私だけの秘密にしたいヒーリング聖地「江原道」 ~1 襄陽郡 ~
春の暖かい気温や美しく咲く花を見ながらも自由に外に出かけられなかった時間を過ごし、やっと少しずつ日常が戻ってきた6月。今まで経験したことがなかった感染病に対するストレスから開放されるのはやはり、大自然の光と海、そして空気だといえます。
そんな大自然を一番体感できる場所、江原道(カンウォンド)の中でも特に手付かずの自然と豊富な特産品たちで有名な襄陽(ヤンヤン)、 束草(ソクチョ)、高城(コソン)に1泊2日の週末旅行へといざ出発!そんな旅の第一弾は襄陽からご紹介します。
(取材協力:江原道)
江原道代表空港と静かに佇む先年古刹にあえる「襄陽」
ソウルから高速バスで4時間。東に向かってひたすら走ると美しい日本海(東海)が迎える襄陽郡に到着します。現在は人口1万8千人弱という規模ですが、一時期には炭鉱の町として約5万人以上の住民が暮らし繁栄しました。
そんな襄陽郡には江原道所在国際空港である「襄陽国際空港」があります。雪岳山(ソラクサン)と東海(トンヘ)という韓国の代表的な休養地への拠点となる空港であり、江原道の関門といえる場所です。
1階は入国専門、2階は出国専用となっていて、国内線+国際線が同じフロアにあります。規模が小さめな空港なので動線がスムーズですが、小さいながらも売店や免税店も完備。現在はフライカンウォンという航空会社が済州島に1日3便で運航していますが、近い未来には日本の大阪や福岡へのフライトも予定しているそうです。駐車場は無料で利用できるためか、十分なスペースに車がぎっしり止まっています。
また、7月からはソウルの金浦空港からのフライトも準備されているので、休暇中込み合うバスを利用しなくても1時間あまりで手軽に江原道へと避暑が楽しめのがうれしいです。
そんな空港を後に次に訪れたのが美しい海のそばに静かに佇む観音様で有名な「洛山寺(ナクサンサ)」。韓国の人が襄陽という地名を聞けばすぐ思い出すほど有名な寺院であり、観光地としても人気な場所です。ここは4大観音聖地(江華・普門寺、南海・菩提庵、麗水・向日庵)のひとつとして、義湘大師が671年に創建したと伝えられていますが、様々な火災が多くおき、特に2005年にあった江原道の大きな山火事で寺院のほとんどが被害に会いながらも、現在は復元されています。
美しい山の道にそって境内に入り義湘台へと向かいます。ここは義湘大師が洛山寺を創建する際に座禅した場所として1925年に立てられた東屋です。ここから見える海や松の木たちは義湘大師が見た当時と変わらずそのままの風景だったのかと少し感動を感じます。そして、そのまま道沿いに境内を歩いていくと一番高い所に、深く青い海と共に大きな海水観音像が見えてきます。高さ16m、周囲3.3m、人々の苦しみを聞けばその姿を見せて救済すると言われる観音様として多くの人たちがその前で各自の祈りをささげていました。そんな雄大な姿の足元には小さなヒキガエルの石造が見えます。これは青蛙神という三本足のヒキガエルの霊獣で、財運に強いと言われながらその姿に触れると2つの願いを聞いてくれるといわれています。せっかく訪問したので是非なでながらかなってほしい望みを祈っていきましょう。
いくら美しい観光地でも、おいしい料理の前ではその魅力は弱まってしまうもの。江原道の名物料理であり、今の季節にふさわしいマッククス店を地域の方に紹介してもらい訪問しました。スンミョンオク(순면옥)という襄陽国際空港から10分距離にある冷麺、マッククス専門店にはこの日も多くの地元民、観光客でいっぱいです。マッククスとは冷たい蕎麦粉を使った麺料理で、冷麺タイプのムルマッククスと辛いソースを絡めて食べるビビンマッククスの2種類から選べます。日本ではソバといえば歯ごたえがあるものの柔らかい感じがしますが、こちらの麺はハサミでカットして食べる韓国冷麺タイプで噛み切れないほどの弾力と、ソバの香りがミックスされています。せっかくなのでビビンククス(辛め)とムルククス(冷麺タイプ)の2種類を頼みます。ムルククス自体にはもとから凍らせたスープがたっぷりと入っていますが、ビビンククスも冷たいスープが付いてきて、それを好みで入れ、お酢、からし、砂糖を混ぜて楽しみます。普通の冷麺と違って、ソバの香ばしさと甘辛いソース、それに野菜たちが混ぜる「江原道に来たなぁ」と感じさせてくれるソウルフードの完成です。ここに欠かせないのがカムジャジョン(ジャガイモのチヂミ)。純粋にジャガイモを磨って焼くだけなのに、香ばしさが一品のサイドメニューといえます。
お腹がふくれると、次の目的地である束草(ソクチョ)へと向かいます。
▲江原道の外国からの玄関口、襄陽国際空港
▲ 江原道の代表料理の一つ、マッククス
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