お手頃価格で「以熱治熱」、夏のコンビニグルメ紀行

2014年06月16日

お手頃価格で「以熱治熱」

夏のコンビニグルメ紀行

 日本もそうだが、韓国もコンビニ天国だ。地下鉄の駅や街中ではもちろん、地方都市の小さな道でもコンビニはすぐに見つけられ、安い値段で楽しめる韓国のコンビニならではのフードメニューは、韓国を訪れる旅行者の定番メニューとなって久しい。日本ではなかなか味わえない極悪の辛さを誇るカップラーメンから1分あれば誰でも作れるオリジナル焼酎アイスカクテルまで、すぐ目の前の夏を「以熱治熱(熱いものを食べて暑さを制する)」で楽しんで、韓国でしか経験できない最新コンビニフードを紹介しよう。
文/イジャンミ記者
 

buldak

極悪&最強の辛いラーメン!

プルダクボックンミョン

 韓国といえば思い出す味、それは「辛さ」を置いて他にない。キムチをはじめ、韓国では辛い料理がたくさんあるが、インスタントのカップラーメンもその一つだ。基本的に韓国のカップラーメンは辛い。日本でも有名な「辛ラーメン」をはじめ、「トゥムセラーメン」など、辛いラーメンが多様だが、これらの辛いカップラーメンを一気に2番手にしてしまう辛さがある。それが「プルダクボックンミョン(火鶏焼きそば)」だ。
 「プルダクボックンミョン」は、三養食品で発売されているインスタントカップラーメンで、中毒性のある辛さが特徴だ。プルダクボックンミョンというその名のとおり、韓国最強のスパイシーな鶏料理であるプルダク(鶏肉を唐辛子のソースで炒めた料理)のソースを日本の焼きそばのように炒めて食べるラーメンだ。
 やはり辛さは強烈だ。辛さを測定する世界標準の数値であるスコヴィル指数が4404SHUを記録し、韓国で販売されているラーメンの中で最高の辛さを誇る。参考までに、けっこう辛いといわれる「辛ラーメン」が1320SHU程度なので、辛ラーメンの3倍以上の辛さだということになる。
 インスタントのカップラーメンなだけに食べ方は簡単だ。プルダクボックンミョンのフタを開けて水を注いで3分後、水を捨ててから辛い調味料の液体スープと海苔などが入っているフレークをふりかけたらできあがり。
 味はやはり想像を絶する辛さだ。辛いものが好きな韓国人でも、プルダクボックンミョンを容易に完食できる人は多くない。辛さに慣れていない旅行者であれば、液状スープを半分にすることをお勧めする。さらに、辛さを和らげる牛乳などの飲み物も準備したほうがいいかもしれない。
 辛いが、韓国では「中毒性のある辛さ」だと大人気。韓国のラーメンマニアが選ぶ「一番食べたいラーメン」の第1位に挙げられるほどで、発売から1年を経たずして1億個販売という大記録まで樹立したほどであるから、強力なパンチの辛さを気軽に味わいたいなら、挑戦してみる価値はある。コンビニでの販売価格は1400ウォンで、カップラーメンだけではなく、袋入りも韓国内大型マートで販売中だ。
 

toppokki

ボリュームたっぷりの正直価格!

ジャイアントトッポッキ

 韓国代表ストリートフードとして定評のトッポッキ。韓国政府が推進している韓食世界化事業に、キムチと共に堂々と韓国代表メニューとして選定された韓国料理である。韓国の街やレストランのどこでも見られるほどに普及した料理であるだけに、当然コンビニでもレトルト食品として堂々と一つのコーナーを占めている。韓国コンビニならではの光景といえるだろう。
 メニューの名前は、「ジャイアントトッポッキ」。韓国系コンビニのシェア第1位ブランドであるCU(シーユー)で単独販売している、今年発売した最新のトッポッキメニューで、2千ウォンという安価にもかかわらず、ボリュームたっぷりで、味も専門店に劣らなず、空腹を抱えた大学生に爆発的な人気を得ている。
 調理方法は簡単だ。容器に餅とトッポッキソースを入れて、熱湯を線まで注いだらフタをして、電子レンジで2分30秒加熱したら出来上がり。
 味のほうは、コンビニで販売している2千ウォンのメニューとしてはかなりの逸品だ。辛さが強調された調味料のソースは、路上の屋台で味わうトッポッキに負けず、辛さの後に隠された甘さの絶妙なバランスは専門店に劣らない。
 メイン材料の餅も絶品。ただの餅だと思ったら大間違い。ジャイアントトッポッキを作った会社は韓国内のトッポッキの餅のシェア第1位を誇り、創業60年の伝統を持つ松鶴(ソンハク)食品であるだけに、コンビニで販売するレトルトであるにもかかわらず、独自のノウハウで餅独自のもちもちした食感をそのまま再現している。
 食事にするには量がもの足りないが、夜食やお酒のつまみとして軽く楽しむにはぴったりだ。食事として食べたい人は、残ったトッポッキソースにコンビニで売っているおにぎり(800ウォン)を入れて、「トッポッキビビンバ」にして楽しむ大学生ならではのオリジナルレシピもあるので、挑戦してみてはいかが?
 

melonaju

即席で作る焼酎カクテル!

メローナ酒

 韓国を代表する酒はといえば、やはり焼酎だ。ストレートで飲むのが韓国スタイルだが、最近は焼酎に様々な素材を加えて楽しむ、別名「ミックス酒」が、若年層、特に大学生の間で人気だ。その理由は他でもない、20度に近い度数の、味も苦い焼酎を、清涼飲料などと混ぜてアルコール度数を下げ、カクテルスタイルの甘い味に変えて気軽に楽しもうとする傾向があるからだ。
 紹介するメニューは、「メローナ酒」。材料はすべてコンビニで入手できる商品で、メインの材料となる焼酎と、サイダー、メロン味のアイス「メローナ」、そして氷が入ったアイスカップの4アイテムがあれば、わずか1分でオリジナルメロン焼酎カクテルがつくれる。
 作り方は極めて簡単。アイスカップに半分程度の焼酎を入れ、サイダーを入れてブレンドする。そこにメロン味アイスの「メローナ」を適当に切って入れるか、あるいは丸ごと入れて、泡が出るまでかき混ぜればできあがり。
 気になる「メローナ酒」の味は、「うんうん」と思わずうなずいてしまうほどの立派な味。カクテルの初心者が、コンビニのテーブルで1分で作ったものとは思えない。甘いメロンベースに炭酸とアルコールが加味されたのが、少し誇張になるかもしれないが、カクテル専門店で出しても遜色がないほどだ。
 レシピのアイデアの出所は不明だが、最近、大学生をはじめとする20代の間で人気で、コンビニ印のカクテルにもかかわらず、その人気に押され、実際にバーの正式なメニューにまで上がったほどだ。
 メローナ酒を楽しむにあたって一つ注意事項がある。味だけで見たらソフトドリンク感覚だが、しっかりとアルコール度数18度の焼酎が入った厳然たるお酒であるという点だ。暑い夏に、アイスカップに注がれたキーンと冷えた一杯は最高だが、暑さを言い訳にしてぐいぐい飲んでしまっては、楽しい韓国旅行をホテルの部屋で寝て過ごすことにもなりかねない。飲みすぎにはぜひ注意してほしい。
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