탕=どじょう汁)がまた絶品! 大邱に行くと素通りできないお店になっています。
 大邱に行ったらまずはチムカルビ。ぜひ食べていただきたい大邱の味です。
 
☆チムカルビ通り
大邱広域市中区東仁洞、地下鉄1号線「七星市場駅」より徒歩10分
☆サムミ食堂
大邱広域市中区大新洞115-67(西門市場内)
 
Yuckyは…
韓国旅行を愛する福岡在住の主婦。現在、大邱市を中心に韓国旅行の魅力をブログ(yukiful.exblog.jp)を通して紹介しており、2013年5月から大邱市の名誉広報委員として活動中。
Pocket

関連する記事はこちら

고기1

仁川に行ったら必ず寄るべき, グルメスポット

仁川に行ったら必ず寄るべき 仁川のグルメスポット 仁川市は鶏肉の辛味揚げ、辛だれ太麺、冷麺などで全国的に有名な都市だ。 その中から仁川市民おすすめのグルメスポットを紹介しよう。 チョンシルホンシル 「チョンシルホンシル」は仁川市における蕎麦の歴史と言っても過言ではない「レジェンド…続きを読む

大邱のB級グルメ

10味では足りない! 厳選・大邱のB級グルメ

  韓国第3の都市・大邱市。たくさんの魅力が詰まった都市ということで「カラフル大邱」と呼ばれるが、大邱市の魅力に取り付かれた人に一番の魅力を尋ねると、異口同音に「食」と答える。「大邱10味」もあるほど食においてもカラフルな大邱だが、10味では足りないほどのグルメがあると…続きを読む

麻薬パン

Yuckyのうまうま大邱! ② 大邱の麻薬パン

大邱のうまうま、今回は大邱で爆発的な人気のパンをご紹介したいと思います。 韓国には三大ベーカリーと呼ばれるパン屋さんがあります。群山の「李盛堂」、大田の「聖心堂」、そして3番手といわれているのが、安東の「マンモスベーカリー」と大邱の「サムソンパン屋」です。 サムソンパン屋の創業は…続きを読む

27480011_1556831554413239_1664063244_o

Yuckyのうまうま大邱! ⑬ 大邱のマダムに大人気! ムール貝ご飯

 薬令市の近くに女性に大人気の定食屋さんがあります。それはソヨンホンハッパッ(서영홍합밥)というムール貝ご飯のお店で、お昼時はいつも大邱のマダムたちでいっぱいです。場所は桂山聖堂(ケソンソンダン)の裏手、細い路地の突き当りにあり、通りから入口が見えないので、立て看板が目印です。お…続きを読む

タクトンチプ

Yuckyのうまうま大邱! ③ 大邱とチキン

 今年の韓国の夏は異常な暑さでしたが、大邱は韓国の中でもひときわ暑さが厳しいといわれています。盆地という土地柄のせいか、今年(2016年)は体感温度が40度という猛暑が続いたようです。 そんな中、大邱ではチメクフェスティバルというお祭りが毎年開かれています。チキンの「チ」とメクチ…続きを読む

マクチャン焼き

Yuckyの大邱10味紀行 ⑧ マクチャン焼き

大邱10味紀行、今回ご紹介するのは、マクチャン焼き。いわゆるホルモン焼きのことで、チムカルビと並び大邱のグルメの代表格です。 大邱のホルモンはマクチャンと呼ばれ、豚の大腸の最後の(肛門に近い)部分のことで、豚1匹から約250g(約40㎝)ほどしかとれず、高タンパク、低脂肪、カルシ…続きを読む

ヌルンククス

Yuckyの大邱10味紀行 ⑤ ヌルンククス

以前ご紹介したぺちゃんこ餃子と並び、市場でよく食べられているもう一つのグルメに「うどん」があります。韓国ではうどんのことをカルグクス(カル=切る、ククス=麺)と呼ぶのが一般的ですが、大邱では「ヌルンククス」と呼ばれています。生地を押して(ヌルン)作ることからその名がついたようです…続きを読む

チャプサルスジェビ

Yuckyのうまうま大邱! ⑤ チャプサルスジェビ

最近、大邱でハマっている食べ物がありまして…もう何度食べに行ったことでしょう。それはチャプサルスジェビというお料理で、一言でいうと白玉団子の入ったワカメスープです。ソウル在住の友人に話すと「知らない」というので調べたところ、大邱、及び慶尚北道の郷土料理ということが分かりました。 …続きを読む


東海岸圏経済自由区域01
東海岸圏経済自由区域02

  • travel agence